一般的に、マンションの1階は空き巣などの被害に遭いやすいと言われています。マンションの1階で安心して暮らすためには、窓やベランダを中心に防犯対策が必要です。
本記事では、マンション1階の防犯について効果的な対策方法をご提案します。
目次
マンションの1階は防犯必須「浸入しやすく逃げやすい」
警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅の浸入窃盗は、空き巣・忍込み・居空きの3項目全てにおいて、4階建以上の共同住宅よりも3階建以下の共同住宅の方が認知件数が多く、階数が低いほど侵入されやすいことがわかります。
特に1階は、2階以上の部屋と比べて玄関ドアだけではなく窓からも容易に侵入が可能で、逃げる時にもエレベーターや階段を必要とせず出口までの経路が短いことから狙われやすいのです。
3階建以下の空き巣の侵入手段の1位は「無締り」
侵入手段で最も多いのは無締り(無施錠)です。警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によれば、空き巣では4145件、忍込みでは2911件、居空きでは675件が無締りによる侵入で、他の項目(ガラス破り、施錠開け、ドア錠破りなど)と比べると圧倒的に多いことがわかります。
つまり、しっかり施錠していれば大半の空き巣被害を防げるのです。
侵入経路で多いのは「表出入り口」に次いで「窓」
警察庁「令和4年の刑法犯に関する統計資料」によると、空き巣の侵入経路として最も多いのは「表出入り口」ですが、僅差で「窓」も多いことがわかります。
また、共同住宅の窓からの浸入は、4階建以上が4件に対し3階建以下になると17件に増加することから、1階の防犯対策には窓がポイントと言えます。
1階でも防犯性の高いマンションとは
1階は侵入されやすいとは言え、以下のような対策を講じることで防犯性を高められます。
・セキュリティが充実していることが分かりやすい
・死角になりにくい
・侵入の助けとなる足がかりがない
セキュリティが充実していることが分かりやすい
防犯カメラが多数設置されている、防犯性の高いオートロックがある、警備会社と連携したセキュリティサービスを導入している、管理人が常駐しているなど「わかりやすく」セキュリティが充実しているマンションはそれだけで犯罪の抑止力に繋がります。
周辺に多数のマンションや戸建てがある中、わざわざセキュリティ意識の高いマンションを選んで侵入しようとする犯人はおらず最初から狙われづらくなるためです。
死角になりにくい
人通りが多い、夜でも街灯があり明るい、24時間営業のお店が近くにあるなどの死角が少ないマンションの場合、1階に侵入される可能性は低くなります。
近年はプライバシー保護のために、バルコニーや専用庭が塀やルーバーで目隠しされているマンションも多いですが、空き巣の隠れ場所になるため防犯上はリスクに注意しましょう。
浸入の助けとなる足がかりがない
窓の近くに足場となる木や塀、トランクルームなどがあると侵入されやすくなってしまいます。出来る限り犯人の助けとなる足場がない方が防犯の観点では安心です。
マンション1階で効果的な防犯対策
マンション1階に住んでいても、以下のような防犯対策を行うことで空き巣などの被害を減らすことが可能です。
(1)内窓を取付ける
(2)窓ガラスに防犯フィルムを貼る
(3)窓と玄関ドアの鍵を二重にする
(4)センサーライトを取付ける
(5)ドアベルや窓用防犯ブザーを取付ける
(6)ホームセキュリティを導入する
(1)内窓を取付ける
内窓は、断熱性を向上させるだけではなく防犯にも役立ちます。二重窓でガラスが割れにくくなることで、侵入を手こずらせたり最初から犯行を諦めさせる効果があるのです。
(2)窓ガラスに防犯フィルムを貼る
窓ガラスを割られないための対策には、防犯フィルムがおすすめです。貼るだけでガラスの強度が増し、犯行に時間が掛かります。長期間に渡り大きな音も発生するため、周辺から露見される可能性も高まり犯行を諦めさせることに繋がります。
(3)窓と玄関ドアの鍵を二重にする
窓と玄関のドアを二重の鍵で施錠するのも有効です。補助錠を取り付けるのもよいですが、玄関にはドアを傷付けずに後付できる施錠機能付サムターンカバーという手もあります。
空き巣の大半は無施錠が原因ですから、鍵を強化するだけでも防犯性能は大きく上がります。
(4)センサーライトを取付ける
バルコニーや専用庭が塀などで死角になる時には、空き巣犯の隠れ場所にならないようセンサーライトを設置して抑止しましょう。
また、センサーライトは外部からはっきり見える場所に取り付けることで、最初から自宅が狙われるのを防ぐ効果が期待できます。
