マンションのサッシ交換、費用は?タイミングは?押さえておきたいポイントを解説

  • Update: 2020-08-06
マンションのサッシ交換、費用は?タイミングは?押さえておきたいポイントを解説

一定の築年数を経たマンションでのお悩みとして多いのが「窓(サッシ)の交換」。

20年、30年と過ごすうち、マンションのお部屋うちでもさまざまな不具合が出てくるでしょう。

もちろんサッシも同様で、経年や使い勝手によって変形や摩耗するなど、開閉に支障をきたすケースもあります。

築年数によっては「エアコンをつけてもなかなか暖まらない、涼しくならない」「結露してサッシにカビが生えやすい」「外部の音が気になる」「クレッセントが傷んでかかりにくい」というお悩みもあるかもしれません。

ここでは、マンション管理士がマンションのサッシの交換について知っておきたいいくつかのポイントをご紹介します。

各住戸の窓(サッシ)も専有部分ではなく、共用部分

個々のお部屋うち(専有部内)のリフォームは管理規約のルールにのっとって、個人で行うことができますが、分譲マンションの窓(サッシ)は共用部の扱いになるため、勝手に交換することはできません。

外壁やそのほかの共用部の修繕同様に、マンション管理組合として決議の上、行う必要があります。

そこで大きなポイントになるのがやはりその費用や合意形成、管理組合の負担です。

なぜ必要?何が変わるの?合意形成に向け丁寧な説明を

元の窓(サッシ)の仕様・耐用年数にもよりますが、大多数の住戸で開閉がスムーズにできなくなり生活に支障をきたすようになってきた、という声をきっかけに、窓(サッシ)の交換が検討されます。

ですが、それぞれのお部屋内の中のことであり、それぞれの生活スタイルも異なるため、世帯によって交換の必要性をどれほど感じているか?は差があるかもしれません。

反対(交換の必要はない)の意見がある場合、なぜ反対なのか十分なヒヤリングとともに、業者選定や費用対効果について丁寧に話し合う必要があるでしょう。

交換を希望される方の現状の不満点を共有しておくことも重要です。

今現在、その不具合や不便を感じていない方も、おいおい同じ症状に悩まされる可能性があるからです。

一般的に交換にあたっては基本的にカバー工法という手法がとられます。

既存の枠から作り直すとなると、周囲のコンクリートを壊す必要がありますので、費用面から考えても現実的ではありません。

その点、カバー工法では「既存の枠に新たな枠を取り付ける」方法で、現実的な工法ではありますが、枠を重ねる分、開口部が少し小さくなり掃出し窓は段差がでてしまうこともあります。

最新のものに交換することで、断熱性や気密性、遮音性などの性能は向上しますが、交換によりこういった面があることも、後々のトラブルを避けるために共有しておきましょう。

また、工事の際に協力が必要なこともあわせてお願いしておく必要もあります。

交換にともない室内に入れる状態にもなってしまうため、居住者の在宅は必要です。

足並みそろえて工事のタイミングに全戸が在宅に協力してもらうのもなかなか大変です。

サッシ交換の費用は?長期修繕計画に入ってる?

次にお金の問題です。

まずは、サッシの交換がそもそも長期修繕計画に含まれているか?将来的に計画されているか?を確認しましょう。

もし含まれていなかったら、交換のためにこれまで積み立ててきた修繕積立金とは別に費用が必要になります。

サッシの交換について、長期修繕計画に含まれていないケースも多々あります。

このとき、問題になるのは、長期修繕計画に入っていると思っていた(別途交換に費用が必要と思っていなかった)場合です。

上記のような場合、生活に影響が出るほどの経年がすすみ交換を検討した際、修繕積立金の不足に追い打ちをかける可能性もあります。

長期修繕計画にサッシ交換が入っていないこと自体は、組合の考えに基づき合理的な理由があれば問題ではありません。

特に、タワーマンションなどでは、高層階の風圧に耐えるために通常より性能のいいサッシを導入しており、今後のサッシ交換の工法についても十分な技術的検証も終わっていません。

