マンション管理塾 初級編「管理組合と理事会」

  • Update: 2022-05-03
マンション管理塾 初級編「管理組合と理事会」

この記事はマンション管理士/一級建築士などの専門家が監修しています

管理の主体は管理組合です。良い管理の定義は管理組合によって違います。2つの評価制度(管理計画認定制度・マンション管理適正評価制度)が始まりますが、それにそっていないとダメなのかといえば、マンション管理について共通認識を持っていれば、すぐにダメというわけではありません。

ただ社会的には2つの制度(管理計画認定制度・マンション管理適正評価制度)がものさしになってくるため、最低限制度に沿うようなことは必要になってくると思います。

管理会社任せでは決して良い管理とは言えず、マンション管理組合から管理会社へ管理を任せるだけではマンション管理はままなりません。また大手の管理会社に任せれば、良いマンション管理になるかと言えば、そうではありません。

高額な管理費、高い管理費を払っている=良好なマンション管理というわけでもありません。これらを前提条件として、管理組合と理事会の役割を考えます。

専有部分と共用部分

専有部分と共用部分はマンションごとの管理規約によって異なる場合があります。上塗り説がもっとも有力な説です。

上塗り説(最有力説)

コンクリートの躯体の表面に貼られたクロスやその他の仕上材、その仕上材までがマンション居住者の専有部分で、コンクリートの躯体などはすべて共用部分という考え方です。

壁芯説(実態と合わない)

壁の中心まで専有部分とする説ですが、実態と合っていません。壁は共用部分です。

空間説(実態と合わない)

空間だけを専有部分とする説。クロスなども共用部分となりますので、これも実態と合わない説となります。

☆マンション管理をする範囲は、共用部分だけが対象になります。
☆逆に専有部分の管理については個々の区分所有者の自己責任となります。
☆専有部分に不具合があっても、原因が共用部分にあった場合は、管理対象になる場合があります。

ただし玄関ドアやサッシ部分は、管理規約によって解釈が異なる場合もあります。

マンション管理の仕組み

管理組合

  • 管理組合総会
  • 理事会

管理会社

→最も多いのは、分譲会社の系列会社が管理業務をおこなっていて委託するケース

☆新築で購入した場合は、書面の合意をもって管理会社に委託することが決められています。
☆新築で入居された際の管理規約(原資規約)は、マンション分譲会社から皆さんが購入されたタイミングで、マンションの管理規約に従いますと書面で合意されることで制定される規約です。

コンサルティングなどを行う外部専門家については、直接管理組合と契約することでコンサルティング業務を行います。

マンション管理組合の組織

管理組合は基本的に【管理組合総会】が最高意思決定機関で、管理組合としてやっていくことを最終的に意思決定できるのは、基本的に【管理組合総会】だけです。

管理規約の変更や改廃は必ず【管理組合総会】での意思決定が必要となります。

※理事会だけで細則を変更できるのか?と質問がありますが、管理規約でどう規定されているかでも変わるものの、基本的には【管理組合総会】で意思決定・改廃は行われます。

※理事会だけで細則を変更できるのか?と質問がありますが、管理規約でどう規定されているかでも変わるものの、基本的には【管理組合総会】で意思決定・改廃は行われます。

理事会

理事長の位置付け

理事会における理事長の役割は、区分所有法上の管理者です。

理事会は管理組合の執行機関です。理事は理事会を構成して、管理組合総会の決定事項と規約に定められていることだけを執行することができます。理事会で細かいことを決めることはありますが、マンション管理の運営決定権はなく、管理組合総会の決定事項と規約に定められていることが、理事会で出来ることの範囲になります。

※マンション管理の理事会は、株式会社の取締役会とは異なります。

監事は理事の職務執行を見る業務ですが、監事は理事会の理事ではないため、理事会で採決する場合の議決権は持ち合わせていません。

理事会の一般的な役割

 

管理業者との折衝

  • 業務委託/出入金の確認/業務報告/決算確認や予算案作成

維持・管理の現状把握

  • 修繕計画/管理費や規約の見直し
  • 建物診断の実施

コミュニケーション促進

  • イベント企画/広報誌の発行

クレーム処理

  • 住民間トラブルの解決/建物や設備の異常

理事には誰がなれるのか?

就任条件

管理組合以外のひとでも理事に就任することは可能です。

  • 管理規約で所有者のみと限定されている場合もあります。
  • 管理規約の条件を緩和して、幅広く人材を募る方向性を考えることも

就任要件

  • 管理規約の定めによって変わります。
  1. 理事および監事は総会の決議によって、組合員のうちから選任し、または解任する
  2. 組合員と同居する親族または組合員の親族(親・子・配偶者など)
  3. 弁護士・管理士・法人など外部の専門家

☆標準的な規約では1のみ
☆規約を変更すれば、2.3も可能に

理事の任期について

☆任期1年で全員改選はあまり良くない任期設定となります。

理想的な任期

3年任期で1年で3分の1が改選。理事会が3年生・2年生・1年生で構成されるので引き継ぎがスムーズ。

現実的な任期

2年任期で1年で半分が改選。1年任期に比べて半数の経験者が残るので引き継ぎがスムーズ

☆理想的に任期で運営をしている管理組合はレアケースで、現実的な任期(2年任期)を目指してほしい。

理事のなり手を増やすための施策

<理事業務を合理化するための施策>

  • 報酬制度の導入
  • 理事の任期を再検討する
  • 規約改正=理事就任条件の緩和
  • 理事会の負担軽減=専門委員会

 

山本 直彌
監修者

山本 直彌

大手マンション管理会社での業務経験6年、大手不動産仲介会社での業務経験9年、その他PM・BMマネジメント経験3年

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