第2章の次なる話は、マンション管理会社の種類について見ていきたいと思います。
マンション管理会社の種類
マンション管理会社の種類は、大きくわけて4つの系統があります。
- デベロッパー系
- ゼネコン系
- ビルメンテナンス系
- 独立系
デベロッパー系
マンション管理会社のなかで一番馴染みがあるのがデベロッパー系のマンション管理会社です。マンションを建設するデベロッパーが管理部門の会社を持っているケースがこれにあたります。デベロッパー系の管理会社ということもあって、マンションの設備や管理の情報に精通していて、大規模物件の受託戸数が多いのが大きな特徴で、またさまざまなマンションに対応できるだけのノウハウと経験があります。
主なデベロッパー系の会社例
- 大京
- 東急
- 三菱地所
- 三井不動産
- 野村不動産 など
ゼネコン系
オフィスビルのメンテナンス会社がルーツになるのがこのゼネコン系です。オフィスビルのメンテナンス会社がルーツにあるため、日常の清掃や設備点検の技術が秀でていることが大きな特徴になります。
また特にゼネコン系の管理会社は、マンション管理の専門知識を持つ人材が豊富に揃っているため、日頃の管理を安心して任せることが出来る会社が多いですが、一方でトラブル対応やコミュニティ支援に課題を抱えていることも多いと言われます。
主なゼネコン系の会社例
- 長谷工コミュニティ
- 大和ライフネクスト など
ビルメンテナンス系
ビルメンテナンス系の管理会社は、大手建設会社の子会社や関連会社である場合が多いです。ビルメンテナンス系の管理会社のメリットは、建築についての知識が豊富で、建替や修繕を安心して任せられることが挙げられます。その一方でデメリットとしては管理組合の理事会運営のサポートについてはノウハウを有していない場合があります。
主なビルメンテナンス系の会社例
- 日本管財
- 五香建物管理 など
独立系
独立系のマンション管理会社は、これまでの会社のように特定の会社との資本関係がなく、比較的設立から若い会社が多いのが特徴です。他の管理会社と比べて管理実績や知識では大手より劣ることも多いですが、その一方で管理費が比較的安い管理会社が多く、管理会社のリプレイス先として一定程度支持されている面もあります。
独立系の会社例
- 日本ハウズイング
- 合人社計画研究所 など
マンション管理会社の業務内容
マンション管理会社の業務内容は概ね以下のような内容となります。
事務管理業務
- 基幹事務(再委託禁止)・・・会計・出納・維持管理の企画、実施
- 基幹事務以外・・・理事会・総会運営の支援など
管理員業務
- 受付・日常点検・立ち会い・報告連絡などの業務
清掃業務
- 日常清掃
- 定期(特別)清掃
建物・設備管理業務
- 建物点検・検査
- 特殊建築物の定期検査・・・建築基準法第12条に規定する検査
- エレベーター・機械式駐車場の点検
管理会社は管理組合とのよきパートナーであり、上下の立場を設けずにフラットな関係、よりよき関係を築くことが求められます。また居住しているマンションだけではなく、他のマンションの管理状態や他の管理組合の管理状況を知ることも大切になってきます。
管理会社との契約について
管理会社と管理組合では契約に関してトラブルになるケースがあります。管理組合が管理契約の中身を誤解している・齟齬があるケースがあります。
たとえば議事録を作成するとなっている場合、その議事録は要点をまとめるだけなのか、それとも発言内容すべてを記載するのか。たったこれだけのことではあるものの、この違いによって議事録を作成する労力がだいぶ変わってきます。このような例だけでも契約書の中身をしっかり確認していればトラブルも起こりません。
たとえば新築マンション居住時に管理会社が提示する管理委託契約書の中身を確認せずに、そのまま使用していないでしょうか。必ず確認することは非常に大事になります。
<重要事項説明書について>
管理業務主任者からきちんと説明を受けているかどうか。管理委託契約に関する重要事項説明は、管理業務主任者が行わないといけません。重要事項説明は、新規・更新ともに必要になります。
ただし同条件での更新や費用が安くなる場合など、管理組合に不利な状況でない場合は、重要事項は書面の交付をもって省略することもできます。
今回のコラムでは管理会社の種類や業務内容、管理会社との契約について見てまいりました。次回のコラムでは、まかせっきりで起こる大変なトラブルについて考えていきます。