マンションの寿命を左右する!塗膜防水の剥がれ

屋上防水の不具合事例1 屋上防水の不具合事例2

ウレタン塗膜防水の剥がれ

屋上のパラペット(50cm程度の立ち上がり)や庇の上面のウレタン塗膜防水が剥がれています。

表面に無数にひび割れが入っているようなら塗膜面が躯体から浮き上がっていると考えられ、剥がれる前兆です。

紫外線の影響などによる経年劣化はもちろんですが、施工時の気象条件や下地の状態が、仕上がりと耐久性に大きく左右します。

基本的に、気温が著しく低い場合や、強風、雨、雪などの天候時には塗膜材の硬化に影響を及ぼすので施工を中止します。

また下地に突起物があったり、粗骨材が表面に現れて凹凸があるなど、下地表面が均一でなかったりすると、塗膜材が剥がれやすくなります。

コンクリート内部の鉄筋の錆びにも繋がる

剥がれた部分に雨水が浸透し、下階への漏水や、コンクリート内部の鉄筋が錆びることもあります。

内部に浸透した水は、真下に落ちるとは限らず、コンクリート内部を毛細にように浸透していくため、いったん漏水になると、原因を追究するのが非常に困難であるとともに、その補修も難を要します。

また、鉄筋の錆びは、コンクリート躯体を破壊していき、コンクリートの劣化(中性化)を促進させます。

塗膜防水が使用される箇所は、バルコニーや共用廊下などの排水溝、庇などの上面などが一般的です。

広い範囲で使う屋上面などは、通常居住者が出入りする場所ではないので、管理会社の定期的な検査が望まれます。

上述のように、いったん漏水すると下階に被害が及ぶだけでなく、漏水箇所を特定することが困難であるとともに、その補修にもコストがかかります。

完全に剥がれてしまう前に、塗膜の塗り替えをしておくことが望ましいでしょう。

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