マンション大規模修繕工事の進め方!流れ・手順と注意点を解説

マンションの大規模修繕工事とは、建物を長く健全な状態を維持するために行う改修工事です。長く安心してマンションで過ごすために欠かせない重要なものであり、適切なタイミング・修繕方法で行うことが大きなポイントになります。

ここでは、大規模修繕工事の準備から工事完了までの一般的なフローとその注意点をご紹介します。

まず何から始めればいいのか?何に注意すべきなのか?大規模修繕工事で失敗しないためのポイントを解説します。

【無料】大規模修繕で失敗しないための3ステップ

大規模修繕工事の一般的なフロー

STEP01 修繕委員会の発足

管理会社からの大規模修繕工事実施の提案を受けて、準備を進めるための修繕委員会を立ち上げます。

ここをチェック!

  • 今すぐに大規模修繕工事の実施が必要な状態なのか?
  • 設計事務所やコンサルティング会社など外部専門家の起用は?
  • 工事終了後の資金計画の見通しは?

この時点で既に大規模修繕工事実施ありきで管理会社から提案を受けるケースが多々ありますが、「そもそもすぐに実施すべき状態なのか?」から検討する必要があります。

また、外部専門家を起用せず、管理会社からのサポートなどだけで大規模修繕を検討される管理組合もありますが、多くの管理組合、特に規模が大きい管理組合ほど、その施工会社などの選考プロセスを透明化・客観化するため、設計事務所など外部専門家を起用します。しかし、この設計事務所・コンサルティング会社を採用するかが最初の悩みとなります。

加えて、資金計画も重要です。大規模修繕実施後に見直しされるケースも散見されますが、本来は資金の見通しを先に立てるべきではないでしょうか?

STEP02現状把握・劣化診断

大規模修繕工事の実施にあたり、工事範囲や工法選定のためにマンションの劣化状態を調査します。

劣化診断

ここをチェック!

  • 大規模修繕工事の実施ありきで劣化診断が行われていないか?
  • 修繕積立金の残高も考慮し、どのような修繕を望むか?
  • 今すぐ大規模修繕工事を行うべきか?

管理会社が有償・無償で劣化診断を行うケースが散見されます。

ただ、やはりここでも「実施ありき」の調査になってしまうことが多々ありますので、「修繕積立金残高、長い目でどんな修繕を組合として望むのか」を併せて「今すぐ工事を行うべきか?」を検討する必要があります。
また、管理会社による劣化診断では、その調査内容が修繕計画に反映されないケースもままあります。

どのような状態であっても、フルパッケージのもともと想定していた修繕計画が提案されるかもしれません。

STEP03予算・工事計画の検討

総会で大規模修繕工事実施の決議をとるために概算予算を検討します。また、設計監理方式で行うのか?責任施工方式で行うのか?といった工事の進め方についても検討します。

管理組合の懐事情を知っている管理会社から、現在の積立額の90~100%の金額やそれを上回る概算予算が出されることがあります。

設計監理方式:管理組合が設計事務所等を選び、設計事務所が劣化状況の診断、修繕設計、施工会社選定を行う方式
責任施工方式:一社の施工会社に設計・工事監理・施工をお願いする方式

第三者の介在がある設計管理方式のほうが、客観性があり価格や品質を精査ができますが、悪質なコンサルタントも存在するため注意しましょう。

提示される概算予算に対して「その金額は妥当なものなのか?」「不当に高額な項目はないか?」「不要不急な修繕項目は含まれていないのか?」「修繕積立金の今後の不足が懸念される場合は今後どう見直すのか?」といったことも同時に検討が必要です。

これらを経て、工事実施の総会決議を取ります。

また、マンション大規模修繕工事を進めるにあたって、施工会社に何をどこまでお願いするのか?により発注方式が異なります。発注方式もこのタイミングで検討が必要です。

ここをチェック!

  • 予算書の金額は妥当なものか?不当に高額な項目はないか?
  • 不要不急な修繕項目は含まれていないか?
  • 修繕積立金の不足が懸念される場合、今後どう見直すか?

