逗子斜面崩落事故、マンションに潜むリスクは他にも

  • Update: 2020-06-30
逗子斜面崩落事故、マンションに潜むリスクは他にも

今年2月、神奈川県逗子市のマンション下で敷地内の斜面が崩落し、通学中の女子高生が亡くなるという痛ましい事故が起きました。

今月初めには、被害者遺族が同マンションの区分所有者に対し安全対策を怠っていたとして損害賠償を請求、更に、マンション管理会社の関係者と区分所有者らを刑事告訴した、と報道されています。

マンションの敷地内には、今回事故を起こしたような斜面に限らず、思わぬかたちで人やモノに危害を与えるリスクが潜んでいることがあります。

ある日突然、お住まいのマンションが凶器となり、被害を生む可能性もあるのです。

ここでは、さくら事務所マンション管理士が、マンションで悲しい事故を生まないための注意ポイントと対策について解説します。

近年、外壁タイルの剥離・落下で負傷者も

今回の事故に限らず、マンションが人やモノに危害を与え、加害者になってしまうというケースは過去にもありました。

近年、頻繁にニュースになっているのが外壁タイルの剥離・落下。

台風や地震の影響で剥落、落下、通行人にケガを追わせてしまったり、駐車してあった車に落下して破損させてしまうという危険があります。

過去には、強風により建物の高さ×1.5程度の距離までタイルが飛んだという事例もあります。

こうなると、敷地内だけでなく周辺の人や車など様々なものに被害が及ぶ恐れも。

もちろんマンションの住人である自分の家族にも被害が想定されるでしょう。

また、外壁タイルに限らず、「台風で敷地内の植栽が倒れる」「地震で屋上の給水タンクが倒れる」「外壁タイルや石が暴風で落下する」「屋上のアンテナが飛散する」といった事例も過去にはありました。

その後のマンションへの影響はどんなことが考えられる?

このような大きな事故を生んでしまった場合、その後のマンションにはどんな影響が考えられるでしょうか?

まず、資産価値の問題。

万が一、タイル落下により事故が発生した場合は、近所でうわさになったり、中古マンション売買取引の際の重要事項説明に加えられるため、売却の際に資産価値の低下が懸念されます。

これからの時代、マンションの管理状況も中古物件の検討の際に重視するポイントになります。

建物を安全な状態で維持できているか?という点においても、その管理力は問われるのです。

次に、資金の問題。

事故で賠償責任を問われることになった場合、保険に加入しているかどうかは大きなポイントです。

施設賠償責任に加入しているか?その補償範囲となっているか?によって、金銭的な負担は大きく異なるでしょう。

建物や敷地内の危険、管理会社は教えてくれない?

ですが、建物が周囲に危険を及ぼすような状態にあった場合、管理会社から管理組合に何か連絡や提案はないのでしょうか?

もちろん、気がついたものについて管理組合に連絡してくれる場合もありますが、必ずしも皆がそうしてくれるわけではありません。

実際問題、その対応は管理会社やその担当者の資質によるところが大きいでしょう。

「本来であれば注意すべき箇所について管理組合は何も聞かされていない」というケースも頻繁に見受けられます。

管理会社が指摘しない理由としては、多くの場合、親会社や関連会社である「分譲会社との関係」も理由の1つかもしれません。

例えば、敷地内に古い擁壁があり、それらが周囲や居住者に危険を及ぼすのではないか?と思われる場合。

管理組合にその危険を指摘すれば、「あらたにつくることなく既存の擁壁をそのまま使用した分譲会社に問題があるのではないか?」と、その矛先は分譲会社に向いてしまいます。

分譲会社としても、「なるべく敷地に費用をかけずに新築・分譲したい」という思いもあったかもしれません。

このように、分譲会社とのトラブルにもなりかねないため、管理会社から積極的に不具合や危険を知らせてくれない、というケースもあるのです。

ただ、分譲会社や施工会社とのトラブルに発展しない「設置物」等の場合、危険なポイントがあれば積極的に教えてくれる管理会社が多いでしょう。

一般的に、年に一度の総会前に管理会社によるマンション全体の点検が行われます。

総会でその年度の予算を決定するため、その年の補修工事の予算を確保すべく、修繕が必要な箇所を事前にリストアップしておくのです。

管理会社からすれば、修繕工事を受注できるのは喜ばしいことでもあり、設置物であれば分譲会社とのトラブルになるような可能性も少ないでしょう。

点検・メンテナンス以外に防ぐ術はない

マンションでこのような大きな事故を防ぐために、マンション管理組合でできることやるべきことは、管理会社頼みにしない、自発的な建物・敷地内の点検、適切なメンテナンスです。

特に利害が対立しやすいアフターサービスや劣化診断、大規模修繕などの節目の際には、専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。

なんのしがらみもなく客観的にその状態をチェックできる、分譲会社などとの利害関係のない第三者であれば尚いいでしょう。

また、毎日の生活の中でも危険そうなところはないか?もし目についたら、管理会社と理事会の双方に報告、その後の対処経過まで確認できれば尚いいでしょう。

特にこれからの台風シーズンは、突然の強風で思わぬものが飛散して周辺に危害を及ぼす可能性も。

今一度、危険な箇所はないか?確認してはいかがでしょうか?

何よりもまず、生まなくていい事故や悲劇を自分たちの手で事前に防ぐことが重要です。

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