(5)ドアベルや窓用防犯ブザーを取付ける
窓やドアを開けられて侵入されそうになっても、目立つ音が鳴れば大きな被害を防げます。ドアベルや窓用防犯ブザーを取り付けることで、自宅に人がいればすぐ気付けますし、不在時にも近隣に異変を知らせられます。犯人も音に驚いて撤退する可能性が高いです。
特にドアベルはマグネット式のものが多く簡単に取り付けできますし、見た目や音色が美しくインテリアにもなりおすすめです。
(6)ホームセキュリティを導入する
最も心強い方法は、警備会社と連携しセンサーで不審者の侵入を監視してもらうことです。事件が発生したら24時間いつでも駆け付けてもらえる点が安心ですね。
最低限の防犯対策は自分でやりつつ、立地の問題でどうしても死角が生まれる、近所に空き巣が入った、一人暮らしなど不安要素がある場合には、コストを掛けてでもプロに任せることは財産や命を守る上で重要な選択と言えます。
マンション1階の防犯対策になる生活上の注意点
アイテムを活用した防犯対策だけはなく、日々の生活習慣を見直すことも防犯につながります。
(1)室内ドアおよびすべての窓の施錠を忘れない
(2)不在を推測されないようにする
(3)だらしない・大雑把・無関心といったイメージをもたせない
(1)室内ドアおよびすべての窓の施錠を忘れない
空き巣の大きな原因は無施錠です。外出時は必ず施錠することが、防犯上、最も大事なポイントと言えます。バルコニーや居室の大きな窓・玄関ドアだけでなく、お風呂やトイレ、キッチンの窓の鍵も開けたままにしていないか確認する習慣を付けましょう。
(2)不在を推測されないようにする
長時間不在であることを不審者に知られてしまうと自宅が狙われやすい状態となります。郵便受けに手紙が溜っている、洗濯物がいつまでも干しっぱなし、カーテンが開いたままなど、あらゆる場面から不在を推測されてるかもしれません。
まずは出来る部分から、長時間の不在を推測されないような生活習慣を心掛け、心配ならタイマーやインターネットの遠隔操作で暗くなったら照明を付ける、カーテンを自動で開閉させるなど、工夫を凝らしてみてください。
(3)だらしない・大雑把・無関心といったイメージをもたせない
きれいな部屋よりも、汚れが目立ち物が散乱している部屋の方が狙われやすい傾向があります。空き巣に入り、部屋を荒らしてもすぐには犯行に気付かれにくいためです。
防犯で重要なのは、外部から見ても「防犯対策をしっかりしている」「部屋の変化に神経質な人が住んでいる」と思わせることです。具体的には、鍵を忘れず閉める、バルコニー・ベランダ・専用庭など外から見える部分を整理整頓する、カーテンをまめに開閉するなどの対策が有効となります。
マンション1階の防犯対策として危険な不具合もある
セキュリティが手薄になりやすいマンション1階は、以下のような不具合が直接空き巣被害に繋がるため決して見過ごしてはいけません。
・劣化により窓の鍵が回りにくくなっていないか
・施工時の不具合等により窓のサブロックがきいていない
劣化により窓の鍵が回りにくくなっていないか
経年劣化によって鍵がサビ付いていたり、歪みが生じていたりと鍵が回りにくくなっている時には早急に対策を講じましょう。
施錠しても鍵の回りが浅いことで少しの振動で外れてしまう、鍵が硬いことで閉めるのが面倒になり日常的な閉め忘れに繋がってしまうなどの恐れがあります。
施工時の不具合等により窓のサブロックがきいていない
施工時の不具合が防犯に問題が生じることもあります。例えば、窓の下部に設けられた「下部サブロック」の取り付け方が間違っていると、本来は窓のストッパーとなるべきところが正しい防犯性能を発揮できません。
左右にスライドして開閉する引き違いの窓に付いているサブロックですが、付いているから安心と思わずにきちんと機能しているかの確認を行いましょう。
具体的な不具合の様子については、下記記事にて写真付きでわかりやすく解説しています。
マンション1階は万全な防犯対策で安全に暮らそう
マンション1階はどんなに個人で対策を行っていても、上階より狙われやすいという特徴があります。日常的な習慣や市販アイテムに加えて、プロによるチェックとアドバイスによって防犯対策をさらに強化することをおすすめします。
さくら事務所では、新築マンションの内覧会立会いや、ホームインスペクションなどを通じて、マンションの防犯性能をアップさせる方法をご提案いたします。
特に施工時の不具合によって空き巣などの被害に遭わないよう、マンションを知り尽くしているプロの視点から劣化診断を行い、効果的な方法をアドバイスいたします。大切な命や財産を守るために積極的なご活用をご検討ください!