ホントは12年目でなくてもいい!?大規模修繕工事

  • Update: 2016-01-29
ホントは12年目でなくてもいい!?大規模修繕工事

築後10年を経過するマンションでは、大規模修繕工事に向けて劣化診断を依頼するため、数社の調査業者に見積りを依頼するといったケースがあります。

一般的に長期修繕計画では10~12年目に大規模修繕工事の実施が予定されていることが多いのですが、一部のマンションは外観上劣化を感じる様子がなく、大規模修繕工事を近々に実施する必要性がない建物もあります。

管理業者の中には「長期修繕計画に定められた実施時期の到来が施工時期の到来である」というトーンで、計画を進行させ工事の実施を促すところもあるようですが、これは顧客である管理組合の都合ではなく、工事受注のノルマなどを達成しなかればならないという自分達の都合です。

大規模修繕工事は小規模なマンションでも数千万円、大規模なマンションでは数億円を要する工事で管理組合の皆様にとって虎の子の修繕積立金を使うのです。

これからの積立金を考えるとムリ・ムダ・ムラが将来の資産性にも影響してきます。

大規模修繕工事の実施に際して、費用の精査に取り組もうという管理組合は多いと思いますが、それ以外にも以下の項目について確認する必要があります。

  • 施工時期の妥当性
  • 施工内容(範囲・方法)の妥当性

大規模修繕工事は必ずしも12年ごとに行う必要はない

基本的にマンションの長期修繕計画は、12年目、24年目、36年目に大規模修繕工事が予定されていますが、実は劣化状況次第で必ずしも12年ごとに行わなくてはいけないわけではないのです。

大規模修繕工事は長期修繕計画の記載どおり、必ず12年ごとにやるものだと思っている管理組合が多いようですが、「劣化の状況に応じて、大規模修繕工事の実施時期を都度決めていく」という方法もあります。

12年ごとに1度実施であれば36年で3回、もし15年ごとに1度実施であれば同じ36年で2回の実施。マンションの規模にもよりますが、1回分の工事費数千万円~数億円の費用が抑えられることになります。

大規模修繕工事の適切な施工時期を知るには?

大規模修繕工事前の建物の診断

単純に実施を先延ばしにするのは良くありません。

建物の傷みが進みすぎて余計な修繕費用がかかりかねないからです。

しかし、建物は建設時の施工や環境などの影響で、傷み方がどれも均一というわけではありません。

より傷みが少ない建物なのであれば、「一般的」な時期より先の実施でも機能面に問題が無いという判断ができます。

では、どうやって工事の実施時期を決めるのでしょうか?

そのためには、建物の診断が必要ですが、残念ながら未だにしっかりとした建物診断を実施することなく、長期修繕計画で予定されていた大規模修繕工事の時期が到来するという理由だけで、工事を提案し見積書を提示する管理会社がいることも事実です。

これは例えて言えば、定期健診で病院へ行ったらちゃんと検査することなく、「そろそろいいお年なので手術しましょうか」と言われ、同時に入院と手術に必要な費用の明細を渡されたというところでしょうか。

何を直すのか、いつ頃やるのかの事前の確認なくして、数千万~数億のお金をいつ使うのか決めるというのは、やや乱暴でしょう。

もちろん、12年という数字は過去の建物の傷み方などをもとに考えられた期間ではありますから、「傷んでなくても、そのうち傷むならもうやってしまおう」という計画的な実施も選択肢のひとつです。

管理組合により、価値観・考え方もいろいろですから、「状況に合わせて」「予め決めた時期に」のいずれかを選択できることを知ったうえで、どのように進めるかを決めることが重要といえます。

大規模修繕工事の施工内容・範囲も検討しよう

『今回の大規模修繕工事は、外壁に足場をかける工事を中心に行って、屋上防水など足場を不要とする工事はもう少し先に行った』

ひとつの例ですが、こんな選択をする管理組合が増えつつあります。

管理会社が提案する長期修繕計画は、あくまでも計画のため、物件ごとの劣化に応じた工事実施時期のカスタマイズまでは行われていません。

また、「どうせ行うなら一度に」と、多くの工種を同時に行うことを前提に作成されています。

ところが、建物により傷み方は異なるにもかかわらず、修繕工事の範囲を特定するために建物診断を行なっていてもいなくても、提示される見積もりはどこのマンションでもほとんど同じです。

大規模修繕工事の時期を見極める

特に昨今の屋上防水工事などは、建設時の施工状況がよければ10年以上全く問題なく使い続けられることは珍しくありません。

保証が10年で切れてしまうため早めに実施を、という組合も少なくありませんが、そもそも大規模修繕工事が12年目ならば2年間は保証切れなわけですから、保証に合わせてという考え方はあまり重要とは思えません。

1回目の大規模修繕工事の定番は屋上防水・外壁補修(塗装)・共用廊下の床と天井の補修(塗装)・バルコニーの床と天井の補修(塗装)・外階段・各部のシーリングといったところですが、このうち、いまもって状況が良く、足場を使わずとも行なえ、住民の在宅を要しない工事などは数年後に実施でも構わないわけです。

「どうせ工事するなら一度のほうが割安になる」という場合もありますが、分離する工事の種類がある程度まとまったもので、それらを再度適切に見積りチェックできれば「一気にやるとお得」となるとは限らず、実施時期が後ろ倒しできることで長期的に工事回数を減らせる工種が出てくるわけです。

しかし、大規模修繕工事の施工時期を推し量るために行なった劣化診断の結果、給排水設備などのライフラインなどを含み緊急性を要することだけ先行して修繕を行い、その他はじっくり検討するという判断もあってしかるべきでしょう。

従来型の「すべての範囲、内容を一度に行う」もベーシックな手法で問題はありませんが、より合理的に考えるなら、診断結果をもとに「今回はどの場所をどの程度直すのか」そこから決定していくのもお勧めです。

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