外壁タイルの浮きや剥落、漏水がお住まいのマンションでもし起きたら、マンション管理組合はまずどこに相談すればよいでしょうか?
実際はマンションにトラブルが発生した場合、真っ先に管理会社に相談することが多いと思います。
では、マンションの建設に関する瑕疵(欠陥)が疑われるトラブルが発覚した場合、どうやって話し合いを進めるべきでしょうか。
マンションの建設から販売にいたるまでの一連の流れには、売主、施工会社、設計事務所、管理組合(区分所有者)などさまざまな関係者が関わっています。
できるかぎりスムーズに話し合いを進めるために、それぞれの関係や契約関係を把握しておくことが非常に重要です。本当に話し合うべき相手が見えてくるはずです。
マンションをめぐる契約関係を整理しよう
(1)マンション管理組合と管理会社は「管理委託契約」を結んでいる。
(2)マンション管理組合の組合員と売主は「売買契約」を結んだ。
(3)売主と設計事務所は「設計監理契約」を結んでいる。
(4)売主とゼネコンは「工事請負契約」を結んでいる。 ※売主と管理会社は、グループ会社であることが多い。
瑕疵(欠陥)の責任は誰が負う?
マンション管理組合の組合員は、売主と売買契約を結んでいます。そのため法的に、瑕疵担保責任を負うのは売主になります。
一方で、施工上の瑕疵があった場合、売主はゼネコンに費用負担を求めることができます。また設計上の瑕疵は、売主が設計事務所に費用負担を求めることができます。
つまり瑕疵があった場合、費用負担はマンション管理組合が売主に求め、売主はゼネコンや設計事務所に求めることになります。
トラブルの交渉中によくある問題
管理会社が窓口になっているため、管理会社が売主の代理人のような形で打ち合わせが始まります。
しかし管理会社は法的に責任をとる立場ではないため、実際には何も決められません。打合せの内容を持ち帰って、売主と相談することになります。
施工不良が原因の場合、ゼネコンが理事会に出席して説明をすることがあります。
しかしゼネコンが法的な責任を持つのは売主に対してだけで、マンション管理組合に対して約束できることはなにもありません。
ゼネコンの方々が理事会で頭を下げて謝罪することはあっても、そこから話が進むことはほとんどないのです。
マンションのトラブル、誰と話し合えばいい?
瑕疵担保責任を問う場合、マンション管理組合に対して売主責任を果たせるのは売主しかいません。
管理会社が売主とグループ会社の関係にあることが多いので、管理会社と打ち合わせをしていると売主と打合せをしているような感覚に陥りますが、管理会社では最終的な決定ができないのです。
そのため最終的には売主と話さないと、何も決定しません。
まとめ
瑕疵が露見した場合、感情的になるのは当然だと思いますし、いい加減な施工をしたゼネコン、間違った設計をした設計事務所に謝罪を求めたくなる気持ちも当然のことだと思います。
しかし彼らは売主の決断がなければ、できることはほとんどありません。
また矢面に立ちたくない売主が、説明をゼネコンや設計事務所に任せきりというケースも散見されます。
瑕疵担保責任の話し合いは売主と行いましょう。
早い時点から売主との話し合いを始めると、それだけ解決が早くなる可能性が高くなります。
そこで具体的にどのように話し合いを進めればよいのかは、瑕疵のケースによって異なりますので、ぜひご相談ください。