【実例紹介】大規模修繕工事着工後に発見される不具合事例 その3

  • Update: 2016-04-20
【実例紹介】大規模修繕工事着工後に発見される不具合事例 その3

大規模修繕工事着工後に発見される不具合事例 その3

これまでの話はこちらから、ご覧ください。
大規模修繕工事着工後に発見される不具合事例 その1(ご相談にお見えになるまで)
大規模修繕工事着工後に発見される不具合事例 その2(さくら事務所からのご提案)

工事着工前には予想もしていなかったタイルの不具合が発覚し、予備費では賄うことができないのは明白となりました。
管理組合の理事会や修繕委員会の役員の方々は、追加費用の負担に関する方針の決定、それを審議するための臨時総会の開催、不具合の内容と分譲会社・施工会社の対応状況、工事工期の延長や今後の見込みなどについて住民の皆様に知らせ、理解を求めるための住民説明会の開催など、慌ただしい中で短期間に確実に進めていかなければなりません。

本来の大規模修繕工事に関することだけでも、理事会や修繕委員会の皆様には大変な負担ですが、このような事態になり更なる精神的・時間的負担が重くのしかかります。

施工会社との度重なる交渉を経て・・・

まず、大規模修繕工事の施工会社から、外壁タイルの補修工事が必要な範囲と補修方法、これに伴う費用の提示を受けました。
分譲会社・施工会社の対応によっては、修繕積立金残額のほぼ全額を投じて、外壁タイルを補修する方針を理事会・修繕委員会が決定、臨時総会が開催され、こちらも無事に承認・可決されました。
しかし同時に、複数の住民の方々からは、分譲会社・施工会社に対して、訴訟など法的な手段を講じることも前提に、費用の負担を求めるべきだとの意見もありました。

分譲会社・施工会社による現場確認が行われた後、管理組合が分譲会社・施工会社を相手に数回にわたり交渉をしました。その間、2か月以上に及びます。
結果、当初は見解が相違する部分があり協議が難航する局面もありましたが、今回の外壁タイル不具合の原因は、当初の建築工事の不備に起因するものとして、最終的には分譲会社・施工会社に全面的に非を認めるかたちとなりました。

本来、このように引き渡し後10年以上過ぎた物件では、法律的には瑕疵担保責任期間が過ぎています。ですが、今回、分譲会社が非を認めたことは企業のモラルとして立派だったとも言えます。(※施工会社は身体・生命に危険を及ぼす恐れがあるものについて、不法行為責任により竣工引渡し後10年を超えても責任を追及する余地があると考えられています。)

瑕疵担保責任の期間を超えていても。守られた企業のモラル

この期間に2ヶ月以上を要したことも含め、工期は当初の予定より約6ヶ月間延長されることになりました。
最終的に、分譲会社・施工会社から管理組合に以下の申し出がありました。
1)外壁タイル補修工事の費用について、外壁タイル総数の5%を超える部分に関する補修費用の全額負担(※外壁タイル総数の5%程度は経年劣化であると考えられるため)
2)工事期間延長に伴う、仮設足場や現場事務所などの追加費用に関する全面的な負担
3)分譲会社・施工会社の費用負担による、構造スリットやタイル伸縮目地など竣工図面や建築工事標準仕様書などの仕様と相違する部分に関する、是正工事の実施および2年間の保証

管理組合や住民の方々からすれば、当然の事と思われることばかりかもしれません。
ですが、実際、こうした事態に遭遇した管理組合の中には、分譲会社・施工会社が建築・分譲したという社会的責任を果たさないケースもままあります。
外壁タイルの不具合などは経年劣化によるものとされ、2年間のアフターサービス期間ならびに、10年間の瑕疵担保責任の期間が過ぎていることを理由に、「一切の責任はない」と、補修工事に対する対応を拒否されることも少なくありません。

今回のような難局は、理事会・修繕委員会の方々の頑張りと、それを全面的に支援した管理組合の方々の一致団結した気持ちがなければ、到底乗り越えられるものではありません。
皆さんの労した時間、気力は大変なものだったでしょう。ですが、それ以上に自分たちの住まいの資産価値を守ったことの達成感も大きかったのではないかと思います。

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