大規模修繕工事で失敗しない!マンション管理組合が抑えておきたい7つのポイント

  • Update: 2019-12-05
大規模修繕工事で失敗しない!マンション管理組合が抑えておきたい7つのポイント

大規模修繕工事はマンション管理組合にとっては一大イベント。

大事な修繕積立金を使い、長く安心して住める建物をどれだけ維持するかを左右します。

とはいえ、時間の経過とともに、建物も劣化していき、同時に修繕の費用もかさんでいきます。

将来的にはこの負担に耐え切れず、管理組合会計の破綻からスラム化という事態を招くこともあるのです。

そこでここでは、大規模修繕工事で失敗しないために抑えておくべきポイントについてさくら事務所のマンション管理コンサルタントが解説します。

大規模修繕工事の周期は管理組合の方針により異なります

現在、分譲マンションにおける大規模修繕工事は概ね12年毎に実施するのが主流となっています。

もちろん、長期修繕計画でも、新築時から概ね12年程度の周期で大規模修繕工事を行うことを前提とした、修繕計画や積立の計画が立案されています。

ですが、実はこの周期、学校や市(区)役所などの鉄筋コンクリート造の公共建築物や、賃貸マンションなどの修繕周期と比較すると、だいぶ短いものとなります。

建物や設備の劣化状況に関わらず、定期的にこまめに修繕しましょう、というスタンスは建物を長期に維持するには、最も望ましい、いわば理想ともいえる考え方。

ですが、マンションの修繕費用はもちろん居住者で負担しなければいけません。予算が無尽蔵にあるわけではないのです。

必ずしも12年毎にに大規模修繕工事を実施しなければならないと、固執する理由はありません。

管理組合の修繕積立金計画などに照らし、維持管理に関する方針を管理組合の皆様が認識を共有して決定しましょう。

大規模修繕工事の周期に変化あり?

これまでマンション管理業界ではタブーのように扱われていた修繕周期の伸長ですが、近年、大手管理会社が高耐久性の修繕によるサービスを商品化し、徐々に広まりつつあります。

高耐久性の修繕を行うことで、長く持たせ、修繕の周期を伸ばします。

より耐久性を高める材料・工法を用いることで、1回の工事費用は15~20%程度アップしますが、長期的な視点からすれば大規模修繕工事の回数が減りますので、マンションの修繕維持に要する費用を削減、ひいては、マンション居住者の経済的・心理的負担の軽減にも繋がります。

関連コラム:大規模修繕工事の周期延長、可能にするための4つの条件

修繕積立金の残高が大規模修繕工事の予算ではありません

大規模修繕工事の予算は、その時の修繕積立金の残高ではありません。

今後、少なくとも30年程度に渡って実施する、建物や設備の修繕費用も見込んで、将来的な修繕積立金の負担額まで把握した上で最終決定しましょう。

特に、新築時は入居の際の修繕積立基金をまとめて支払っており、建物の劣化もさほど進んでいないことから、比較的余裕があるでしょう。

ですが、これは12年で貯めたものではなく、積立基金としてまとまった金額が含まれていますので、月々の修繕積立金に直して計算するとだいたい15~16年分にあたります。

ですから、これから12年で同じ金額がたまるわけではありませんし、2回目、3回目の工事費は建物の劣化に伴い、どんどん増幅していきます。

大規模修繕工事の予算は、今回計画を行う大規模修繕工事の費用だけでなく今後少なくとも30年程度に亘り実施する必要が生ずると予測される、建物や設備の修繕費用を盛り込み、将来的に増額される修繕積立金の負担額の概要まで把握し た上で最終決定することが望まれます。

大規模修繕工事の仕様は劣化診断の結果から導かれたものではない

本来は大規模修繕工事の前に行われる劣化診断は、その結果をもって大規模修繕工事の実施の必要性や実施時期を判断するために行われるものですが、実際には「予定通りの大規模修繕工事の実施ありき」という前提で行われるケースがほとんどです。

大規模修繕工事の内容や範囲は、長期修繕計画にも予め示されている通り、劣化診断の結果に基づいて改めて作成(設計)されるものではありません。

多くの場合、足場を必要とする工事や保証期間を過ぎた防水工事をすべて行うということを前提として作成されているのが実情です。

関連コラム:劣化診断(建物診断)は大規模修繕工事の実施ありきで行うもの?

