マンションでの水漏れは、下の階まで被害が及ぶことも多く、多額な修理代が発生します。必ずしも自己負担になるわけではありませんが、最悪の場合、100万円を超える費用を請求されることも。そこで理解しておきたいのが、自己負担になるケースとならないケースです。
本記事では、水漏れ被害による費用負担者を明確にし、修理費用の相場について分かりやすく解説します。実際に水漏れが生じたときの対処法も手順に沿って紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
マンションで水漏れ被害発生!費用負担は誰になる?
マンションの水漏れ被害は、原因・場所・対処法などにより費用負担者が異なります。ここでは、自己負担になるケースと管理組合など管理者負担になるケースについて詳しくみていきましょう。
自己負担になる場合
・管理会社を挟まずに業者を呼んだ場合
・自身の過失・故意による場合
・専有部分である場合
管理会社を挟まずに独断で修理業者を決めて修理すると、自己負担になるケースがあります。修理を依頼するときは、水漏れが発生した場所や原因に関わらず、必ず管理会社に指示を仰ぎましょう。
蛇口の閉め忘れや配水管詰まりなど、自身の故意・過失による水漏れは、当然自己責任となり、費用を負担しなければなりません。
ただし、故意・過失でなくても、専有部で生じた水漏れは、自己負担になる可能性が高いです。たとえば、専有部にある配管から水が漏れた場合、経年劣化が原因だったとしても責任の所在は区分所有者となり、自身の費用負担が発生します。
管理組合の負担になる場合
・経年劣化である場合
・共用部分の場合
水漏れの原因が経年劣化の場合は、管理組合の費用負担で修理します。専有部分の配管などは例外ですが、不具合を放置するなど管理不足によって生じた水漏れも管理組合負担です。
また、入居者の故意・過失と判断できない共用部分の水漏れは、基本的にどのような理由であっても管理組合の費用負担になります。
水漏れ発生時の修理費用相場
水漏れ発生時の費用は高額になるケースも多いですが、火災保険を適用したり水道代を減額したりと、金銭的負担を軽減できる可能性があります。ここでは、修理費用相場、火災保険の適用、水道代の減免措置についてみていきましょう。
水漏れ修理の費用相場
水漏れ発生時の修理費用相場は、数万円~100万円以上と幅があります。実際のところ、状況を見てからでないとなんともいえません。
水漏れの原因となる配水管などの修理だけなら数万円ですみますが、下の階まで被害が拡大すると、階下の部屋の内装修理も必要となり、トータルで100万円を超えることも。さらに、水漏れの原因が分からず、壁や床を剥がすとその修復費用も発生するため、よりに金額がかさみます。
火災保険が適用されることもある
水漏れ被害には、火災保険の「個人賠償責任保険」や「水漏れ保証」が適用されることがあります。個人賠償責任保険は、とくに高額になりやすい階下の内装や家財などの賠償費用が対象です。水漏れ補償は、自室の内装や家財の修理費用を補償できます。
個人賠償責任保険は、自動車保険の特約やクレジットカードに付帯しているケースもあるため、この機会にどのような保険に加入しているのか確認しておきましょう。水漏れ修理の費用に困らないためにも、保険で備えておくことが大切です。
水道代は減免されることもある
長期間、水が漏れ続けていたときや大量の水が漏れたときは、それだけ水道メーターがまわるため、通常通りに計算されれば高額な料金を請求されます。
しかし、本人の過失でないことが明らかな場合など、いくつかの条件を満たせば、減免措置を受けられ、料金を減額してもらえることも。条件や申請方法は各自治体によって異なるため、管轄の水道局へ問い合わせてみましょう。
水漏れ被害が発生した時の対処法
水漏れ被害が発生したときの対処法を紹介します。水漏れは、対処が遅れるほど被害が拡大し、階下の入居者とのトラブルに発展する可能性も高くなるため、スピード感が大切です。以下の手順に沿って早急に行動しましょう。
止水栓を止める
水漏れを発見したら、まず止水栓を止めましょう。止水栓は共用廊下のパイプシャフトのなかなど、水道メーター付近にあります。
止水栓を止めると自室の給水管に水が配給されないため、不具合が生じている場所によっては水漏れを止められるかもしれません。同時に、止水栓を止めている間は、部屋の水は一切使えないことを覚えておきましょう。
管理会社(オーナー)に連絡をする
止水栓を止めたら、管理会社に連絡しましょう。修理業者を指定されることもありますし、自分で手配するように指示されることもあります。
管理会社に連絡せずに修理を手配してしまうと、本来、管理者負担の水漏れだったとしても、自己負担になってしまうかもしれません。自己判断せず、管理会社の指示に従いましょう。
水道修理業者を手配する
管理会社に自身で修理業者を手配するように言われたら、水道業者をインターネットなど調べて修理を依頼します。
「地域名 水道修理」などのワードで検索し、なるべく早く対応してもらえる業者を選びましょう。水漏れが起きてから慌てないように、事前に修理業者を見つけておくと安心です。
被害を与えてしまった下の階の住人への説明と謝罪
下の階まで被害が及んでいる可能性があるときは、階下の住民を訪問し、被害状況の確認と現状の説明をおこないます。自分に非がある場合は、誠意をもって謝罪しましょう。関係を悪化させないためにも早めに訪問することが大切です。
経年劣化による水漏れは未然に防ぐ努力を
マンションで水漏れは、原因が分かるまで、誰の費用負担になるか判断できません。管理者負担になることもあるため、自身で修理を手配せずに、管理会社に連絡しましょう。火災保険に入っていれば、水漏れ被害に対する修理代が補償されている可能性が高いです。契約内容を今一度見直しておきましょう。
マンションでの水漏れは、過失によるものを除けば、経年劣化や施工不良が原因です。これらのマンション側の問題は、しっかり状況を把握し対処していれば、事前に防げるでしょう。
さくら事務所では、建築士などの専門家が、第三者視点でマンションの瑕疵や欠陥を調査します。施工会社などとも対等に協議できるため、スムーズなトラブル解決が可能です。
マンション共用部のアフター点検もお任せください。9年目のアフターサービスでは雨水の浸入を防ぐ屋上やバルコニーなども対象です。これまでに、さくら事務所のアフターサービスチェックをご利用いただいた管理組合様からは、「こんなに細かいところまで、丁寧に見てくれたなんて」と喜びの声をいただいております。アフターサービスチェックを利用することで、問題があれば売主の負担により無償で修理でき、水漏れを防ぐことができるでしょう。
水漏れによる多額な修理代に悩む前に、アフターサービスチェックを利用し、賢く水漏れを予防しましょう。ぜひお気軽にご相談ください。