エントランスから部屋に戻るまでが・・・
タワーマンションの魅力といえば、高層階からの眺望といったイメージがありますが、充実したコンシェルジェサービスやセキュリティーシステム、24時間有人体制による警備など、ホテルライクな生活がサポートされていることも魅力のひとつではないでしょうか。
しかし、そんなイメージとは裏腹に多くのタワーマンションで、居住者の方々からの不満が噴出しているのが共用部分の空調。
中には分譲会社や施工会社と管理組合との間でトラブルになっているケースもあります。
エントランスロビーや各階の共用廊下の空調が不十分であるために、居住者の方々からは外出から戻り、エントランスから部屋に帰るまでの間がとても不快であるというご意見が数多くあがっているのです。
コンシェルジュさんの労働環境としても問題
また、コンシェルジェとしてマンションに勤務されている方々は、執務されているコンシェルジェカウンターの暑さ、寒さの中での長時間にわたる過酷な条件下での勤務となりってしまいます。
場合によっては体調を崩しかねないというような状況となっていることもあるようです。
こうした状況について、管理組合としては分譲会社や施工会社に対して、設計上の不備ではないかという様な疑問を持つことは当然です。
竣工引渡し後1年目・2年目のアフターサービスの際などに改善を行うように申し出がありますが、さまざまな理由をつけて改善がなされることなく、時間だけが過ぎていくようなケースやどうしても改善するのであれば、管理組合が費用を負担するというような対応がなされていることもあるようです。
居住者の皆様が建物内の環境に不快感を感じていることはもちろんですが、コンシェルジェとして勤務されている方々については、労働環境に関することですから労働安全衛生法などの法律の適用を受けることになります。
同法により規定されている事務所衛生基準規則第5条3項には、『事業者は空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び相対湿度が40パーセント以上70パーセント以下になるように努めなければならない。』と明確に規定されています。
管理組合の皆様からお話を聞いた限りでは、この基準の範囲を超えてしまうような可能性もあるのではないかと思います。
居住者はもちろん、コンシェルジュさんも気持ちよく過ごせる環境づくりが望ましいのではないでしょうか。