第1話に続き、マンション管理組合の仕事について、わかりやすく解説していきます。今回の「あなたが理事になったら」第2話は、管理組合の仕事についてご紹介します。
まず、みなさんが管理組合の業務について思い浮かべる仕事は何でしょうか。たとえば日々の管理員さんが行うような清掃業務、マンションのメンテナンス、皆さんから集めた管理費の管理などが真っ先に思い浮かぶと思います。しかし、まだまだマンション管理組合には様々な業務がたくさんありますので、見ていきましょう。
マンション管理の基幹事務
マンション管理業務については、以下のように3つの基幹事務があります。
- 維持管理
- 会計
- 出納
この会計・維持管理・出納について、それぞれの業務内容について見ていきます。
マンション管理の維持管理
マンション管理の維持管理については、以下のような内容があります。
- 建物の修繕やメンテナンス、清掃など
- 管理員業務(駐車場・駐輪場等の利用受付などの窓口業務)
- 植栽の手入れなど
- 立体駐車場の点検・修理
- エレベーターなどの設備
- 維持管理のもっとも大きなイベントは、12~14年に一度行う大規模修繕工事
やはりマンション管理の維持管理で一番労力が掛かるものは最後に挙げた12~14年周期で行う大規模修繕工事になります。大規模修繕工事以外のマンションの維持管理業務については、日々管理会社に委託した管理員さんを中心に行うような作業が主になります。
マンション管理組合の会計と出納について
つぎに似たようなものに捉えられがちな会計と出納についてはどんな違いがあるのでしょうか。
まずマンション管理組合の会計については、マンション管理組合全体の予算収支やその管理、またマンション管理組合の決算などに関するものになります。
一方でマンション管理組合の出納とは、日々の支払い・徴収・領収など、日々のお金の出し入れに関することを指す用語になります。
マンション管理組合の業務、管理会社に委託出来るもの・出来ないもの、その他
マンション管理組合の業務については、その業務内容によって管理会社に委託できるもの、またはそうでないものが存在します。ここではその内容について考えます。
まず管理会社に委託出来る業務としては、
- 会計業務
- 出納業務
- 管理員業務
- 清掃業務
上記、マンション管理組合の仕事のなかで、管理会社に委託できる業務は、基本的に「目に見える」業務がほとんどになります。
一方で管理会社に委託できないマンション管理組合の業務としては
- 事業計画の決定
- 総会議案の決定
- 理事会・総会への出席
- 予算の執行
この4つのマンション管理組合の業務については、事業計画の決定や予算の執行など、その特徴からマンション管理組合で決定するものが多く、マンション管理にとって非常に重要な業務が多いことがわかります。
またそれ以外にも、マンション管理組合の業務については、管理会社と共同で行える業務も存在します。
- 管理運営業務
- 長期修繕計画書の作成
上記業務については、マンション管理組合と管理会社は手を携えて実施することが可能です。
今回ここまでご紹介したマンション管理組合の仕事について、ある程度やるべき業務のイメージをすることは出来たでしょうか。最終的にマンションの資産価値を高めていくための実務的な団体がマンション管理組合です。
多くの「目に見える」業務はマンション管理会社に委託することも可能ですが、マンション管理組合が主導権を持って自分たちが住むマンションの管理を率先して考えることが、結果的にマンションの資産価値を高めることにつながっていきます。
次回は、第3話 理事会について解説いたします。