長期修繕計画に含まないのであれば、その旨をはっきりと長期修繕計画に記載しておき、誤解のないようにしておけばいいでしょう。

標準管理規約では個人でのサッシ交換も可能に

2004年に改正されたマンション標準管理規約(多くのマンションで管理規約のひな型とされています)では、各区分所有者の負担・責任において実施することも細則として定めることができる、としています。

マンション標準管理規約22条(窓ガラス等の改良)の第2項
区分所有者は、管理組合が前項の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を各当該区分所有者の責任と負担において実施することができる。

【同コメント】
第2項は、開口部の改良工事については、治安上の問題を踏まえた防犯性能の向上や、結露から発生したカビやダニによるいわゆるシックハウス問題を改善するための断熱性の向上等、一棟全戸ではなく一部の住戸において緊急かつ重大な必要性が生じる場合もあり得ることに鑑み、計画修繕によりただちに開口部の改良を行うことが困難な場合には、専有部分の修繕等における手続と同様の手続により、各区分所有者の責任と負担において工事を行うことができるよう規定したものである。

ただし、他リフォーム同様、交換にあたっては仕様など一定のルールを定めておく必要があるでしょう。

実際に個別でサッシ交換を行う場合は、後の全戸交換の際に、かかるはずだったその住戸の交換費用を案分してお支払いするケースもあります。

工事にあたり、在宅の協力が得られない住戸への対策

サッシ交換には所有者・居住者に在宅していただく必要があります。

交換工事に反対の住戸や、空室になっている住戸の対処法も検討しておきましょう。

例えばお部屋うちを見られるのが嫌、そこまでしてうちは必要ない、とどうしても理解が得られない場合、その住戸の所有者に対して、将来的にサッシの交換がどうしても必要になった場合の対処について覚書などを交わしておくといいでしょう。

過去の例では、賃借人が入室を許可してくれず、結局その部屋の交換ができずに、後日そのお部屋のオーナーが賃借人の退去後に取り付け費用のみ自身が負担して(保管していたサッシの)交換工事を行った、というケースもありました。

また、通常の所有者がお住まいのケースであっても、作業の日程確認など管理会社や管理組合の負担がありますが、空室の住戸の場合、お部屋うちから交換工事ができるよう(お部屋の鍵を開けてもらえるよう)所有者に連絡をとる必要があります。

いつやる?大規模修繕工事と一緒がいいの?

大規模修繕工事と一緒にやるかどうか?という問題もあるかと思います。

「サッシ交換は3回目の大規模修繕工事で行いましょう」という意見もあるようですが、実際、サッシの交換はお部屋うちから交換するので足場がなくても交換は可能ですので、どうしても大規模修繕工事と一緒に行う必要性はありません。

大規模修繕工事と同時に行うメリットとしては、工事に伴う様々な調整などが1本化できる、総会での議案・決議など面倒なことが一回で済むこと、などがあります。(ただし、同時期に行う場合も、発注は別発注とし、サッシメーカーまたは代理店と直接契約した方が安くなるケースが多いでしょう。)

予算的に問題無く、皆さんも賛成しているなら1回で済ませるというのも1つの方法です。

マンション全体で共通の認識をもつことが重要

サッシの交換については、(竣工時期などにより)既存のものの性能の違いもあり、大規模修繕工事のように「だいたいいつこの方法でやらなければならない」というものでもありません。

それゆえに「いつやればいいのか?」「やるべきなのか?」と悩んでしまうマンションもあるかと思います。

「将来的にこの建物を何年くらい使うつもりなのか?」といった問題同様に、サッシについてもマンション全体で将来に向けた共通の認識を持っておくことが重要です。

お悩みの理事さんはお気軽に、さくら事務所のマンション管理士にご相談ください。

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