マンションで下階に水漏れ!関係を悪化させない「お詫び」の方法を解説

マンションでは、下の階への水漏れは珍しいことではありません。しかし、実際に水漏れしてしまうと「どうお詫びしたらよいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。大きな被害を及ぼしている可能性もあるため、慎重になるのも当然です。

対応次第では、良好な関係が崩れてしまう恐れもあります。賠償責任をはたすのはもちろん、誠意をもってお詫びすることが、関係悪化を防ぐためには欠かせません。

そこで本記事では、下の階に水漏れした際の、お詫びのタイミングやお詫びの品の選び方など、詳しく紹介します。非常識と思われないお詫びの方法を習得して、お役立てください。

いつお詫びする?下の階への水漏れ対処手順

下の階の住民へお詫びするのは「止水栓を閉めたあと」と「対応方針が決定したあと」の2回です。水漏れ発見後の対処手順に沿って、詳細をみていきましょう。

水漏れ対処手順

(1)止水栓を閉める

(2)下の階の住民に現状説明とお詫びをする

(3)管理会社および各業者へ連絡する

(4)保険会社へ連絡する

(5)下の階の住民へお詫びに伺う

(1)止水栓を閉める

水漏れを発見したら、まず水を止めるための処置をおこないます。原因不明の水漏れの場合は、止水栓を閉めて、自室の専有部分への水の供給を止めましょう。一般的に、止水栓は、玄関横の共用廊下にある、パイプシャフト内に配置されています。

同時に、家財が水に濡れないように、バケツなどで水を受けたり、タオルやシートで保護したりと、応急処置をおこないましょう。

(2)下の階の住民に現状説明とお詫びをする

下の階の住民を訪問して、水漏れの事実を報告し被害状況を確認します。被害がある場合は、謝罪してください。止水栓を閉めるなど、水を止める処置をしたときは、その旨報告し、対処している姿勢をみせましょう。

管理会社に連絡するなど、今後の対応を説明し、修理日程や対応方法について決定後、改めて報告することを伝えます。

(3)管理会社および各業者へ連絡する

関係先への連絡は、管理会社が第一優先です。先に水道修理業者へ連絡しないように注意してください。管理会社に連絡すると、修理依頼先や今後の対応について説明されるはずです。管理会社の指示に従い、修理を依頼しましょう。修理の日程や対応方針が決まったら、下の階の住人へ報告します。

また、電化製品が濡れた可能性があるときは、電気業者にも連絡しましょう。家電や電気設備が濡れてしまうと、漏電の危険性があるため、専門業者に点検してもらうと安心です。

(4)保険会社へ連絡する

個人賠償責任保険や火災保険などに付帯している水漏れ補償に加入している場合は、保険会社に連絡しましょう。

個人賠償責任保険では、下の部屋の内装修理、家財の買い替え費用またはクリーニング代が保証されます。個人賠償責任保険は、自動車保険・クレジットカード・管理組合が加入するマンション総合保険に付帯しているケースもあるので、確認しておきましょう。

水漏れ補償では、水漏れの原因によりますが、自室の内装や家財に対する保険金を受け取れるかもしれません。水漏れの原因が判明したら、保険適用になるか調べてみましょう。

(5)下の階の住民へお詫びに伺う

水漏れ発生の翌日から翌々日までに、お詫びの品を持参し、改めて謝罪に伺います。深夜・早朝・食事どきは避けて訪問しましょう。

このとき、修理の経過や今後の方針についても報告してください。個人賠償責任保険に加入している場合は、保険で賠償できることも伝えておくと、安心してもらえるでしょう。

一方的に話すのではなく「新たな被害がでていないか」「不安なことはないか」を確認するなど、相手に寄り添う姿勢も大切です。

マンションの水漏れでお詫びするときのマナー

ここでは、下の階へお詫びに伺うときのマナーを解説します。お詫びの品の金額相場や選び方、訪問する際のお作法について、確認しておきましょう。

お詫びの品の金額相場と選び方

お詫びの品の金額相場は、3,000~5,000円程度です。菓子折りを持参する方が多いですが、好みが分からないときは商品券でもかまいません。

菓子折りを持参する場合は、一週間程度日持ちするものがおすすめです。熨斗は必要ありません。家族構成がわかれば、世帯人数や年齢を考慮して選びましょう。

また、菓子折りの重さは、謝罪内容の重さを表すともいわれています。お詫びの品の定番でもある羊羹のような、ずっしり重たいお菓子なら「水漏れ被害を重く受け止めている」ことを伝えられるでしょう。

