何が起きているの?
マンションのメーターボックスから室内に配管が貫通する部分で隙間が見られます。メーターボックスとは、水道メーターや電気メーターが格納されている場所で、共用廊下に面して位置し、ここから配管・配線が室内に入ってきます。各住戸のメーターが格納されているとはいえ、ここは共用部分に該当します。写真はスプリンクラー用配管が壁を貫通している部分です。
なぜ不具合?
耐火もしくは準耐火建築物は、その規模により建物を一定の面積ごとに区画することが求められます(防火区画)。これは、火災発生時に火炎が一気に建物に燃え広がるのを防ぎ、安全に避難できることを目的とするものです。従って、区画する壁や床は容易に燃えない耐火構造となっており、この区画の壁や床を配管などが貫通する場合も容易に燃えない処理がなされなければなりません。
耐火パテで穴埋めがなされていても、そこに隙間があっては、十分な耐火処理とはいえません。
原因は?
基本的にパテ埋め処理は、現場作業員の手作業によるもののため、ほぼ施工不良と考えられます。
放置するとどうなるの?
防火区画に該当する壁や床は、火炎が燃え広がるのを防ぐ目的があるので、隙間があれば当然そこから火炎が放出してしまいます。
住民はどんな観察をすると見つけられる?
メーターボックスは共用部分ではありますが通常施錠されていないので居住者が開けて中を確認することは可能。しかし、隙間があることが果たしてよいのか悪いのか、建築に精通していないと判断に迷うこともあるでしょう。
早期に点検または不具合を発見するメリットは?
もしもの災害に備え、被害を最小限に抑えるために修繕は早いに越したことはありません。また、施工不良による不具合は基本的に売主や施工会社側にて修繕がなされる場合が多く、特に2年以内のアフターサービス期間内であれば、無償で修繕に応じてもらえるケースが多いでしょう。