国土交通省も警鐘!不適切コンサルの被害はこう防ぐ

大規模修繕工事の発注にまつわる「不適切コンサルタント問題」

今年1月、国土交通省が「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」という通知を出しました。

「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」

この通知は、端的にいうと、大規模修繕工事の設計監理方式における「設計コンサルタントと施工会社の癒着やバックマージンに対する警鐘」です。

「不適切コンサルタント問題」などともいわれていますが、国土交通省の通知において、次の3つの事例が紹介されています。

① コンサルタントに業務を依頼したが、実際に調査診断・設計等を行っていたのは同コンサルタントではなく、施工会社の社員であった。コンサルタント(実際には施工会社の社員)の施工会社選定支援により同施工会社が内定していたが、発覚が契約前だったため、契約は見送り。

② 設計会社が、施工会社の候補5社のうち特定の1社の見積金額が低くなるよう操作し、当該1社が施工会社として内定したが、契約前に当該事実が発覚。管理組合が同設計会社に説明を求めると、当該設計会社は業務を辞退。

③ コンサルタントが、自社にバックマージンを支払う施工会社が受注できるように不適切な工作を行い、割高な工事費や、過剰な工事項目・仕様の設定等に基づく発注等を誘導。

これらの事例は、マンション改修業界の人間であれば残念ながらよく耳にする話なのですが、大規模修繕工事を舞台にした不正としてはまだまだ氷山の一角と言わざるを得ません。

従来、設計事務所による設計監理方式は、高額で不透明なマンション管理会社元請方式の大規模修繕工事に対抗することを目的の一つとして発展してきたものですが、いつのまにか悪事に手を染める設計事務所が蔓延してしまいました。

また、この「不適切コンサルタント」の定義には、設計事務所だけでなく、一部のマンション管理士事務所も含まれているといわれており、「適切コンサルタント」を探す方がたいへんな状況です。

 

それほど、昨今の設計監理方式での大規模修繕工事には大きなリスクが潜んでいると言えます。

 

蔓延化した大規模修繕工事の不正、どう防げばいいのか?

それでは、このような「不適切コンサル」「悪質コンサル」の被害に遭わないために、管理組合はどう対処したらよいのでしょうか。

より多くの住民が関与し、チェックを行う。

設計監理方式を採用した場合、不正はつきものという厳しい目をもって、大規模修繕工事に多くの住民が関ることが重要です。
複数の目で見ていれば、不正を見抜けるチャンスはより大きくなります。特に設計コンサルタントや施工会社の選定はしっかり管理組合主体で行うべきです。
また、修繕に詳しい一部の住民だけが関与していると、その方と施工会社や設計コンサルタントが癒着してしまったというような事例もありますので、修繕に詳しくない方も積極的に関わっておくことが重要です。

セカンドオピニオンを採用する。

大型のマンションなどでは、設計監理方式や管理会社元請の大規模修繕工事を採用した場合、チェックのために、第三者のマンション管理士や一級建築士をセカンドオピニオンとして採用する管理組合もあります。

設計監理方式を採用しない。

設計監理方式に、不正のリスクはつきものです。設計コンサルタントの採用基準として、経験が豊富である、有資格者がいる、公正中立であることなどがあげられることがありますが、見た目だけでは施工会社との癒着やバックマージンのリスクのある設計コンサルタントかどうかはわかりません。
少しだけ大変なように思えるかもしれませんが、設計監理方式に頼らずに、管理組合が直接施工会社を選定する責任施工方式の採用などを検討することも対策の一つです。

必要なところだけ専門家を採用する。

設計監理方式のように、施工会社選定から施工の監理まで、大規模修繕工事のサポートを丸ごと1社に依頼しなければならないということはありません。
施工会社選定の補助や、施工のチェックだけを行ってくれる一級建築士事務所やマンション管理士事務所もありますので、本当に必要なところだけを絞り込んでサポートを依頼することでも、不正は起こりにくくなります。

不適切コンサルタント対策として一例をあげさせていただきましたが、共通していえることは、管理組合運営全般においてもそうですが、大切なのは住民の積極的な参加です

そして、皆さんで協力をして安心して相談のできる第三者を探しだすことが一番の近道と言えるでしょう。

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