分譲マンションを購入すると、管理費と修繕積立金を毎月支払います。
最近、これらの徴収はほとんど銀行引き落としになり、いくら支払っているのか、内訳はどうなっているのか忘れてしまう人も多いかもしれません。
「マンションに必要なお金」とひとまとめに捉えられがちなこの2つ、実はかなり違う性質を持っています。
さくら事務所のマンション管理士が解説します。
マンションの管理費と修繕積立金とは?
それぞれのお金の使い道は下記の通りです。
【管理費】管理会社への業務委託費、保険料、水道光熱費、各種点検の費用 等
【修繕積立金】 コンクリートの補修や屋上防水の改修など、建物の大きな修繕にかかる費用
簡単な解釈としては、「管理費=日常経費」、「修繕積立金=計画的な建物修繕費」と言えます。
管理費も修繕積立金も、どちらも引き落とし後は管理組合の口座に振り込まれますが、管理費は「管理費口」、修繕積立金は「積立金口」という別々の口座に納入されるのが一般的です。
上述の使いみちをもとに、これらを「個人の預金」に置き換えてイメージしてみると・・・
【管理費口】 普通預金のイメージ(日常的な支出入に使う、出し入れ自由)
【積立金口】定期預金のイメージ(大きなイベントに備えて貯めておく、容易に引き出せない)
家計に置き換えて考えれば、日常的な支出はなるべく絞り、なるべく将来に備えてお金を蓄えておきたいものです。
つまり、管理費・修繕積立金についても、「管理費口から支出するものはなるべく節約」し、「積立金口は将来に備えてより多く貯めておく」という考え方があてはまるのです。
「管理費」を見直し、支出を減らす!
管理費から支払われる「管理会社への管理委託費」や「水道光熱費」などは、もう少し節約できないか一度は見直してみることをオススメします。
他の管理会社だと同じ内容でもう少し安くなることもありますし、水道光熱費は、植栽への過剰な水やりや居住者が通らない場所の夜間照明などの無駄が含まれているかもしれません。
そのほかにも管理費支出は多数の項目で構成されていますから、一度「やってほしい管理、必要な品質に見合っているか」を確認すると、意外と支払い額が減ることがあります。
「修繕積立金を増やす」のが賢い管理組合運営
管理費の支払い額が減るようであれば、ぜひ減額分の費用を積立金口に貯めることをオススメします。
建物の修繕費用は、通常の天候下での傷みは大まかには予想が立てられても、地震など天災地変による破損リスクは想定外となり、貯めていたお金では支払えないこともしばしば。
また、天災地変が起きなくても、見通しが甘く築20年程度から修繕支出が貯蓄を上回り、赤字に陥る管理組合も多いのです。
管理費の見直しで「浮いた」お金は、ぜひ積立金口に預け入れられるよう、管理組合で話し合いましょう。