マンションの大規模修繕工事とは?費用・工事期間・周期や大まかな流れを解説

  • Update: 2022-10-14
マンションの大規模修繕工事とは?費用・工事期間・周期や大まかな流れを解説

マンションをぐるっと囲むように足場が組まれ、シートが張られている様子を見かけることがよくありますよね。十中八九、いわゆる「マンションの大規模修繕工事」が行われていると思っていいでしょう。

マンションは、いくら頑丈に建てられていても、雨風や日射の影響を受け、外壁などがダメージを受けてしまいます。そうした経年劣化を防ぐために定期的に行う必要があるのが大規模修繕工事です。足場を組んで行う外壁塗装や、一部屋ごとに交換メンテナンスを行う配管工事、防水工事などがそれに当てはまります。

大規模修繕工事にかかる費用

その大規模修繕工事にはどのくらいの費用が必要なのか。マンションの形状や仕上げ材のグレードなどによって異なりますが、1住戸あたりの負担額は75~125万円程度と言われています。ただし、戸数の少ない小規模なマンションでは、やや割高になるケースも。たとえば総戸数50個でトータル1億円程度の費用がかかる場合は、1住戸あたり200万円ということになります。

基本的には毎月支払っている修繕積立金から費用を捻出しますが、場合によっては一時金として各戸が追加で費用を支払わなくてはならなくなることもあるので要注意です。

大規模修繕工事の工事期間

工事期間は、マンションの形状や規模によってさまざま。一般的には、50戸以下の小規模マンションであれば「着工開始から2~3カ月」、50戸を超える大規模マンションであれば「着工開始から5~8カ月」という期間が目安です。

ただし、劣化が目立ってきたのを見て「じゃあ明日から大規模修繕工事を始めましょうか」というわけにはいきません。

修繕工事の計画、見積もりの取得、住民説明会の開催など、工事を始めるまでの工程はさまざまなものがあり、工事の計画から着工開始までは1~1年半ほどかかるのが普通です。つまり、準備期間を含めると全ての工事が終わるまで2年前後の期間が必要だということです。

大規模修繕工事の周期(タイミング)と回数

冒頭で述べた通り、大規模修繕工事は1回やれば終わり、という性質のものではなく、「定期的に」行う必要があります。では、何年ごとにやるべきなのでしょう。

立地環境、建物の形状や仕上がりなどによって異なるため一概に「何年」と決めることはできませんが、一般的には「12年に1回」が適切なタイミングだと言われています。

なぜ12年なのか。それは、築10年を経過した建物(外装材がタイル貼り、石貼り、モルタル塗り)について「外装改修工事を10年以上行っていない」「外壁全面打診調査を10年以上行っていない」場合は3年以内に外壁の全面打診調査もしくは修繕工事を行う必要がある、と建築基準法で定められているからです。

これはつまり、「10年以上メンテナンスをしていない場合は以後3年以内に工事をしないといけない」ということ。こうした法令に準じて、「12年に1回」がスタンダードな周期とされているわけです。

大規模修繕工事開始までの流れ

ここでは、大規模修繕工事を始めるにあたっての具体的な流れを見ていきましょう。大まかには以下の流れで進めていくことになります。

  • ①修繕委員会を設立
  • ②コンサルティング会社の決定
  • ③施工会社の決定
  • ④居住者向け説明会を実施
  • ⑤修繕工事準備~開始

①修繕委員会を設立

まず、マンションの理事会で大規模修繕工事の実施が決まったら、管理組合内での体制作りを行います。一般的には、「修繕委員会」といった専門の委員会を設立します。理事会は通常の組合運営業務も担当しているため、大規模修繕工事関係の業務までは手が回りません。そこで理事会の下部組織として修繕委員会を設け、修繕委員会が大規模修繕工事にまつわる業務を前面に立って担当する、というわけです。

②コンサルティング会社の決定

修繕委員会のメンバーが決まったら、次は修繕工事の流れを考えていきます。施工会社をどうするか、修繕工事中のチェックはどのように行っていくかなど、検討すべきことは山ほどあります。

もし修繕委員会だけで大規模修繕工事を進めていくことが難しい場合は、専門のコンサルティング会社に依頼することをおすすめします。

コンサルティング会社はプロの知識、プロの目線をもって、施工会社の選定や工事中のチェックなどを修繕委員会に寄り添って進めてくれます。1戸につき3~5万円のコンサルティング費用はかかりますが、委託すればスムーズに大規模修繕工事を進めることができるので、一つの方法として覚えておいてください。

③施工会社の決定

次は施工会社を決めます。当然ながら、適切な工事が行われていないと余分な手間や費用がかかる可能性があります。安心して工事をお任せできる施工会社を選定しなくてはなりません。

選定にあたっては、大きく分けて3つの方法があります。

1つ目は「特命随意契約」です。以前にも大規模修繕工事を依頼した施工会社など、理事会や管理組合と既に信頼関係にある1社を指名して見積もりを取り、その内容を検討して決める方法です。

2つ目は「見積合わせ」です。設計図面や現地での説明会をもとに複数の施工会社に見積もりを依頼し、その内容を比較検討して決める方法です。

3つ目は「競争入札」です。公募または指名によって入札希望会社を選んだ上で、競争入札を行う方法です。

いずれの方法にもメリット、デメリットがありますので、以下の記事もご覧いただき、慎重に選定するようにしてください。

大規模修繕工事の施工会社選定方法、それぞれのメリット・デメリット

④居住者向け説明会を実施

施工会社が決まり、工事の内容や期間などの概要がある程度決まったら、居住者向けに住民説明会を開きます。いざ工事が始まってしまうと、ベランダが使用できなくなるなど日常生活に支障を来す可能性があるからです。

防犯対策はどうなっているか(足場が組まれているため不審者が入りやすくなってしまう)、安全対策はどうなっているか(小さい子どもがいる場合は危険が伴うことがある)、工事中に部屋が暗くならないか(工事中に貼られるシートには透過性の高いものが使われるのか)、家にいないといけないことはあるか(基本的には住民が不在でも工事は進められるが、玄関枠の塗装など、住民がいなくては進められないものもある)。以上のような点において、修繕委員会、住民ともに意見交換を行い、全員が納得している状態にしておく必要があります。

⑤修繕工事準備~開始

住民の同意が得られたら、工事の準備を進めます。具体的には、足場の設置、資材倉庫の設置、現場事務所の設置、作業員用の休憩所やトイレの設置などが行われます。当然、これらの間にも修繕委員会、コンサルティング会社、施工会社とで綿密な打ち合わせを行い、必要に応じて住民への説明もしなくてはなりません。

準備が整ったら、着工です。大規模修繕工事の検討からここまでがおよそ1~1年半と、長期プロジェクトとなりますが、マンションの品質を保つためには必要なこと。修繕委員会のメンバー、住民、いずれの立場であっても、協力して進めていきたいものです。

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株式会社さくら事務所

ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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