お詫びの品を持参するときのお作法

お詫びに訪問するときは、だらしない印象を与えるラフな服装は避けましょう。華美な装飾品も、謝罪の場にはふさわしくありません。

お詫びの品を渡すタイミングは、謝罪のあとです。必ず、外袋からだして渡してください。お詫びの品を受け取るということは「謝罪を受け入れた」ことを意味します。まずは、誠意をもって謝罪しましょう。

万が一、受け取りを断られた場合は、持ち帰ってください。強引に渡してしまうと「無理に謝罪を受け入れさせた」ことにもなりかねません。

マンションで下の階に水漏れするおもな原因は3つ

マンションの水漏れは、防げないものもありますが、注意することで予防できるものもあります。今後、水漏れを繰り返さないために、マンションでよくある水漏れの原因を把握しておきましょう。

洗濯機のホース外れ

下の階に水漏れするケースが多いのが、洗濯機のホース外れです。洗濯ホースと排水口がうまく接続されていないと、排水時に大量の水がホースから床に溢れます。短時間で水浸しになるため、外出時の洗濯機の利用は控えたほうがよいでしょう。

洗濯機の振動で接続部分が緩む可能性もあります。今までホースが外れたことがなかったとしても、定期的に確認し、水漏れを防止しましょう。

防水されていない場所での水の使用

防水されていない場所での水の使用は注意が必要です。たとえば、防水されていない場所を水洗いすると、下の階へ水が漏れる可能性があります。掃除は水ぶき程度にしておきましょう。

また、水をこぼしてしまった場合も、下の階への水漏れに繋がります。掃除や植物への水やりの際に、バケツで水を運ぶなど、大量の水を扱うときは充分気を付け、こぼしてしまったらすぐに拭きましょう。

給排水管の不具合

配管の不具合による水漏れも少なくありません。壁内の見えない部分で水が漏れているケースもありますが、キッチンのシンク下や洗面台の下の配管など、目視できる部分に異常があることも。水漏れを早期発見するためにも、配管周りにモノを置きすぎず、確認しやすい状況に整理しておきましょう。

また、排水詰まりが原因で生じる水漏れもあります。キッチン・浴室・洗面台などの排水口やバルコニーの排水溝などは定期的に清掃し、スムーズに排水できるようにしておくことが大切です。

マンションの水漏れは建物調査で未然に防ごう

マンションで下の階に水漏れすると、大きな損害を与えることになります。大切にしていた家財が被害にあうと、精神的なダメージも大きいでしょう。今後、関係を悪化させず、お互いに気持ちよく暮らしていくために、誠心誠意お詫びして、水漏れを繰り返さないように心掛けましょう。

マンションの水漏れは、専有部分だけでなく、共用部で生じるケースもあります。その多くが、事前に調査していれば防げる水漏れです。さくら事務所では、マンションの瑕疵欠陥調査や劣化診断をおこなっており、多くの水漏れに対応してきました。

さくら事務所のインスペクターは、マンションに精通している建築士などの専門家です。マンションの管理会社や施工会社とは利害関係のない第三者の立場で、公正に調査します。実際に、水漏れの原因が新築時の施工不良だった事例もありました。

マンションのアフターサービスの期限内に不具合が見つかれば、売主の保証により無料で修繕できるかもしれません。マンションの劣化を診断して水漏れを予防したい、アフターサービスを活用したいという方は、お気軽にご相談ください。

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