大規模修繕工事費、消費税増税前の駆け込み需要で高騰?

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マンション大規模修繕費については、平成25年9月30日までに請負契約を締結すれば、工事完成が平成26年4月1日以降になっても消費税は増税前の5%が適用になり3%節約できます。

マンションの規模によってもことなりますが、大規模修繕工事の費用は数千万円から数億円という費用となるため、消費税増税の影響は見過ごすことはできません。 消費税3%の違いは、5,000万円の工事費用で150万円にもなりますから、「なんとか3%のうちに早く契約を!」といった気持ちになってしまうものです。

しかし現在、消費税増税前の駆け込み需要の影響で大規模修繕工事の見積額が高騰していますので、再度9月30日までの契約が本当に得なのか十分に検討することが必要です。 一例をあげると、大規模修繕工事では必要不可欠な仮設工事(足場)費用は半年前の10%~20%程度見積額が高くなっているといったことです。

最近ご相談をいただいた総戸数50戸の典型的なファミリーマンションのケースでは、管理会社から提示された見積額が約7,000万円、戸あたりの工事費用が何と140万円になっていました。 ちなみにこのマンションは、共用部分に機械式駐車場や地下駐車場など、特別に費用のかかる設備が設置されていることはありません。

昨年の秋くらいまでの相場であれば、上記のようなマンションの場合、管理会社から提示される見積額は高くても戸あたり120万円くらいが上限で、実際に契約する金額は戸あたり100万円程度が平均的だった印象から、この事例では約15%程度見積額が高くなっていると思われます。

前回の消費税増税を踏まえてみると、駆け込み需要が一段落した後に需要が大きく落ち込んだ結果、消費税の増税分よりも工事費用が安くなる可能性が十分にあります。

そうすると、3%の節約のために駆け込みの契約をしたのに、得をすることはなかったということにもなりかねません。

大規模修繕工事はマンション管理組合にとって資産価値や建物寿命を左右する一大イベント、修繕積立金だって長いことかけてみんなで貯めてきた大事な資産です。

無駄にすることないよう、慌てることなく計画性をもって慎重にすすめましょう。
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    朝日新聞

    2025年3月31日

    朝日新聞(3/31発行)にて、さくら事務所・マンション管理コンサルタントの土屋輝之が取材協力した記事が掲載されています。 ●マンション修繕の発注先は「談合の検査対象」 住民「心身ボロボロ」 ※会員限定記事

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    日経ビジネス電子版

    2025年3月18日

    日経ビジネス電子版(3/18公開)にて、さくら事務所 マンション管理コンサルタント・土屋輝之のインタビュー記事が掲載されました。 ※会員限定記事 ●マンション修繕談合疑惑「工事費は1~2割高い」 専門家が明かす手口