水漏れは対処が遅れるほど被害が拡大します。とくにマンションの場合、対処が遅れると下の階まで水が漏れて、損害賠償を請求されることも。水漏れに素早く対処するには、早期発見が重要ですが、普段目につきにくい配管から水が漏れていると、すぐ気がつかないケースも少なくありません。
そこで役立つのが水漏れセンサーです。本記事では、水漏れセンサーの種類や設置場所、作動時の対処法について解説します。安価で気軽に購入できる商品もあるので、水漏れ被害を最小限に抑えるために対策しておきたい方は、ぜひ参考にしてください。
水漏れセンサーとは?
水漏れセンサーとは、本体に付属しているセンサー部分が水に反応したときに、警報音などで水が漏れていることを知らせるものです。
すぐに水漏れに気がつけるため、見えないところで被害が拡大するのを防げます。マンション内で漏水事故が増えている場合など、備えのひとつとして役立つでしょう。
自分で設置していなくても、あらかじめ水漏れセンサーが備わっているマンションもあります。聞き慣れない警報音が鳴っているときは、水漏れセンサーの音かもしれません。
水漏れセンサーの種類
水漏れセンサーは「警備会社連動型」「電池式簡易型」の2種類に分けられます。それぞれの特徴をみていきましょう。
警備会社連動型
警備会社連動型は、センサーが水漏れを検知したら、インターホンなどの受信機から警告音が鳴り、同時に警備会社に発報する仕組みになっています。
警備会社などが、おこなっているサービスのひとつで、導入するには、数万〜数十万円以上かかるのが一般的です。おもにマンションで一括導入されています。
電池式簡易型
電池式簡易型は、個人でも気軽に設置できる水漏れセンサーです。インターネットなどで1,000円台〜購入でき、設置工事も必要ありません。
警報音で水漏れを知らせるだけでなく、本体が光ったりスマートフォンに通知がきたりする商品もあります。種類が多いため、機能性や予算に合わせて選択可能です。
水漏れセンサーのおもな設置場所
水漏れセンサーのおもな設置場所は、以下のとおりです。
- 洗面化粧台下
- キッチンシンク下
- 物入れの床に点検口があるケース
電池式簡易型の水漏れセンサーを設置する場合は、上記の配管付近に配置すると効果的です。警備会社連動型の水漏れセンサーは、床下に埋まっていることもあります。
水漏れセンサー作動時の警報音の止め方・対処手順
実際に水漏れセンサーの大きな音を聞くと、焦ってしまうこともあるでしょう。ここでは冷静に対処するために、マンションで水漏れセンサーが作動したときの手順を解説します。
対処手順
(1)水漏れセンサーを止める
(2)水漏れの原因を確認する
(3)水漏れを止める
(4)センサーの水をふき取る
(5)下の階の居住者へ状況説明する
(6)管理会社に連絡する
(7)水道修理業者・電気業者・保険会社に連絡する
順番にみていきましょう。
(1)水漏れセンサーを止める
警備会社連動型は、インターホンにある警報音停止ボタンを押すと音が止まります。電池式簡易型は、水漏れセンサー本体のスイッチを切る、または、電池を取り外して音を止めましょう。
(2)水漏れの原因を確認する
インターホンで警報音を止めた場合、前述した水漏れセンサーの設置場所を参考に、水漏れの場所や原因を確認します。水漏れの事実を確認できたら、タオルやシートなどを活用し、被害が広がらないように処置しておきましょう。
(3)水漏れを止める
不注意など水漏れの原因が分かるときは、すぐに水を止めてふき取ります。原因が分からなければ、止水栓を閉めて室内への水の供給を止めてください。なお、止水栓を閉めると水漏れは止まりますが、自室の水も使えなくなります。
(4)センサーの水をふき取る
センサーの水をふき取り乾かしておきましょう。水漏れセンサーは、基本的に使い捨てではありません。しっかりセンサーの水分を取り除くことで、繰り返し使えます。
(5)下の階の居住者へ状況説明する
下の階の部屋に水漏れの事実を報告し、被害状況を確認します。水漏れセンサーがうまく検知していれば、下の階への水漏れを防げる可能性が高いです。しかし、あとから被害がでてくることもあるため、念のため水漏れがあったことは伝えておきましょう。
(6)管理会社に連絡する
原因不明または修理が必要な水漏れの場合は、管理会社に連絡します。マンションによっては、修理業者を指定されることもあるため、独断で修理業者を決めて依頼する前に、必ず管理会社に連絡しましょう。
(7)水道修理業者・電気業者・保険会社に連絡する
管理会社の指示にしたがって、水道修理業者に修理を依頼します。電化製品が水に濡れた場合、漏電している可能性もあるため、電気業者にも点検してもらうと安心です。
個人賠償責任保険や水濡れ特約などで、漏水被害が対象になるかもしれません。保険会社に確認しておきましょう。
水漏れセンサー使用時の3つの注意点
便利な水漏れセンサーですが以下3つの使用上の注意点があります。
- 誤作動するときもある
- すべての水漏れを検知できるわけではない
- 電池交換を忘れると作動しない
詳しくみていきましょう。
(1)誤作動するときもある
水漏れセンサーは、接触不良などにより誤作動するときがあります。水が漏れていないのに警報音が鳴る、水漏れしているのに警報音が鳴らないなど、正しく作動しないことがあるかもしれません。
(2)すべての水漏れを検知できるわけではない
水漏れセンサーを設置したからといって、すべての水漏れを検知できるわけではありません。ひとつのセンサーで水を検知できる範囲は限られています。水漏れセンサーを過信せずに、定期的に水が漏れていないか、配管周りを確認しましょう。
(3)電池交換を忘れると作動しない
電池式簡易型の場合、電池が切れていると当然作動しません。電池交換を忘れがちな方は、警報音などで電池切れを知らせる機能が備わっている水漏れセンサーを選ぶとよいでしょう。
水漏れセンサーの設置と漏水防止対策で二重の備えを
水漏れセンサーを設置したからといって、100%被害を食い止められるわけではありません。しかし、大きな漏水事故を起こして、多額の賠償を求められることを考えると、水漏れセンサーを設置する価値はあるでしょう。
また、水漏れセンサーの設置だけでなく、そもそも水漏れさせないため経年に応じたマンションの維持管理も重要です。さくら事務所では、施工会社や管理会社と利害関係のない第三者として、マンションの劣化を診断するサービスをおこなっています。診断結果によっては、計画されていた大規模修繕工事時期を伸長することも可能です。
豊富な知識と経験から得たノウハウをもとに調査し、数十年後にあなたのマンションがどのような姿になっているか、アドバイスできます。。どこは修繕すべきで、どこは先延ばししても良いかと言った、修繕の優先度や実施時期のアドバイスもお任せください。
劣化診断の他に、築10年までのマンションであれば、アフターサービスを活用する道も残されています。さくら事務所ではマンションの共用部チェックも実施していますので、アフターサービスの範囲内で不具合が見つかれば、管理組合の費用負担なしで修繕できるかもしれません。
定期的な建物調査で防げる水漏れもあります。水漏れを防止する建物調査と発生後に被害を最小限におさえる水漏れセンサーで二重に備えておきましょう。