マンションで自治会に入らないとどうなる?管理組合との違いも解説

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マンションで自治会に入らないとどうなる?管理組合との違いも解説

この記事はマンション管理士/一級建築士などの専門家が監修しています

分譲マンションを購入すると、区分所有者としてさまざまな義務が発生します。管理組合の一員になることもそのひとつですが、自治会にも加入しなければいけないのでしょうか。

自治会に対して「面倒だから加入したくない…」と考える方もいるかもしれません。

そこで本記事では、管理組合と自治会の違いや自治会の加入率、加入しないとどうなるのか、わかりやすく解説します。自治会加入による懸念点も紹介するため、悩んでいる方は参考にしてください。

マンションの管理組合と自治会は違う?

マンションの管理組合は加入が義務付けられていますが、自治会は加入が任意の団体です。ここでは両者の特徴について詳しく解説します。

管理組合への加入は義務

マンションの管理組合は、分譲マンションを購入した段階で自動的に加入することになります。

区分所有法により、区分所有者(マンションの所有者)は全員が管理組合の構成員になることが義務付けられているためです。

管理組合は、区分所有者から徴収する管理費や修繕積立金を資金として、マンションの建物・敷地・付属施設などを維持管理していくことを目的としています。

下記記事では管理組合の運営についてまとめているため、詳しく知りたい方は参考にしてください。

管理組合の運営方法は?破綻しやすいマンションの特徴や管理の外部委託について解説

 

自治会への加入は任意

自治会は地域住民で構成される任意の団体です。地域によって「町内会」や「町会」などと呼ばれていることもあります。

マンションを購入し区分所有者になったからといって、自治会への加入を強制することはできません。

自治会は、加入者から徴収する自治会費を資金として、地域のコミュニティ強化や活性化、問題解決などを目的としています。具体的な活動内容に決まりはなく、自治会によってさまざまです。

 

自治会の加入率は減少傾向

自治会の加入率は年々減少傾向にあります。以下は総務省が取りまとめた、1741市区町村600団体(世帯単位)の自治体加入率のアンケート結果です。

出典:総務省自治行政局市町村課 令和4年2月「自治会等に関する市区町村の取組に関するアンケートとりまとめ結果」

平成22年から令和3年まで加入率は下がり続けています。

加入率低下の要因のひとつとして考えられるのが、単身世帯や女性・高齢者雇用の増加です。

地域のコミュニティに関わる機械や時間が減少し、自治会への加入率の減少に繋がっている可能性があると考えられています。

参照:総務省「地域コミュニティに関する研究会」

参照:総務省自治行政局市町村課 令和4年2月「自治会等に関する市区町村の取組に関するアンケートとりまとめ結果」

 

マンション居住者の自治会への関わり方は3通り

マンション居住者の自治会への関わり方は大きく分けて3通りあります。

(1)マンション(管理組合)で加入する

マンションの管理組合で地域の自治体に加入しているケースです。マンションが組合員から集めた自治会費をとりまとめて自治会に支払っているケースが多く、自覚のないまま自治会に加入していることもあります。

(2)個人で加入する

マンション(管理組合)として地域の自治体に加入していない場合は、一個人(世帯)で加入します。

(3)マンション全体で自治体を形成している

マンション全体がひとつの自治体として活動しているケースです。この場合、建物の修繕や維持管理は管理組合、コミュニティ形成や行事の企画運営などは自治会、というように分担しているマンションが多くみられます。

自治会のおもな活動内容

年々、加入率が下がっている自治会ですが、活動内容は暮らしに直結する有意義なものばかりです。

活動内容は多岐にわたるため、ここではその一部を紹介します。

・安心・安全に暮らせる環境を守る

・地域や行政の情報を共有・伝達する

・行事を企画・運営する

・環境の美化と維持管理をする

順に見ていきましょう。

安心・安全に暮らせる環境を守る

地域のみなさんが安心・安全に暮らせる環境を守ることは自治会の活動のひとつです。

会員の方で当番や担当を決めて、地域を見回る夜間パトロールや高齢者や登下校中の子どもの見守りを実施します。

そのほか防災訓練・防災備蓄・支援物資の配布・避難所運営など、災害に備えた活動も行います。

雪が降る地域では、自治会で業者に除排雪を依頼することも多いです。

地域や行政の情報を共有・伝達する

地域や行政の情報を共有・伝達することも自治会の重要な活動です。

具体的には回覧板・広報誌・ホームページなどを活用して行います。

また自治会では定期的に総会が開催され、重要事項の共有や話合いが行われるのが一般的です。

総会で決定したことを会員に共有するだけでなく、地域住民の要望をまとめて、行政に伝えることもあります。

行事を企画・運営する

地域での行事を企画したり運営したりするのも自治会です。

夏祭りや七夕、運動会といった子ども向けのイベントから、親睦会や交流会などの大人向けのイベントまでさまざまな行事を企画・運営しています。

こうした行事により、地域住民のコミュニティ強化が可能です。年齢の異なる子ども同士の交流の場にもなっています。

環境の美化と維持管理をする

自治会では環境の美化や維持管理も行っています。

定期的に清掃週間を設けて清掃を呼びかけたり、日程を決めて道端のゴミ拾いをしたりと、積極的に活動している自治会が多いです。

清掃以外にも、ゴミステーションの維持管理や歩道の花植えなども、自治会での活動になります。

 

マンション居住者が自治会に入らない(退会する)とどうなる?