大規模修繕工事のタイミングだからできるウィークポイント対策

劣化診断の結果は、建物のウィークポイントを発見するためには大いに役立ちます。

建物のウィークポイントとは、他の部分に比して著しく汚れやすい、ひび割れなどの劣化が数多く発生しやすい、いつも 水が溜まるなど、建物形状や立地、仕上げの種類などにより特徴的に劣化が進行したり、使用上の不便をもたらしたりする部分のことを指します。

これらの部分は、汚れを落とす、補修をするといった新築時の状態に戻すだけでは、また同じことを繰り返すだけ。

汚れる度、劣化する度に対応するのではなく、大規模修繕工事の際にそうならないような仕様に仕上げ方法などを変更しておくのがおすすめです。

関連コラム:マンションの美観を保つための、大規模修繕工事のちょっとしたコツ

施工会社の選定方法について

現在、最も一般的行われている施工会社の選定方法は、設計事務所や管理会社が修繕工事の仕様を決定し、業界紙などにより公募を行いこの仕様に基づく見積を複数の候補会社に行わせ、その中から選定を行う「設計監理方式」と呼ばれるものです。

一見すると透明性が高く公明正大な方法のようですが、これまでにもこの方法による設計事務所、管理会社、大規模修繕コンサルタントと施工会社との多額なバックマージンの授受など、不正な癒着が問題視されてきました。

関連コラム:設計監理方式ではマンションの大規模修繕工事の談合は防げない

以前、国土交通省がこの問題について異例の通達を行う事態に至ったことは、 管理組合の多くの方もご存じかもしれません。

さくら事務所でお勧めしているのは、不正な談合や癒着など可能な限り回避すべく施工会社に工事内容まで自由に提案させる「プロポーザル方式」です。

設計監理方式に比べ、手間はかかりますが、談合や癒着が行われにくく、管理組合の貴重な修繕積立金がバックマージンなどによって、無駄にならないよう努めます。

関連コラム:大規模修繕工事の施工会社選定方法「プロポーザル方式」、実際どうやるの?

大規模修繕工事で発見される不具合と対処法

第一回目の大規模修繕工事では、新築時の不具合が発見されることも少なくありません。

例えば発覚するのはこんな事象

1)外壁タイルの広範な浮き(タイル仕上げ面のシーリング目地の設置不良
2)構造スリットの不設置または設置不良
3)鉄筋の切断を伴うコンクリート躯体への不正なコア抜き(穴あけ)
4)鉄筋に対するコンクリートの被り厚さ不足

これらの事象が発見された場合には、分譲会社や施工会社へ通知を行い補修費用の負担を求める必要が生ずる場合がありますが、発見された状況によっては調査ならびに交渉や補修に長期間を要することもあります。

ですが中には、予定された工事期間が大幅に変更されることを嫌い、こうした状況が確認された場合でも管理組合に正確に報告されなケースもあるのです。

これらの事象が発見された場合には、管理組合に正確に報告されることはもちろん、その対処方法についてしっかりと助言を行われることが必要です。

関連コラム:1回目の大規模修繕工事で解消しておきたいマンション新築時の施工不良

大規模修繕工事の成功に欠かせないものは

いかがでしたでしょうか?

これらのポイントも重要ですが、大規模修繕工事の成功は、管理組合が主体となって行うことが大前提です。

とはいえ実際は、忙しい毎日で時間的に余裕もなく、専門知識もないという方がほとんど。

そんな時は、適度にプロの力を借りながら進めていくのもいいでしょう。

大規模修繕工事の進め方など、さくら事務所のマンション管理コンサルタントにお気軽にお問合せください。

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