アフターサービスの対象となり得るのか? 5年に渡る交渉を経て無償修繕にこぎつけたマンション

  • Update: 2020-07-25
アフターサービスの対象となり得るのか? 5年に渡る交渉を経て無償修繕にこぎつけたマンション

新築時の施工不良に悩むマンションは、実は数多く存在しています。

「アフターサービスで補修を受け入れてもらえなかった」「自分たちの修繕積立金から補修するしかなかった」というお話を伺うこともあります。

今回は、新築時のマンションの擁壁の仕上げについて、長き交渉を経て無償修繕にこぎつけたマンションの実例をマンション管理士がご紹介します。

新築引き渡し時から不満の声があがった、擁壁の仕上がり

横浜市、住宅地として屈指の人気沿線に建つマンション。

引き渡し時から、マンションの擁壁の仕上げに住民から不満が上がっていました。

もともとこの擁壁は、昭和40年代の周辺の区画整理事業に伴って造作されたもので、今回新築マンション建設にあたり、その一部を解体、そこにマンションのエントランスが埋め込まれる形で計画されたものです。

擁壁は、間知擁壁(けんちようへき)と呼ばれる、ブロックを積み上げたもので、築造されて数十年間も経過していました。
間知(ブロック)擁壁

このままでは新築マンションに相応しくないため、汚れた表面をモルタルを塗って化粧されていました。

ですが、完成したものは、販売時のパースとは程遠い仕上がりであり、なおかつ、マンションのエントランス付近ということもあり、マンションのイメージを著しく損なう印象となっていました。

2年目のアフターサービス期限に伴い、補修を申し出るも・・・

築2年を迎えるにあたり、管理組合では外部の専門家を起用して、建物のチェックを行い新築時から補修を求めていた擁壁の仕上げについても、分譲会社に改めて補修を申し出ました。

外階段の不具合や漏水など、他のアフターサービス対象箇所については補修をしてもらえましたが「擁壁そのものに不具合があれば保証の対象だが、その仕上がりについては施工不良とは言えない」との判断でから、擁壁の仕上げの補修については受け入れてもらうことはできませんでした。

確かに明らかな施工不良であれば指摘し、修繕してもらえたでしょうが、仕上がりの良し悪しと言われてしまうと程度の差こそあれアフターサービスの対象とすることが難しい場合も少なくありません。

また「補修して、また見映えのいいものにするのは技術的に難しい」という返事もありました。

間知擁壁は、地震などの揺れでブロックが多少ずれることがあります。その際にひびが入るなど表面に不具合が現れることもあり、実際に難しい補修であることは明らかでした。

改めて外部専門家の声を、として声が掛かったさくら事務所

新築時の交渉から約3年程度経った頃、「2年アフターサービス補修の際に交渉に入ってもらった専門家とは別の専門家の意見も聞いてみよう」という声がマンション内であがり、さくら事務所にお声がけをいただきました。

そこから約2年に及ぶ交渉の結果、結局引き渡しから約5年が経った頃、分譲会社・施工会社の負担で擁壁の修繕工事を行うことが決まりました。

分譲会社の指摘通り、擁壁の仕上げをやり直す、というのはあまり例のないことで、補修を依頼する先を選ぶのも難航しました。

結果として、管理組合が声を掛けた施工会社のうちの1つが、コンクリート打ちっぱなしなど建築家のデザイン住宅などの特殊な施工を得意としており、技術のある職人さんも抱えているとのことから引き受けてくれました。

分譲会社と管理組合、対立しないことが重要なポイント

さくら事務所でお声がけをいただき、分譲会社・施工会社との交渉を行うにあたり、「管理組合との対立構造をつくらない」ことにまず注意しました。

アフターサービス補修や、特に外壁タイルや構造スリットなど、瑕疵の調査の際には、管理組合の側に全面的に立ちすぎるあまり、交渉相手と喧嘩腰のやりとりをしてしまうコンサルタントも多く存在します。

「本気で自分ごととして、自分たちの代わりに戦ってくれている」と管理組合の皆さまからすれば頼もしく見えるかもしれませんが、そのスタイルで交渉をすると、交渉が物別れに終わり結果的に管理組合として望ましい解決でなくなる可能性が高くなります。

中には、トラブルに乗じて管理組合と管理会社を揉めさせることで、(なにかしら自分が有利になるような)管理会社変更に持っていこうとするコンサルタントも残念ながら存在します。

また、交渉相手となる分譲会社・施工会社としても、その喧嘩腰のやりとりに「このまま交渉しても解決させるのは難しい」とされ、「そのコンサルタントが間に入るのであれば、今後一切交渉は行いませんよ」と、交渉のテーブルにつくことすら拒否されてしまう可能性もあるのです。

実際、今回上げた事例の中でも、「仕上げの補修ができないなら、擁壁を作り直せ」という声を上げる住民もいました。

組合の側に立ち代わりに戦う、というのであればその主張をそのまま伝えるというやり方をとるというコンサルタントもいるかもしれませんが、実際問題、擁壁自体に不具合がないことは明らかであり、作り直しは過度な対応ともいえるやりすぎな要求でしょう。

これはさくら事務所が長く行っている新築マンション内覧会でも同様です。

施工不良や不具合が発覚しても、今後も長くお付き合いが想定される施工会社や分譲会社と揉めてしまっては、不利益をこうむるのは結果として、今後も彼らと長くお付き合いしていくことになる購入者になります。

分譲会社や施工会社とのトラブル、重要なのは「説明する力」

瑕疵の交渉をするにあたり、建築の専門知識や豊富な経験は重要な要素の1つですが、何より大事なのは、冷静に相手に伝える説明力です。

管理組合の皆さんに現状を正しく伝え、理解してもらうことはもちろん、交渉相手である分譲会社や施工会社に、管理組合の想いや、その妥当性を正しく丁寧に伝えることが交渉では重要な鍵になります。

実際に瑕疵や施工不良で理事自ら、施工会社・分譲会社と交渉を行っているような方は、その対応に、相手を「許せない」と感じている方も多いでしょう。

ですが、露骨に怒りをあらわにしない、関係性を悪くしないことに気を付けてすすめるほうが、よりスムーズに解決につながります。

今回の事例では、無事補修いただけることが決まった際、理事の方から「プロの指摘は重みが違いましたね」とありがたい声をいただきました。

建築など専門家のアドバイスが必要なケースはさくら事務所のマンション管理士にもぜひお気軽にご相談ください。

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