マンションの雨漏り対処法と修理費用を解説!保険や保証は適用される?

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マンションの雨漏り対処法と修理費用を解説!保険や保証は適用される?

この記事はマンション管理士/一級建築士などの専門家が監修しています

マンションでの雨漏りはめずらしいことではありません。しかし、実際に自分の部屋で雨漏りが生じた場合「どうすればよい?」「きちんと修理してもらえる?」などと不安になるでしょう。

マンションでの雨漏りは大半が共用部分が原因のため、管理組合が費用を負担して修理するケースが多いです。

しかし保険や分譲会社の保証が対象になる場合もあるため、大切な修繕積立金を無駄にしないようにするためにも雨漏りが起きた際の対処法や費用負担について把握しておきましょう。

本記事では、マンションで雨漏りが発生したときの対処法や原因、修理費用の負担について紹介します。保険や保証の対象になるかどうかも解説するため、ぜひ参考にしてください。

マンションで雨漏りしているとき対処法


マンションで雨漏りしているときは、まず以下のように行動しましょう。

・雨をバケツなどで受ける
・家財を移動させる
・管理会社に連絡する
・雨漏り個所と被害状況を撮影する

雨漏りしていて水が天井から滴っている場合は、被害が広がらないようにバケツなどで雨水を受けます。このときバケツに当たった水がはねて周辺を濡らしてしまわないように、タオルや新聞紙を周りに広げておきましょう。

近くに家電がある場合は、コンセントを抜いて漏電を防止しておきます。

状況が落ち着いたら、管理会社に連絡してください。雨漏りの状況を説明して修理手配など、今後の対応について確認します。

独断で修理を手配してしまうと、本来、費用を負担しなくてよい場合でも自己負担が発生してしまう可能性があるため、必ず指示を仰ぎましょう。

雨漏り個所や被害状況の写真を撮っておくと、原因調査や保険を使うときなどに役立ちます。

マンションで雨漏りが発生するおもな原因


マンションで雨漏りが発生するおもな原因として以下が考えられます。

・ベランダ、屋上の防水劣化
・外壁のひび割れ
・窓サッシ、ベランダ、外壁、換気口まわりのシーリング材の劣化

ベランダや屋上の防水の耐用年数は10年程度です。前回の施工から10年を過ぎている場合は防水の劣化が原因かもしれません。

ベランダや屋上は雨水が溜まらないように、排水口に向かって勾配が付いています。

しかしその勾配が不十分だったり排水口に枯れ葉やゴミが詰まっていたりすると、雨水がうまく排水されずに水たまりができ、防水層の劣化を早めるため注意しましょう。

普段立ち入らない屋上は、雨水が正常に排水されているのか把握できていないケースもあります。管理会社による点検の範囲外になっていることもあるため確認しておくと安心です。

下記記事では雨漏り調査の方法をわかりやすくまとめていますので、参考にしてください。

雨漏り調査の方法とは?費用相場や失敗しない会社の選び方を解説

マンションの雨漏りは誰が修繕費用を負担する?

マンションの雨漏りは共用部が原因で発生することが多く、その場合は管理組合の費用負担で修理します。

専有部と間違えやすいですが、一般的には窓サッシ・玄関ドア・ベランダ・バルコニーも共用部です。ただし、専有部と共用部の線引きはマンションによって異なるため、管理規約で確認してください。

万が一、施工に問題があり雨漏りが生じている場合は、保証期間内であれば施工会社(分譲会社)の負担で修理してもらえます。

しかし雨漏りの原因が施工の不具合なのか、経年劣化なのか見極めるのが難しくトラブルになることも多いため、施工時の不具合が疑われる場合は第三者の専門家に調査してもらいましょう。

また「窓を開けっぱなしにして雨が室内に入り込んでいた」など、居住者に過失がある場合は自己負担です。下の階まで被害が及ぶと損害賠償も請求されるため、注意してください。

マンションの雨漏りの修繕費用

マンションの雨漏りの修繕費用は、小規模な工事だと数万円~、屋上防水を全面的に工事するなど大規模な場合は300万円以上かかることもあります。

工事内容別のおおよその相場は以下のとおりです。

・小規模なシーリング補修:3~10万円
・部分的な防水工事:5~30万円
・全面的な防水工事:100~300万円以上
・外壁のひび割れ補修:10~30万円
・雨漏りによる内装修理:5~30万円

マンションの雨漏りの修繕費用は、被害状況によって大きく異なるため、上記の金額はあくまでも目安として参考にしてください。

マンションの雨漏りで適用される保険

マンションの雨漏りでは、火災保険と施設賠償特約が適用になるケースがあります。どのような場合に保険が使えるのか見ていきましょう。

火災保険

火災保険が適用になるのは「台風や竜巻などの自然災害で建物が損傷したこと」が原因で雨漏りが生じたときです。ただし、被害の原因となった自然災害の補償が付いていることが前提になります。