上記チェック項目について第3者の意見が欲しい、そもそもどのような観点で評価すべきが分からないなどお困りの方に向けさくら事務所では以下のサービスをご準備しております。

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STEP04施工会社選定

検討された工事の進め方に基づき、施工会社を選定します。

現状調査などから予算や工事計画の検討後、施工会社の選定に移ります。施工会社を決定する際には、複数の会社から見積をとり、比較検討をするのが一般的です。

施工会社の検討にあたり、比較項目として費用はもちろん、施工実績・経験・財務状況・見積項目など総合的な判断が必要となります。

施工会社の選定は、当然工事の仕上がりに大きく影響します。適切な補修が行われていないと、再劣化が起こり余分な費用や手間がかかる可能性もあります。安心してお任せできる施工会社なのか様々な角度か慎重に検討しましょう。

例えば、第三者が格安のフィーでコンサルタントに入っている場合、割安なフィー以上に影の金銭のやりとりで組合が不要な出費をしている可能性がありますので、更に注意が必要です。

ここをチェック!

  • 設計監理方式で、談合の疑いはないか?
  • 劣化診断の内容を反映した適切な修繕計画になっているか?
  • 不要不急な工事項目は含まれていないか?

上記チェック項目について第3者の意見が欲しい、そもそもどのような観点で評価すべきが分からないなどお困りの方に向けさくら事務所では以下のサービスをご準備しております。

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STEP05総会で決議

工事の概要が決まったら、総会を開催し決議を取ります。共用部分に変更が無ければ過半数の決議で工事を発注できます。とはいえ、納得のいく説明をすることは当然の義務なので、広報誌の作成や総会前に説明会を開くなど、事前に組合員の意見に耳を傾け、組合員との信頼関係を築いておきましょう。

大規模修繕工事に前向きでない方や関心がない方も一定数いるでしょう。一度不信感を持たれると、挽回するのは困難です。説得力のある説明ができるよう、しっかりと備えておきましょう。総会に至るまでの準備も大切です。広報誌の作成や臨時総会の開催などで、事前に組合員の意見に耳を傾け、組合員との信頼関係を築いておきましょう。

ここをチェック!

  • 組合員への説明内容に間違いはないか?
  • 分かりやすく納得のいく説明はできているか?
  • そもそも信頼関係を築けているか?

総会での工事内容の説明や資料作成に自信がないなどお困りの方に向け、さくら事務所では以下のサービスをご準備しております。

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STEP06工事説明会

総会で決議が採れ、正式に施工会社に工事を発注したら、組合員や居住者に向けて工事説明会を開催します。

工事説明会のタイミングは、工事開始の約1か月前に行われることが多いです。改めて、工事に関する概要や注意点、詳細なスケジュールなどを説明します。とくに騒音を伴う工事や洗濯物の扱いなど、日常生活に支障がでる内容については、着工後に「こんなの聞いていない」と苦情が出ないよう、丁寧に説明しましょう。

長期間にわたる大規模修繕工事には、組合員や居住者の協力は欠かせません。一方的な説明だけでなく、質疑応答や意見をもらう時間意見をもらうを設けるなど、組合員や居住者の声にも耳を傾けます。説明会であがった意見は、施工会社とも共有しながら対応策を検討し、必ずフィードバックしましょう。

ここをチェック!

  • 工事の説明内容に漏れはないか
  • 組合員や居住者の不安や疑問を解消できているか

上記チェック項目について、サポートしてほしい方に向けさくら事務所では以下のサービスをご準備しております。

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STEP07契約・着工

総会の決議を経て、施工会社との工事請負契約・工事監理契約を行います。

ここをチェック!

  • 着工後の追加工事が発生した場合、工法や金額は適切か?
  • 仕様通りに修繕工事が行われているか?

着工後も追加工事で費用が発生することもありますが、その金額や工法の妥当性を管理組合で判断しなければなりません。
また、仕様通りに正確に施工が行われているかもチェックできるといいでしょう。

STEP06工事完了

工事の完了を確認し、引き渡しを受けます。

ここをチェック!

  • 請負工事契約書通りに工事が完了しているか?
  • 手抜き工事や雑な工事はないか?
  • 次回の大規模修繕工事に備え、修繕積立金見直しの必要はないか?

工事完了後に、施工の不具合が発覚したり、工事のアフターフォローに施工会社が誠実に対応してくれない等、工事後にトラブルになることもあります。

また、次回以降の大規模修繕工事を考え長期修繕計画の見直しの必要に迫られるケースもあるでしょう。

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