新型コロナウィルス感染拡大防止!マンション内でクラスターを出さないために

  • Update: 2020-04-03
新型コロナウィルス感染拡大防止!マンション内でクラスターを出さないために

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

新型コロナウィルスの感染拡大が日に日にその勢いを増しています。

もしマンション内で新型コロナ感染者が発生したら?管理組合は感染防止にどんなことをしたらいい??そんな不安をお持ちの理事さんもいらっしゃいます。

さくら事務所のマンション管理士がマンション内の新型コロナウィルス感染防止対策についての疑問についてお答えします。

Q&Aリストはこちらからもダウンロードできます。

マンションのエレベーターも密閉空間ですよね?感染を防ぐには?

→ 一般にエレベーターかご内には換気扇または換気口が設置されています。節電対策として換気扇が止められているマンションは作動させましょう。

一般にエレベータかご内には換気扇又は換気口が設置され換気が行われており、密閉空間という意味での飛沫核による感染のリスクはそれほど大きくはないと思われます。

ただし、一部のマンションでは節電対策として換気扇が止められているケースがあり、そのような場合には、感染症対策の一環として換気扇を作動させることが考えられます。

とはいえ、新型コロナウイルス対策として最も重要なのは、⾶沫感染、接触感染を避けること。

換気は⾶沫核除去には有効ですが、換気をするだけで感染リスクを充分に低減できるという考えは避けたほうがいいでしょう。

マンションエレベーター内の感染症対策として、「ドアノブ、手すり、ボタンなど共用部分で人が触れる部分をこまめに清掃すること」も併せて実施するといいでしょう。

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管理組合として感染防止策はどこまですべきでしょうか?

→ 管理組合で感染症対策まで法的責務を負うとは考え難いでしょう。とはいえ、明文化されていない部分に関する管理規約等の解釈を行うことになりますので、「区分所有者に理解を求める姿勢」や「その根拠を明確にする情報開示」は必要になると考えられます。

管理組合は、基本的には建物の維持管理団体ですが、「区分所有者の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保すること」(マンション標準管理規約 第1条の一部抜粋)もその目的としています。

新型コロナウィルス罹患者が発生した場合、高齢者であれば高い確率で亡くなる可能性があるため、その危険性から一種の建物保存行為として、理事会が一定の対策を行うことが容認されるケースも想定されます。

(とはいえ、管理組合の上記目的からすると、感染症対策にまで法的責務を負うとは考え難いでしょう)

災害等の緊急事態に対する規定もありますが、これはマンション標準管理規約のコメントなどからすると、具体的には地震や津波、水災などからの被災を想定しており、今回の新型コロナウィルスに関してはまさに「想定外」ということになると考えます。

そのため、現時点でこのような事態を想定した管理組合としての合意形成を行われているマンションはほとんどないと考えられます。

いずれの方針(対処する・しない)を採用するとしても、明文化されていない部分に関する管理規約等の解釈を行うことになりますので、理事会として、「区分所有者に理解を求める姿勢」や「その根拠を明確にする情報開示」などが必要になると考えられます。

ゲストルームなどの外部者のマンション内立ち入りを制限することはできますか?

→ 理事会の決議を経て一定の利用を制限することも不可能ではないでしょう。

ゲストルーム等のマンション共用部分に対する管理行為(財産の保存、利用及び改良を目的とする行為)に関しては、理事会の決議を経て一定の利用制限をすることも不可能ではないと考えます。

ですがこちらも、明文化されていない部分に関する管理規約等の解釈を行うことになりますので、いずれの方針(対処する・しない)を採用するとしても、理事会として、「区分所有者に理解を求める姿勢」や「その根拠を明確にする情報開示」などが必要になると考えられます。

感染防止の消毒、管理会社にどこまでお願いしていいの?

