今一度、総点検したい!命を守るマンションの防災対策

  • Update: 2022-03-11
今一度、総点検したい!命を守るマンションの防災対策

東日本大震災から11年。この災害大国である日本に住む以上、日頃から防災の意識を高く持っていなければなりませんが、やはり3月11日を迎えるといっそう気が引き締まる思いがすることでしょう。

しかしながら、大規模災害への対応を行っている管理組合について国土交通省が調査した結果、「特に何もしていない」「不明」と回答した組合が約28%にものぼっています。(「国土交通省 平成30年 マンション総合調査」より)3割近くのマンションが適切な対策がとられていないため、有事の際は混乱に陥ることが予測されるでしょう。

ことマンションにおいては、「耐震性が確保されていれば大きな心配は不要」「管理組合が備えているから有事の際は安心」という考えの住民も少なくないと思いますが、過信し過ぎてしまうとそこには大きな落とし穴が。

このような状況を踏まえ、今一度自身のマンション管理組合がどのような対策を行っているか点検されることをお勧めします。

そのためにも、実際に防災対策には何が必要か、どのようなことに気をつけて対策をすべきか。今すぐ準備に取り掛かれるよう、具体的なポイントをご紹介いたします。

管理組合の備え 5つの必要なこと

  • 防災マニュアル
  • 居住者名簿(要支援者名簿)
  • 防災備蓄
  • 防災訓練
  • ライフラインの防災対策

防災マニュアル

災害発生を想定するにあたり、漠然と対応策を考えるのではなく発生時刻や日時について細かく分けて想定する必要があります。なぜなら、平日と休日とでは人の行動の流れが変わるためです。また、朝に発生した場合と夜に発生した場合でも異なります。どのような状況で被災するかわからないので、それぞれのシーンで実行可能かどうか検証(訓練)が必要です。

また、マニュアルというと本のような形態を想像しがちですが、実際持ち歩くには不便です。行動指針をミッションカード形式にするとより実用的です。

こうした対策の管理は理事会が継続して行うのは難しいと思われるため、防災専門員会を設置することを推奨します。

居住者名簿(要支援者名簿)

居住者名簿は個人情報保護法に基づき管理会社が作成し保有しているため、一般的に管理組合と共有することは難しいでしょう。そのため、居住者に災害用名簿の必要性を理解していただき、別途作成することをお勧めします。

また要支援者については、避難の際の手助け等のため所在を把握しておくことが必要ですので、こちらも併せて作成することが望ましいです。

防災備蓄

防災備蓄は購入したら完了ではありません!

まず、発電機や暖房器具といった備蓄に必須の電気機器は定期的にメンテナンス(試運転)を行うべきです。

また、トランシーバー、ポータブルバッテリーなどは訓練の際に操作確認を必ず行いましょう。特にトランシーバーはタワーマンションなど高低差が大きい場合に実際に使えなかったというトラブルがあったため、事前確認は必須と言えます。

手間取りがちな各種のテントの設営方法も、有事の際に手際良くできるようあらかじめ確認しておきましょう。

防災備蓄に取り組まれている管理組合は数多くありますが、その量はおよそ3日分程度であるケースがほとんどです。しかし一般的に世帯で推奨される備蓄は7~10日分程度と言われているため、住民自らが備蓄を行うよう管理組合と住民で共通認識を持つことが大切です。

防災訓練

訓練は時々行うものの、テーマが明確になっていないケースが見受けられます。火災か地震か、断水か停電かによって訓練内容が異なるため、それぞれのシーンを想定して行うべきです。

また、安否確認はフロアごとに行うのが基本です。地震の場合、部屋の外に出ないほうが良い場合もあるため、皆が集合する場所で確認といった方法は現実的ではありません。ぜひフロアごとの確認方法を取り入れてください。

また消火器や屋内消火栓といった初期消火に必須の消防設備は、取り扱いの慣れが必須課題ですので、忘れずに行いましょう。

ライフラインの防災対策

受水槽からの漏水対策のための「地震センサー付き緊急遮断弁」の設置をおすすめします。地震後は皆、水の確保のためすぐに浴槽に水を貯めてしまいがちですが、マンションでこれをしてしまうと受水槽の水が一気になくなってしまうため、本来はNG。しかし、これを設置していればそんなトラブルの対処が可能です。強制的に水を遮断する装置で貴重な受水槽内の水を守るため、断水時に水が空になって混乱することを未然に防いでくれます。

また、トイレ洗浄水を災害用に独立を系統化するなどトイレ用洗浄水等を外部から上層階に送水できる設備もぜひ検討されることをお勧めします。

外部の被災者の受け入れを行う場合

近隣に居住する方々や交通手段のマヒなどによる帰宅困難者の受け入れについては、事前に十分に打ち合わせを行い、方針を決定しておく必要があります。受け入れる場合は、受け入れるための訓練もぜひ行ってください。

また、避難所として登録する場合、行政から補助金交付などの制度※もありますので検討してみることをお勧めします。

※東京都:民間一時滞在施設備蓄品購入費用補助事業

マンションの防災対策は管理組合と住民の協力が重要

ひとことに防災対策といっても、多岐にわたって準備や確認が必要となります。

そして対策のキモとなるのは、なんと言っても管理組合と住民が対策に協力しあうこと。住民が管理組合に頼りきりになってしまうケースがよく見受けられるため、あくまでも自助で対策をとることが基本であると、共通認識が取れるよう心掛けていきましょう。

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株式会社さくら事務所

ホームインスペクション(住宅診断)をはじめとする個人向け不動産コンサルティングや管理組合向けコンサルティングを行っている。400を超えるマンション管理組合のコンサルティング実績をもち、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直し、瑕疵トラブルなどの管理組合サポートサービスを提供している。

【監修】さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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