マンションのコンクリートのひび割れ(地上部分)

コンクリートひび割れ事例 コンクリートひび割れ事例

ひび割れはコンクリートの宿命?

ひび割れはコンクリートの宿命と言われますが、さりとて程度によっては「やむなし」と片付けてしまえるものでもありません。

ひび割れの調査は、右写真のようなクラックスケールを用いて、0.3㎜以上のものについて補修を要するものと判断します。

ひび割れの原因は、大きく分けて外的要因と施工上の不備によるものとに大別できます。

外的要因の代表的なものとしては地震の揺れ。

施工上の不備によるものとしては、水セメント比(セメントに対する水の割合)が高すぎたり、打設後硬化するまでの養生が適正でなかった場合に、発生します。

コンクリートは硬化してからも、内部に多くの水分を含んでいて、長い年月を経て水分を蒸発していきます。

その過程で乾燥収縮により、ヘアクラックと呼ばれる極小さなひび割れが発生するのですが、水セメント比が高いと収縮が大きく、その分ひび割れも大きくなります。

また、打設時の気象状況に適した養生がなされないと、硬化(水和反応)が急激に進むなど、ひび割れの原因となります。

外気にさらされる部分では、ひび割れから雨水が浸透し、エフロレッセンス(コンクリート内部のセメント成分が水分とともに表面に現れる現象)や、内部鉄筋の錆びを誘発します。

内部鉄筋の錆びが進行すると体積が増加するとともに周りのコンクリートを破壊していきます(鉄筋の爆裂)。

外気にさらされない内部においても、鉄筋が空気に触れることで錆びが進行していきます。

内部鉄筋が錆びると、引っ張り強度は著しく低下し、コンクリートも破損によって圧縮強度は低下します。

廊下の壁など、目の届く範囲であれば日常生活において比較的見つけやすいのですが、屋上や地下ピットなど、普段住民が立ち入らない部分にも多く発生し、こうした部分は管理会社などによる定期的な検査が望まれます。

小さなうちは、エポキシ樹脂などによる比較的容易な補修が可能ですが、内部まで進行している場合は表面全体を修復する必要もあり、当然コストもかかってきます。

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