→ マンション内の感染防止には、毎日人が触れるところ(スイッチ、手摺、エレベーターのボタン等)を「こまめに」清掃することが重要です。日常の管理員や清掃員業務として対応しましょう。

厚生労働省から出されている「新型コロナウイルスに関するQ&A(関連業種の方向け)」では、接触感染の予防には手がよく触れるところ、たとえば、ドアノブ、スイッチ、手すり、エレベーターのボタン、テーブルやカウンター、共用で使うもの(トングやメニュー等)などについて、消毒用アルコールや界面活性剤を含む住居用洗剤等で定期的な清拭をすることが有効とされています。

マンションの場合、日常の管理員・清掃員業務としたいところですが、廊下や階段の「手すり」の拭き清掃は重労働(年配の清掃員にはできない可能性がある)であることから、管理業務委託契約書の日常清掃範囲として明記されていないケース(記載があったとしても「月1回」「年数回」、「定期清掃の清掃範囲になっている」)などが見受けられます。

管理会社に通常の清掃ローテーションを変更してでも、新型コロナが警戒されている期間に関しては、例示された拭き掃除の箇所を中心に厚生労働省他から示された方法で日常清掃を行うことをお勧めします。

管理組合から管理会社に対応をお願いしてみましょう。

管理会社が在宅勤務になるようなことは考えられますか?

→ 感染拡大に伴い、管理委託契約に基づく業務履行が難しくなるケースも最悪考えられます。事前に緊急時、どこまでの業務がしてもらえるのか話し合っておきましょう。

そこまで安全性の確保が必要な状態になった際には、管理員や清掃員、コンシェルジュも出勤できず、日常管理にも支障をきたす可能性も懸念されます。

しかし、その場合においても、マンションでの感染拡大防止においては、情報提供をはじめとしてマンション管理会社の役割は非常に大きなものがあります。

いかなる場合でも居住者の安全を確保することを最優先として業務を行うことが望まれます。

いずれにしても、(一社)マンション管理業協会より公表されました「マンション管理会社の感染症等流行時対応ガイドライン」中の次の記載を参考になさってみてください。

4. 管理組合との管理委託契約に基づく業務履行について
感染症等の感染拡大時には管理組合との管理委託契約に基づく業務履行に支障が生じることが予想されます。

事業者として緊急事態に応じた社内体制を構築していても、人員の都合上管理組合の要望に応えられない事態となった場合にどのような対応ができるのか等について、管理組合と事前に協議しておくことが望まれます。

(1) 業務履行について社内で構築した危機管理体制を基に、状況によっては業務履行が不可能になる事態も有り得ることを説明し理解を得ておくことが望まれます。なお、その際には管理組合との連絡を密にしておくことが理解を得る一助になると考えます。

(2) 管理員の勤務体制について管理員業務はマンション管理における非常に重要な業務であります。しかし管理員においても安全を確保することは必要であることから、マンションにおいて多くの感染者や濃厚接触者が確認された場合には、当該期間はマンションのライフラインを維持するための必要最小限の業務履行となることも止むを得ない等の承諾を得ておくことが、緊急事態に直面した場合の混乱を避ける対策と考えます。

感染拡大するのでは?集まらないで理事会や総会ってできませんか?

→ 理事会では急ぎ検討を要する課題がある場合に限り開催とし、オンライン開催も推奨しています。総会は最低限の議案のみ上程、議決権行使書を出してもらって開催、というケースもあります

マンションの総会に関しては、弊社の次のコラムをご覧ください。

お役立ちコラム「新型コロナ感染防止で延期?中止?マンションの総会Q&A」

理事会開催について、さくら事務所では直接集合するかたちは避け、できればオンライン開催を推奨します。

万が一、通常通りに理事会を開催して感染したら、マンション内で大きな問題になるかもしれません。

感染防止のリスクヘッジのために理事会は中止にするか、急ぎ検討を要する議案・課題・問題ある場合、オンラインで行ってはいかがでしょうか。無理なく導入できる環境であればチャットで進めることも検討してみてはいかがでしょうか?

やむなく集合しての開催となる場合は、会場の窓を明けて、お互い距離をとるなど3密を防ぐため、十分な対策をとって臨みましょう。

理事会等のオンライン開催については、内閣府が運営している「公益法人information」に掲載されている「新型コロナウィルス感染症への対応について」のうち、次の2つが参考になると考えます。

・「Web会議・テレビ会議を通じた理事会・評議員会の開催について」(外部リンク)

・「新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ(外部リンク)

一般社団法人はともかく、管理組合より公益性の高い公益法人でも運用が緩和されていることを考えると、区分所有者に緊急性への理解を求めつつ、濫用と受け止められない範囲で、管理組合がこれを準用して運営することは可能と考えます。

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山本 直彌
監修者

山本 直彌

大手マンション管理会社での業務経験6年、大手不動産仲介会社での業務経験9年、その他PM・BMマネジメント経験3年

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株式会社さくら事務所

ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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