マンション居住者に限ったことではありませんが、自治会に入らない、または自治会から脱退することも可能です。

(※マンション全体で自治会に加入している場合は管理規約で取り決めがないか確認してください)

とはいえ、自治会に入っていないと以下のように困ることもあります。

行政や地域の重要な情報を入手しにくくなる

自治会に加入していないと、回覧板や広報誌がまわってきません。

自治会のホームページを見る機会もないため、行政からの情報や地域の身近な情報が入りにくくなってしまいます。

たとえば地域のイベントや福祉に関すること、地域限定の商品券などの耳寄りな情報も伝わってこない可能性があるのです。

子どもの交友関係が広がる機会を逃す

地域によりますが、自治会では子ども向けのイベントが頻繁に行われていることがあります。

子ども向けのイベントが多い自治会では、学年問わず子ども同士のつながりも多いです。

自治会に加入していないことで、会員限定のイベントに参加できずに、子どもの交友関係が広がる機会を逃すことになります。

地域から孤立し高齢者や子どもの支援が行き届かない可能性がある

自治会では高齢者や子どもの支援活動も行っています。

加入していない場合、自治会で活動している子どもの集団登校(下校)や高齢者の生活支援などの対象から外れてしまうことも。

同じ地域で暮らしているのにもかかわらず、コミュニティから外れてしまい、地域で支え合うことができなくなってしまいます。

災害時に不利益を被る可能性がある

災害時に不利益を被る可能性があることも懸念点です。

避難所運営や支援物資の配布など、災害時の支援活動も自治会が中心となっておこないます。

そのため会員以外の対応が遅れたり重要な情報を逃したりすることがあるでしょう。

また自治会で実施している防災訓練にも参加できません。

災害時にスムーズな対応が難しくなったり、地域の方と協力し合える関係性が築けなかったりする可能性があります。

地域住人と管理組合の話し合いの場がなくなる

マンション住民またはマンション自体で自治会に加入していないと、地域の方と話し合う場を設けるのが難しくなります。

たとえばマンション全体の問題である工事中の騒音や日照問題などは地域の方との話し合いが必要になる場面があるでしょう。

とくにマンションの大規模修繕は、工事により騒音や粉塵が発生したり工事車両の出入りが増えたりと、地域の方に大きな影響を与えます。

話合いの場を設けにくいだけでなく、日頃から地域の方とコミュニケーションが取れていないことでトラブルも生じやすいです。

 

マンション居住者が自治会に加入する懸念点

マンションの居住者が自治会に加入する3つの懸念点についても押さえておきましょう。

・管理費・修繕積立金に加えて自治会費がかかる

・役員を依頼されることがある

・活動への参加を求められる※任意

順に解説します。

管理費・修繕積立金に加えて自治会費がかかる

マンションの居住者は毎月、管理費と修繕積立金を支払いますが、自治会に加入すると自治会費も発生します。

自治会費は、行事の運営・防犯灯の電気代・掃除用具の購入・回覧板の運用、そのほか地域に必要な経費などに使われる費用です。

自治会によって金額は異なりますが、月額数百円が相場になります。加入時に入会金が必要な自治会もあります。

役員を依頼されることがある

管理組合と同様に、役員を依頼されることがあります。立候補や推薦で役員を決める自治会もありますが、多いのは順番に役員がまわってくる輪番制です。

役員になると、総会の開催や回覧板の運営、自治会費の集金などの役割を任されることになります。

輪番制の場合は公平に役員が回ってくるため、よほどの事情がない限り断りにくいです。

ただし特段の理由があり役員を務めるのが難しい場合は、前役員に相談してみましょう。

活動への参加を求められる※任意

役員ではなく一会員として、理事会に携わる場合にも活動への参加を求められます。

自治会での活動は、イベントの手伝いや清掃活動など、自分たちの地域での暮らしをよりよくするためのものです。

活動への参加は強制ではありませんが、会員で協力し合わないと自治会は成立しないため、できる限り参加しましょう。

メリット・デメリットを比較して、自治会への加入を検討しよう

マンションの管理組合は法律で加入が義務付けられている一方、自治会は任意参加の地域団体です。

自治会では防犯や防災・情報の共有・行事の運営・環境美化など、地域の方の日常生活に密接した活動を行っています。

自治会に加入すると自治会費を支払わなければいけなく、役員を任されると負担も大きくなるでしょう。

自治会に加入しなても一部の自治会活動(環境の美化や維持管理など)の恩恵は受けられますが、加入しないと地域の情報が得にくく、災害時の支援が遅れたり地域の方との交流の機会を失ったりすることも。

地域の活性化やコミュニティ強化は、結果的に、より安心・安全で充実したマンション生活を送れることに繋がるメリットもあります。よく比較して、加入するかどうかを検討しましょう。

さくら事務所では、大規模修繕工事や長期修繕計画の見直しだけでなく、一般会計や特別会計のチェックや、規約の整備など、マンションの管理組合運営についてのサービスを多数ご用意しています。お困りの方は、お気軽にご相談ください。

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山中 行雄
監修者

山中 行雄

マンション管理会社で約20年勤務。東京、千葉、広島、沖縄など、様々な地域で管理組合運営業務に携わる。

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