第4章 第2話 長期修繕計画について

  • Update: 2022-09-06
第4章 第2話 長期修繕計画について

マンション管理に非常に重要な大規模修繕工事の基礎知識についておさらいする第4章ですが、ここでは長期修繕計画についてコンパクトにまとめてみていきます。

長期修繕計画を考えるうえで、必要なものが長期修繕計画総括表です。これは国交省のWebサイトなどから記載例を確認することができます。

国交省の記載例

基本的には新築マンションを購入する場合は、マンションを建てた側であるデベロッパー(または分譲時の管理会社)が作成した標準的な内容が起点となる場合が多いと思います。

長期修繕計画総括表の注目ポイント

その長期修繕計画総括表を確認するうえではいくつか注目するべきポイントがあります。

注目ポイント

ここでは例を記載した形でポイントについてお知らせします。

◯修繕積立金の残高

例えばあるマンションにおいて、第1回目の大規模修繕工事による残高がマイナスになっていたとします。そして、このマンションにおける各々修繕積立金を負担する住戸の負担金額が70円/m2だとすると、住戸の住人が負担するべき金額は、70m2の住戸だとすると、単純に70㎡ × 70円/m2となるので、負担するべき金額は4,900円/月になります。

この<4,900円>という数字を見た場合、他のマンションに住んでいらっしゃる皆さんは、「こんなものか」と妥当に思うのか、または「安い!」と感じる場合に分かれるんじゃないかと思います。よもや高いと思っているマンション居住者は多数ではないと思いますが。

国のガイドラインで定められている修繕積立金は、1m2あたり170円/m2~320円/m2

一般的に国のガイドラインで定められている修繕積立金は、1㎡あたり170円/m2~320円/m2程度が必要だと試算(※マンション全体の規模や機械式駐車場の台数により異なります。)されています。となると、先に例としてあげた70m2の部屋の場合、70m2×170円/1m2=11,900円となり、国のガイドラインに則ると、修繕積立金は1万円/月以上の修繕積立金がないと、該当するマンションはいずれ積立金不足に陥ってしまいます。

[出典] マンションの修繕積立金に関するガイドライン(令和3年9月改定 国土交通省)

新築マンション販売時の修繕積立金の設定が低ければ低いほどダメなわけ

では、修繕積立金はなぜ4,900円/月と、こんなに低い設定金額になってしまうのでしょうか。要因として大きいのは、新築マンション販売時に、デベロッパーが月々の負担金額が少ないと謳うためにできるだけ最初に設定する修繕積立金を少なくするためです。(そのため、購入時の諸費用として纏まった金額を修繕積立基金として徴収するケースが多く、第1回目の大規模修繕工事費用が不足しないように長期修繕計画を作成しているケースが多いです。)

デベロッパーが当初この設定をやってしまうことは、後々本当に非常に厄介です。単純に考えれば、引き渡しをしてから管理組合が値上げをすればいいじゃん、と思うかもしれませんが、これは難儀な話になります。なぜならマンション管理組合で合意形成をしなくてはならず(全住戸1票)、まして値下げならともかく値上げとなるため、非常にハードルは高くなります。

マンション管理組合が、月々の積立金をどのような根拠で、どれぐらい上げるのか。また、どのような方法で毎月の積立金を徴収するのか。マンションの住民の多数の賛成を得るためには、いくつものハードルがあります。

次回は修繕積立金について深堀りしていきます。

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株式会社さくら事務所

ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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