マンションのバルコニーでガーデニングを楽しむ際の注意点

  • Update: 2018-07-06
マンションのバルコニーでガーデニングを楽しむ際の注意点
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株式会社さくら事務所

この記事はプロのホームインスペクターが監修しています

例えば、バルコニーでハーブを育て、料理に彩を加える。鮮やかな季節の花をバルコニーの手すり一面に育ててみる。バルコニーでのガーデニングは、最高の趣味の一つとなり、癒しとなることでしょう。しかし、場合によっては建物にリスクを与えてしまうこともあります。

ここでは、マンションのバルコニーでガーデニングを始める際に、気を付けるポイントや、マンションの管理規約について確認しておきましょう。

アフターサービス徹底活用のポイント

管理規約の専有使用権について

それではバルコニーでのガーデニングについて、マンションの管理規約ではどの様な扱いになっているのでしょうか?

マンションでのバルコニーは、「共有部分」の中の「専有使用部分」にあたり、その住戸の占有者が自由に使用できる空間です。占有者が、室外機を配置したり、洗濯物を干すといったプライベートに使用できる空間です。

ですが同時に、災害時には、他の占有者が避難経路として使用する可能性のあるスペースでもあります。

マンションのバルコニーには、いざという時のための避難経路の役目もあるのです。各部屋を仕切る壁に「避難経路」としてものを置かない様に注意書きがされている場合、その壁を壊し、逃げることが出来るための、「共有部分」として考えられます。

また、床に梯子が格納されていて、それを使用し、階下や隣接する部屋に移動することが出来るように設計されています。

マンションでガーデニングをする際には、バルコニーは「避難経路」であることを前提に植栽計画を立てましょう。マンションによっては、管理規約でバルコニーのプランターの設置やガーデニングを禁止している場合もありますので、始める前に確認を。

避難経路の確保・安全面での考慮を!

「避難経路」の確保はとても重要です。いざという時、そこに動かせない鉢が置いてあったり、トレリスが設置されていて簡単に壊すことが出来ない状態では、管理規約を守っていないことになります。

近隣の住民の命に関わることを無視しているとみなされ、トラブルとなることも考えられます。

また、事故防止のために、突風による鉢物の落下防止の対策を取ることも必要です。しっかりと固定できるフックのある軽い素材の鉢を選ぶことが大切です。

また、土も同様に、飛び散ったりしないものを選びましょう。

個人の好みはそれぞれです。害虫が発生しやすい植物や、香りの強い植物は、近隣とのトラブル防止のためにも避けることが無難です。農薬の散布や、水やりの際にも階下に十分配慮することが大切です。

大型の植物は置いていいの?

大型の鉢物は、シンボルツリーとなり、インテリアとして魅力的です。しかし、大人が一人で動かせないほどの大きさの鉢物は、可動性があるとはいいがたく、枯れてしまった時の処分も大変。建物全体の美観も損ねます。

安全性の確保から考えて、特に、小さいお子様がいるご家庭では控えておきましょう。

災害時の避難経路を確保できるのか?安全かどうかが植物の大きさ選びのポイントになります。 部屋の目隠しに大型の植物が欲しい場合には、室内でも育てられる観葉植物も検討されてはいかがでしょうか。

人工芝や木製エクステリアの取り付けについて

バルコニーは、真夏には高温になり、真冬には凍ってしまうことも。バルコニーに出る時には、スリッパが必要でしょう。

そこで、人工芝や木製のエクステリアを敷き詰めると、裸足でもバルコニーに出ることが出来るようになり、見た目にも魅力的になります。

デザイン性の良いエクステリアを選べば、太陽の照り返しを防ぐことができます。バルコニーを、自然を感じることが出来る一つの部屋に仕上げたいものですね。

バルコニーを傷めずに、ガーデニングを楽しむコツ

マンションのバルコニーの排水口は、雨水を排水するために設置されています。バルコニーの形状に合わせて勾配をとり、大雨や台風に備えて、迅速にバルコニーに溜まる水を放流する様に設計されているので、物や塵で塞いでしまわない様に管理が必要です。

ですので、接着剤を使用してバルコニーの床面に張り付けてしまい、可動性がきかない(元に戻せない)状態にしてはいけません。同様に、モルタルやコンクリートを敷き詰めて改装すると重量が建物にも負担がかかり、取り壊しが出来ないので、禁止されています。

共有部分でもあるバルコニーの改築を独自に行っては管理規約違反です。

床や排水溝の状態は、定期的にチェックを

マンションのバルコニーは、「共有部分」でもあり、修繕の際にはバルコニーに置いてあるものを全て一時的に移動させなければならなくなります。

また、移動できなくなるような、建物の壁に穴を開けてのトレリスの設置も、躯体の強度を弱めてしまうことになるのでやってはいけないことです。

見た目は良いのですが、人工芝やタイル、レンガなどを敷き詰めてしまうと、そこに土砂や塵が溜まりやすくなり、少しずつ排水口をつまらせてしまう原因に。

レンガや木製などの自然素材の敷物は、朽ちやすいもの。ガーデニングをしていない場合でも、排水口は定期的に掃除をしないと、汚れや塵が積もって腐敗し、雨が降る度に排水口が機能せず、湿気がたまることになります。

通気性の悪いバルコニーで、水分がたまった状態を放置すると、知らぬ間に朽ちて、カビが発生し、白アリなどの被害が起きてしまうことも考えられます。小まめに掃除をして、素材そのものをメンテナンスし、バルコニーの床の状態や排水口を定期的に点検していくことが大切です。

マンション暮らしの基本、ルール・マナーは忘れずに

色とりどりの美しい花々や緑は、ご自分の目を楽しませてくれるだけではなく、外から見た建物の印象もUPしてくれます。

マンションでのガーデニングは、ルールやマナーを守ることが大切。

植木鉢には、土が排水口につまらない様に、受け皿を置き、枯葉や、花の咲き柄を摘むなど毎日の手入れが必要です。面倒なことですが、それが楽しみになるころには、植物の良さを堪能することが出来るでしょう。

アフターサービスや大規模修繕前には、各住戸にバルコニーに関するアンケートが送られてくると思います。そんなときに慌ててチェック、なんてことがないよう、日ごろから維持管理・点検を怠らないようにしましょう。

山本 直彌
監修者

山本 直彌

大手マンション管理会社での業務経験6年、大手不動産仲介会社での業務経験9年、その他PM・BMマネジメント経験3年

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ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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