タイルの下地処理とは
昔から多く用いられている、湿式工法でタイルの貼り付けを行う場合、コンクリート面に下地モルタル、さらに貼り付けモルタルを塗りつけ、そこにタイルを圧着していきます
コンクリートは、型枠を外した直後は、表面がツルツルしていたり、所々に型枠の継ぎ目部分で段差が生じていたり、凹凸があったりします。
タイルの下地処理とは、下地モルタルを塗りつける前に、コンクリート表面を研磨する機械のサンダーや高圧水などによって凹凸をなくし、さらにつるつるな状態からザラザラした仕上げにしていく工程のことを言います。
下地の「目荒らし」とも言われます。
下地処理でザラザラな状態にする理由
ツルツルのコンクリート面にモルタルを塗りつけても、摩擦力が小さく、コンクリートとモルタルが密着せずに接着面から剥離が起こるケースが多いためです。
しかも、比較的広範囲にタイルが剥離していく傾向があります。
剥離したタイルのコンクリート面を見てみると・・・
写真は、浮きが確認されたタイルを剥がしてみたところ、タイル下地処理不良が見られた事例です。
上から順に、コンクリートの目荒らしが不十分で、表面がツルツルだった事例、中央は、型枠の継ぎ目部分の段差(凸部)が平に処理されずそのままだった事例、一番右は、コンクリートに欠損(穴)が開いたままタイルが貼られていた事例です。
穴が空いている状態に関しては、タイルだけでなくコンクリート躯体そのものの劣化を早める恐れがあります。
浮きが確認されたら、早期に修繕を
下地処理不良によるタイルの剥離は、モルタル接着面からまとめて剥がれるケースが多く、広範囲かつ多量のタイル剥離に繋がる傾向があります。
打診結果、広範囲の浮きが確認された場合、事故を防ぐためにも早期修繕が望ましいでしょう。