マンションの外壁タイルの浮き・剥離

外壁タイル浮き事例 外壁タイル浮き事例

マンションの外壁タイルの浮きは音でわかる

見た目には何の変化もない外壁タイル。

しかし、テープが貼られた部分のタイルは、コンクリート表面に塗られた接着下地に密着しておらず、「浮いている」状態。

「打診棒」という専用の点検器具でタイル表面を撫でると、テープが貼られていない健全なタイルは「ガラガラ」と低い音が鳴るのに対し、テープが貼られた不具合部のタイルは「カラカラ」と乾いた音が鳴ります。

これは、テープの部分のタイルが浮いている証拠です。

「建設時の施工不良」です。

問題なく施工されたのに勝手に浮き上がってきたというわけではありません。

タイルは太陽光を直接浴びるので、見た目にはわからなくても結構伸び縮み(伸縮)します。ですから、伸縮してもコンクリート躯体から剥がれ落ないよう、しっかりと「接着下地」と呼ばれる材料でくっつけておかなくてはいけません。

さくら事務所では、浮きが生じているタイルの多くが、この下地材の材料や塗り方、施工監理方法に問題があったことを突き止めています。

外壁タイルはこのまま放置しておくと、突如として剥がれ落ちることがあります。

過去にも分譲マンションの外壁タイルが落下し、マンション居住者や通行人が怪我をしたり、近隣建物を破損させたケースがあります。

建物の管理者は管理組合ですから、管理組合が居住者に補償を求められたり管理責任を問われます。

そうなれば、剥がれ落ちた部分のタイル修繕費用はもちろんのこと、被害者への補償、折衝に関わる費用、再発防止に向け他部分のタイル検査・補修費用など、想定外の金銭負担が発生する可能性があります。

また、被害者を生み出してしまえば、管理組合は折衝に時間を割かなくてはいけませんし、近隣にもトラブルが知れ渡りマンションのイメージを損なう恐れも否定できません。

住民が見つけたときには、かなり症状は進行しています

タイルは硬い素材ですから、それそのものが膨れ上がったり変色したりすることがなく、徐々に状況が悪化していることを把握できません。

住民がタイル不具合を把握できるのは、かなり症状が進み「タイルとタイルの間にある目地が割れてきた」「複数枚のタイルが面で剥がれかけてきた」などの症状が見られたときが多いようです。

建設時の施工不良を原因とするタイル不具合は、築後数年内に浮きが悪化し、剥落した事例があります。

住民の目だけでは症状が進んでからしか気づけないことが多い事象のため、いつタイル落下による加害者または被害者になるかがわかりません。

ですから、早期に点検しておくことで、不具合があれば事故発生を未然に防げ、不具合が見られなければ、安心して、自信を持って住み続けることができます。

精神的・金銭的負担の両面から考えても、外壁タイルの不具合は「見つかる前に、点検で見つける」のがベストです。

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