あなたのマンション、地下ピットは大丈夫?

  • Update: 2013-11-08
あなたのマンション、地下ピットは大丈夫?
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株式会社さくら事務所

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

マンションの地下にある『地下ピット※』は、主に配管のメンテナンスのために作られた空間です。

※正確には1階住戸や地下駐車場などの施設の下

住民も入れない地下空間「地下ピット」ってなに?

普段は住民が入れず、管理会社の日常点検で見られることもほとんどありません。将来的に人に見られにくいことがわかっているからか、建設時も売主・施工会社の検査の目は届きにくいところとなっています。

そのため、管理組合(住民)の希望で地下ピットを点検すると、いろいろな不具合に遭遇します。

ここでは、さくら事務所の共用部点検で実際に遭遇した事例をご紹介します。

アフターサービス徹底活用のポイント

建築当時の建材などが地下ピットに置き去りに・・・

築2年未満の分譲マンションの地下ピット。屋外共用廊下にある進入口を降りたとたん、こんな風景が広がっていました。

マンション地下ピットの様子

マンション地下ピットの状態

建物が完成したとき、施工会社がのちに補修で使う建材類をここに置いていったようです。共用部分に倉庫のようなスペースがなく考えた末だったのかもしれません。

管理組合に無断で置いていることは問題なのですが、とりあえず建物完成時に資材類は特に住民に迷惑をかけないものだったでしょう。

しかし、地下ピットは降雨量が多い日には水が溜まったり、非常に湿度が高くなる場所。

壁紙や段ボール箱に入ったフローリングなどは湿気で傷んでいる可能性が高いです。仮に見た目に傷みがわからなくても、カビが付着しているといった可能性も。

塗料類は保管状況が適切でなければ、ピット内に化学物質が充満する恐れがあります。火気がない場所とはいえ、いずれ点検や修繕で人が入ったとき、酸欠等の事故が起きないとも限りません。

アフターサービス期間が過ぎて使用しなくなったからといって、施工会社がこれら大量の資材を運びだそうと考えていたかも疑問です。

もし管理組合が地下ピットの点検を思い立たなければ、そのまま放置されていた可能性は十分にあると思われます。

地下ピットの排水管の施工に問題あり

これも築2年未満の分譲マンションの地下ピット。まずは写真を見てみましょう。
マンション地下ピットの排水管たわみ

グレーの長い管は「排水管」。

赤い矢印のあたりに、排水管を吊す「金具」本来あるはずの金具が取り付けられていません。

配管施工のルールで、このように管がたわんで管に低い場所ができないよう、ある程度の間隔で管を固定しておかなくてはいけないのです。

排水管は、水が自然に流れるよう、一方向に緩やかに傾けて施工しなくてはいけません。

ところがこの排水管は、矢印のあたりが下がり左右が高くなっていますから、流した水の一部がここに溜まることが考えられます。

水を流すとにゴボゴボと排水管から音が聞こえてきたり、ひどいときは水が逆流することもありえます。

これら2つの診断事例は珍しいものではなく、割とよく遭遇するものの一部。

大きなトラブルに発展するとは限らず売主や施工会社は住民ほど問題視しないのかもしれません。

しかし、住民からすれば「見えないところといえきちんとして欲しい」と思うことでしょう。

一度は住民側の立場で、地下ピットを点検するのがお勧めです。

共用部分の不具合事例”はこちら 

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藤ノ木 健二
監修者

藤ノ木 健二

大学卒業後、ゼネコンに勤務し、マンション新築工事、マンション大規模修繕工事、学校、病院などの耐震補強工事の現場管理業務に従事。

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ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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