第1章では初めて理事になった方向けに管理組合や理事会の役割について見ていきました。第2章ではマンション管理について、特にマンション管理における管理会社の役割などについて見ていきます。
マンション管理について
まずこれをご覧いただいている皆さんは【マンション管理】と聞いて、何をイメージされるでしょうか?
やはりマンション管理のイメージは、マンションの管理員さんがやる仕事、すなわち日々のマンション共用部の掃除や設備のメンテナンス、住民同士のトラブル解決などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
マンション管理業務の基幹事務として
以前も、マンション管理業務の基幹事務については、「第2話 マンション管理組合の仕事とは」でも詳しく紹介していますが、以下のような大枠の内容です。
- 会計・・・全体的な予算や決算
- 維持管理・・・建物の修繕や大規模修繕工事・掃除、メンテナンス
- 出納・・・日々のお金の出し入れ
上記にある業務については、ほとんどのケースの場合、管理会社が請け負っています。
マンション管理業務を請け負っている管理会社も様々な会社があり、管理会社の動きも異なってきます。本当にマンションの良きパートナーとして動く管理会社もあれば、なかなか管理組合として依頼をしても動かない管理会社もあります。総じて管理会社は大変受け身な会社が多いイメージです。
管理会社に委託できないのは、管理組合としての意思決定のみで、マンション管理業務のなかで事務作業はほとんどを管理会社にお願いすることが可能です。意思決定以外は管理会社にほとんどお願いすることが可能です。
次にマンション管理業務で、管理会社へ業務を委託する形式は、以下の3つの方法があります。
- 全部委託
- 一部委託
- 自主管理
上記3つの委託形式の内容とメリット/デメリットについて以下にまとめました。
全部委託
<内容>
管理業務のすべてを委託する
多くのマンションがこのケースに該当
メリット
理事会役員の負担が少ない
理事会役員の入れ替えによる管理の質の変化が少ない
デメリット
マンションでの管理に対する意識が育ちにくい
すべてを委託するため、管理費が割高になる
一部委託
<内容>
管理業務の一部を委託する
それ以外の業務は管理組合が自ら行ったり、専門会社に直接発注することも
メリット
マンションで管理に対する意識が高まる
管理費を適正な水準に維持しやすい
デメリット
理事会役員への負担が大きい
理事会役員の入れ替えによる管理の質への不安が高い
自主管理
<内容>
管理会社には委託をしない
業務内容によっては専門会社に直接発注することも
メリット
マンション管理に対する意識が高まる
管理費が安く抑えられる
デメリット
理事会役員への負担が非常に大きい
管理費や修繕積立金の調整や管理が困難
総じてどの委託形式でもメリットやデメリットは存在するので、居住されているマンションに適した内容で委託する方式は決定する必要があります。
また東京都の調査によると、マンション管理業務を管理会社に全部委託しているマンションは70%を越える結果になっています。ただし割合は小数になるものの住戸数が少なく築年数が古いマンションでは自主管理をしているところもあります。
第2話では委託先になるマンション管理会社の種類について見ていきます。