補償されるのは、自然災害で直接的に被害を受けた外壁や窓ガラスなどの修理代と、雨漏りにより生じた損害です。

経年劣化が原因による雨漏りは、火災保険の対象ではありません。

施設賠償特約

施設賠償特約は管理組合で加入しているマンション総合保険の特約です。保険会社によってさまざまな名称があります。

施設賠償特約は、マンションの共用部分(屋上や外壁、共用配管など)の管理が不十分だったことが原因で雨漏りが生じ、他人の部屋などに損害を与えたときに対象になる保険です。

あくまでも被害に対する「法律上の損害賠償」を補償するものです。雨漏りの原因となった屋上や配管そのものの修理費用は対象にはなりませんが、雨漏りの被害に遭った部屋の内装や家財の損害に対しては、補償してもらえます。

マンションの雨漏りに関する分譲会社の保証は10年間

施工時の不具合が原因の雨漏りに限り、築10年以内であれば品確法に基づいた分譲会社のアフターサービスで、無償で修理してもらえます。

アフターサービスでは「構造耐力上主要な部分」や「雨水の浸入を防止する部分」が保証の対象です。具体的には、コンクリート躯体の亀裂や破損、屋上・バルコニー・外壁、またそれらの開口部などが該当します。

アフターサービスを受けるためには、期間が切れる前に雨漏りの原因や箇所を特定し、分譲会社に申し入れなければいけません。

しかし経年劣化と判断されることもあり、分譲会社の費用負担で修理してもらうハードルは高いため、原因調査と交渉に長けている調査会社に依頼することが大切です。

マンションの雨漏りは早急な対処が必要

マンションで雨漏りを発見したら、早急に管理会社に報告し対処してもらいましょう。

マンションの雨漏りに迅速な対処が求められる理由は以下3つです。

・マンションの強度が低下する
・カビが発生して健康被害がでる
・修繕費用と損害賠償の金額がかさむ

順に詳しく解説します。

マンションの強度が低下する

雨漏りはマンションの強度を低下させる原因のひとつです。

雨漏りによりコンクリートの内部に雨水が浸入すると、本来アルカリ性のコンクリートが中性化して、内部にある鉄筋がさびます。

鉄筋はさびると体積が増えるため、周りのコンクリートが圧迫されてひび割れたり剥がれたり(爆裂という)して、強度が低下するのです。

爆裂により強度が低下すると、マンションの寿命にも大きく影響します。発見・対処が遅れるほど爆裂のリスクが高まるため、迅速な対応が不可欠です。

カビが発生して健康被害がでる

雨漏りは建物だけでなく、居住者の健康被害のリスクもあります。

室内の壁や天井のクロスが雨漏りで濡れると、カビが生じやすくなるためです。

カビが増殖すると室内で漂うカビの胞子が増え、感染症やアレルギー、シックハウス症候群などの健康障害が引き起こされるリスクが高まります。

カビは高温多湿な場所を好むため、早期対処でカビの増殖を防ぎましょう。

修繕費用と損害賠償の金額がかさむ

雨漏りすると、雨水はマンションの壁の中を毛細血管のように広がっていきます。目に見える部分の被害は少なくても、壁の中で被害が拡大している可能性があるのです。

対処が遅れるほど大がかりな工事が必要になり修理代がかさみます。内装や居住者の家財など雨漏りによる被害も大きくなり、損害賠償の範囲も広がるため迅速に対処しましょう。

壁や天井にシミができていたりかび臭さを感じるようになったりした際は、雨水が滴ってきていなくても雨漏りしている危険性があるため、放置せずに管理会社や管理組合に相談してください。

マンションの雨漏り調査は第三者の機関に依頼しよう

マンションの雨漏りは共用部が原因となることが多いです。被害拡大を防ぐ応急処置ができたら管理会社へ連絡しましょう。

費用の負担は雨漏りの原因によって異なり、火災保険や施設賠償特約が使えるケースもあります。築10年以内のマンションで、雨漏りの原因が施工時の不具合だった場合は、分譲会社の負担で修理が可能です。

雨漏りはマンションの寿命を短くするだけでなく、居住者の健康にも悪影響を与えます。また対処が遅れるほど修理費用や損害賠償も高額になるため、早期発見し対処することが大切です。

マンションの雨漏りは、経年劣化なのか施工時の不具合なのか原因の特定が難しく、トラブルになるケースも少なくありません。信頼できる第三者の機関に調査を依頼して解決を目指しましょう。

さくら事務所では、建築士などの専門家による客観的な雨漏り調査が可能です。施工会社との協議や折衝のサポートもおこなっています。
アドバイザーやセカンドオピニオンとして利用することもできるため、施工時の不具合が疑われる場合もお気軽にご相談ください。

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三木 幸一郎
監修者

三木 幸一郎

明治大学政治経済学部卒業後、ゼネコン→不動産仲介業・建築業経営を経て→鉄鋼系エンジニアリング会社→マンション管理会社フロント(管理部次長)→さくら事務所

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