マンション管理会社との委託契約更新、管理組合は何をチェックすべき?

  • Update: 2019-05-29
マンション管理会社との委託契約更新、管理組合は何をチェックすべき?

総会のタイミングで、管理会社との管理委託契約の更新について説明を受けるというマンション管理組合が多いようです。

「長いお付き合いだから」「いつもよくしてくれてるから」と、改めて何かを確認することもなく、管理会社との契約を更新される管理組合がほとんどではないかと思われます。

信頼関係が築けていることは大変いいことです。

ですが、管理組合と管理会社の関係もいわば、「人と人の関係」。

長く付き合っていくと、馴れ合いの関係になってしまうことも。

もちろん「テキトーにやろう」というような悪意ではなく、自然とお互いの関係に緩みが生じてしまうのです。

管理委託業務の契約更新の際にぜひおすすめしたいのが、マンション管理会社の日頃のサービス状況のチェックです。

清掃が行き届いていないだけかと思ったら・・・

共用部で「清掃が行き届いていないかも?」というところはありませんか?

清掃が不十分なだけなら改善されれば問題はないのですが、思わぬ被害が出ていることもあります。

例えば、屋上の排水のドレイン(排水口)廻り。

ドレイン(排水口)にゴミがたまり、排水が適切に行えないと、水が溜まってしまい、防水層の劣化を早める原因となります。

また、中には排水口に雑草が生えているマンションも見受けられます。

植物の根が防水層やその上の保護シートを破ってしまうと、最悪、漏水にもつながります。

エアコンのフィルターの清掃が十分ではなく、目詰まりを起こしているところもありました。

冷暖房効率が低下するために電気代が余分にかかってしまいます。

エアコンの設置場所や稼働状況によっては、専門業者の点検サイクルだけでは間に合っていないのかもしれません。

日常の清掃業務の中で、点検してもらえるといいでしょう。

竣工時にもらった書類の保管状態は?

よく見られるのが、竣工引渡し時に、分譲会社や管理会社から引き渡された書類や、管理組合総会などの議事録の保管の不備。

築年数が経過した物件ほど、この不備は見られやすくなりますが、「そもそもどこになにを保管するのか?」というルールが曖昧なことも原因の一つです。

共用部の損害保険の保険証券がない!なんてこともあります。

会計帳簿など、管理会社から管理組合に引き渡されたことになっており、受領書があるにも関わらず、実はまだ管理会社が持っていた、というケースも。

本来、誰がどこに保管しておくべきか?それぞれルールを決めて、保管体制を整えるところから考えましょう。

その管理会社、改善案は出してくれますか?

建物の汚れや雨水の排水不良など、管理委託契約内の業務では改善が見込めないことも少なくありません。

例えば、廊下の手すり壁の外側ががいつもすごく汚れている、雨が降るとエントランスの上の排水が溢れて庇から滝のように雨が落ちる・・・

このように、時々発生するマンション内の不具合に対して、管理会社から何も改善提案ごされることなく放置されているマンションがあります。

本来、管理会社はこれらの問題に対して「改善するにはこういったことが必要、やるやらないは別にして見積りとって管理組合に提案します」という姿勢が望ましいのですが、なかなかそれができるマンション管理会社は少ないかもしれません。

問題をずっと放置されたまま、改善案も出してくれないという状態には、管理組合はその管理の姿勢について管理会社に対し改善の要望を行ったほうがいいかもしません。

「改善すべき提案がいっこうに出てこない!改まらないなら委託契約を更新しません」くらいの気持ちで交渉する必要があるのかもしれません。

「理事がちょっと口やかましい、難しいマンション」になる

クレーマーになってはいけませんが、管理会社にとって「ちょっと口やかましい、難しいマンション」になってみるのもいいでしょう。

理事の皆さんが少し口やかましく言うことで、管理会社もきちんとした対応をしてくれます。

もちろん中には何も言わなくてもきちんとやってくれる管理会社もあります。

ですが、その場合でも担当者の交代とともに対応が変わってしまうかもしれません。

マンション管理の業務は属人的な部分が少なくないのです。何も言わなければ、それが引き継がれることはないでしょう。

少し口うるさくチェックするような組合には、しっかりした担当者、管理員、清掃員が来てくれます。

思うところがあっても我慢していては、「問題のない、これまで通りの対応でスルーしてもいいマンション」と認識されてしまいます。

確認することで、管理会社との信頼関係が更に深まる可能性も

3年、5年など、定期的にマンション管理士に管理会社のサービス履行状況をチェックしてもらい、できているところできていないところを確認してはいかがでしょうか。

問題となる部分があれば管理委託契約の更新はそれが改善される前提で行いましょう。

きちんとやってくれてるからこれからも安心してお任せできるね、という状況で契約更新できればそれが理想かもしれません。

委託業務の履行状況を知ることで、管理会社との信頼関係が更に深まる可能性もあります。

管理組合の中には「とにかく管理会社を変更しよう!」という方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでおつきあいのあった管理会社はやはりそのマンションに詳しく、これまでの情報も上手に次の管理会社に引き継ぎがされるかどうかもわかりません。

(リプレイスの注意点はこちら「マンションの管理会社変更(リプレイス)そのメリット、デメリット」

さくら事務所では、多くのマンション管理会社のサービスを熟知するマンション管理士が、サービス履行状況をチェックしています。

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ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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