第4章 第3話 修繕積立金について

  • Update: 2022-09-13
第4章 第3話 修繕積立金について

マンションの修繕積立金は、竣工当初から金額が低く設定されているケースが多くあります。そうすると、新築マンションであっても1回目の大規模修繕工事から赤字になってしまう確率が格段に高まります。

修繕積立金を赤字にならないようにするには

最初に設定された修繕積立金をそのまま何も変更せずにいると、マンションで定期的に修繕工事をするたびに累積赤字が膨らんでしまいます。

では実際のアクションとして、どのような行動を取ればいいのでしょうか?

まず考えられる手段はマンションの修繕積立金を値上げすることです。

国交省が定めているガイドラインでは、修繕積立金は170円/m2~320円/m2ですが、国交省が定めている金額でも3回目の大規模修繕工事で不足する可能性が高いと言われています。

マンションの築年数が古くなればなるほど、費用は増えていく

これは単純な例ですが、たとえば70m2の部屋のマンションが、100円の積立金を200円に値上げした場合には、7,000円だった修繕積立金が単純に2倍の14,000円になります。数字のインパクトは大きく、マンションに居住しているみなさんも、のちのちお金が不足していることがわかっているけど、なかなか賛同がされにくい状況が生まれてしまいます。

修繕積立金の金額を見直す目安として、修繕積立金が1m2あたり100円を切っているところは早めに見直すことをおすすめします。

修繕積立金の積立方法を選択するときの考え方

修繕積立金の積立方法については、以下の2種類が考えられます。

  • A:できるだけ均等にして支払う【均等積立方式】
  • B:段階的に増額して支払う【段階増額方式】

上記2種類の積立方法については、40年間で比べた場合、積立金額の総額はほとんど変わりません。

【均等積立方式】

【均等積立方式】は、生涯必要な修繕積立金の積立金額を、所有時期に関わらず、均等に按分して負担する考え方になります。この【均等積立方式】では、将来積立金が大幅に増額されることがないため、生活設計にゆとりをもたせることができます。一気に負担額が最初に増えることが予想されるため、当面の負担は大きくなりますが、中古マンションとして売却する場合は、修繕積立金の残額に余裕があり、今後積立金が大幅に増額される可能性が少ないという条件は、資産価値の向上にもつながります。

【段階増額方式】

【段階増額方式】では、建物や設備の維持に必要な費用は、竣工当時は少なく、経過年数とともに増大していく傾向にあります。大規模修繕工事の費用については、受益者負担の考え方に基づき、大規模修繕工事が必要な時期の所有者が、必要な資金を負担する考え方になります。将来的にマンションを売却することを考える人にはもっとも違和感のない積立方法です。

しかし、マンションを売却することなく永住することを意識する方には、将来的な積立金の費用の負担増が見込まれているので、少し不安が残る方式になります。

20年目を境目に【均等積立方式】と【段階増額方式】が逆転する

マンションの築年数が20年を経過することを境に、たとえば中古マンションを築20年を越えて購入した場合は、高い修繕積立金を支払わなければならない場合があります。特に【段階増額方式】の場合は、何回も修繕積立金の増額をしている結果、合意形成が非常に難しくなっていることも考えられるでしょう。

結果的にどちらの方式を採用しても、マンション自体でトータルに掛かってくる修繕積立金の総額は変わりません。しかし、中古で買ったときの購入時期で大きく変わってきます。竣工時からずっと住んでいれば、費用負担はトータルでそこまで変わりませんが、築20年目を境に途中で中古マンションとして購入した人にとっては大きな負担を強いられることが【段階増額方式】の場合はあります。

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株式会社さくら事務所

ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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