マンション鉄部・金物の「錆び」、点検すべき注意ポイントと修繕計画

  • Update: 2020-10-26
マンション鉄部・金物の「錆び」、点検すべき注意ポイントと修繕計画
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さくら事務所 編集部

一定程度の築年数を経たマンション共用部で目につくのが、鉄部などの錆び。

初期段階では美観上の問題にすぎませんが、錆びは一度発生すると加速度的に進行していきます。

表面塗装の剥がれにより、鉄部が空気にさらされることで、徐々に進行していくのです。

また、目立った表面塗装の剥がれがなくとも、傷跡から錆が進行していくこともあります。

錆が進行すると、単に見た目だけにとどまらず、鉄部の厚みが減少していき(腐食)、最終的には穴があくなど鉄部の欠損が生じます。

例えるなら、虫歯みたいなもので、初期段階での処置が肝心です。時間が立つだけ悪化していくのです。

ここでは、早期に解決しておきたいマンション共用部の錆びについて解説します。

錆びのメカニズム

そもそも鉄部の錆びはなぜ起こるのでしょうか?

表面の金属原子(+イオン)が、水や空気中の水分と反応(酸化還元反応)を起こし、そこで生成される水酸化物や酸化物、これが錆び。

金属表面が空気や水に触れると、金属中の電子(e-)が離脱して水分が電気化学反応を起します。そこで発生した水酸化イオン(OH—)と金属原子、鉄であれば鉄イオン(Fe+)が結合して水酸化鉄を生み、さらに酸素と反応して酸化鉄=錆びとなるのです。

海水などに含まれる塩化物イオン(Cl−)は、より一層鉄イオン(Fe+)が結合しやすい(安定化しやすい)ため、より錆びが進行しやすくなる。

「沿岸部の建物は鉄部が錆びやすい」というのは、そういう理由からです。

雨の水素イオン指数(ph)でも変わります。

建物は風雨に晒されていますから、その劣化の度合いはマンションの建っている環境によっても大きく変わります。

要注意!マンション共用部の錆びチェックポイント

マンション屋上の錆び次に、マンション共用部で錆びが発生しやすい、特に注意したい箇所について解説します。

①屋上

普段なかなか足を踏み入れることのない屋上ですが、外気の影響が大きいため知らない間に錆びが進行していることも。

こちらの屋上の通気口は、建物内部を縦に貫通する排水管に空気を送り込む為の取り入れ口です。錆によってその開口面積が狭まると、排水の流れが悪くなったりすることも考えられます。

屋上や地下、居住者が普段あまり出入りしない場所(備蓄倉庫の扉や鍵など)は、管理会社の定期的なチェックが必要とされるでしょう。

②バルコニーなどの手すり

バルコニーや階段の手すりの鉄部は、放置していくと錆びが進行し、手すりの破断に繋がります。落下などの事故にもなりかねません。

③避難ハッチ(※ステンレスも錆びます)

避難ハッチや避難はしご収納ケースなどもステンレス製がほとんどですが、これらが錆びていて、いざ逃げようとしたときに蓋が開かない!なんてことにもなりかねません。

バルコニーは普段、居住者しか見る機会がありません。

避難ハッチがある住戸にお住まいの方は、そーっと蓋を開けて確認してみましょう。(いきなり開けると梯子が落ちる場合があるので注意が必要です。)

ステンレスは錆びない、と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、錆びにくい材質ではあるものの錆びないわけではありません。

たとえば、ベンドキャップと呼ばれる各住戸の換気吹き出し口カバーであったり、各メーターボックスの扉、またエントランス周りに意匠的にステンレスを使用しているケースもよく見られます。

建物劣化の進行は理論通りにいかない

長期修繕計画において、錆び塗装補修は5~6年に一度のペースで行われるのが一般的です。

とはいうものの、もちろん錆びていなければ補修の必要性はありませんし、海の近くなどの立地であれば2~3年で錆びてくることもあります。

重度の錆びでなければ、丁寧に錆び落とし(ケレン)をして再塗装することで、比較的費用も安価に、美しい姿に蘇ります。

そのためには、管理人さんの日常管理だけに依存せず、居住者も共用部分も気にしてチェックしておくとよいでしょう。

計画上の修繕だけによらず、日常の観察とそれに応じて適切にメンテナンスを行っていくことが重要です。

早期に修繕を行うことで、錆塗装で済むものが、放置していたことで部材ごと交換しなくてはならなくなると、それだけ修繕コストもかかります。

また逆の観点から、最近のマンションでは鋼製であったとしも溶融亜鉛メッキなどで仕上げされていたり、アルミやステンレスを多用したりなど、塗装の必要な範囲が縮小しています。

マンションの規模によっては、長期修繕計画上、数千万単位の修繕予算が計上されていることもありますが、過剰な修繕提案をされていることもあります。

さくら事務所の診断事例からも建物劣化は机上の理論通りにいかないことが通常です。

長く快適に住まうためにも日頃から点検をこまめして、第三者専門家の視点なども活用して適切にメンテナンスをしていきましょう。

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