排水管高圧洗浄のやり方を解説!自分でやると危険な理由や実施時の注意点とは

排水管は、時間が経つとゴミや油汚れが溜まってしまうもの。

蓄積したままでは、排水不良や漏水につながることも…。

そうなる前に、定期的な排水管高圧洗浄がおすすめです!

本記事では、排水管高圧洗浄を自分でやると危険な理由、業者による排水管高圧洗浄のやり方や注意点を詳しくご紹介していきます!

排水管高圧洗浄を自分のやり方でやるのは危険

マンション専有部の所有者の中には「排水管の高圧洗浄くらい独自でやってもいいのでは?」と思う方もおられるかもしれませんが、以下のようなリスクがあるため管理組合を通して専門業者に依頼したほうが安心・確実です。

・汚水が逆流することがある

・排水管が破損し水漏れする危険性がある

・汚れを落としきれない

・事故が起こる可能性がある

そもそも「排水管高圧洗浄がなぜ必要なの?」「依頼するといくらかかる?」「当日の流れや手順は?」といった疑問については、下記記事で解説していますのでご覧ください!

排水管高圧洗浄の必要性とは?料金相場と安くする方法、当日の流れを解説

(1)汚水が逆流することがある

排水管の詰まりがひどい場合、高圧洗浄の勢いに乗じて汚水が逆流してくる恐れがあります。

汚水には雑菌が繁殖しており、専門家以外の人が触れることは衛生的によくありません。

また、排水管が詰まっていて水の流れが悪い時にはワイヤーブラシで掃除をおこなうのですが、使い方によっては管内を傷付けてしまうことがあります。破損防止の観点でも、経験豊富なプロに任せたほうが安心です。

(2)排水管が破損し水漏れする危険性がある

排水管の劣化が激しい状態で高圧洗浄をおこなうと、管内が破損して水漏れにつながる危険性があります。

水漏れして自室以外に被害が出れば損害賠償となるケースも!?

排水管の破損を防ぐためには高圧洗浄前に状態を正しく確認する必要があるのですが、外見だけでは判断が難しいこともあります。そこで、専門家によるチェックが重要になるのです!

(3)汚れを落としきれない

排水管は直線な形状ばかりではなく、曲がっている箇所があるなど複雑になっています。

場所によっては、高圧洗浄機が入りづらく汚れが取れにくいことも。

一方で、排水管はトイレ・キッチン・お風呂場まで最終的には1つの管でつながっています。部分的に汚れをきれいにできたとしても、一箇所の汚れが原因となり排水トラブルが起きてしまうのです。

排水管高圧洗浄は、すべての排水管を徹底的にきれいにしないと、効果を発揮できません。コツや時間がかかる作業となるため、プロの経験と技術が必要です。

(4)事故がおこる可能性がある

高圧洗浄機は、扱いに慣れていないと破損やケガを生むこともあります。

例えば、ホースの先端を正しく握っていない状態で電源を入れてしまいホースが暴れてしまったり、排水口にホースが緩く差し込まれたことで水が漏れたり飛び散ってしまったり…。大きな誤作動が発生すれば、周辺の外壁を傷付けてしまったり、ゲガをしてしまう可能性もあります。

事故を防ぐ目的でも、排水管高圧洗浄は自分では行わず専門家に依頼するほうがおすすめです。

業者による排水管高圧洗浄のやり方

排水管高圧洗浄は、外の排水桝(ます)と室内の排水口の両方からおこないます。

専門業者は、高圧洗浄機を使って管内に付いた汚れを隈なく洗浄します。

排水管高圧洗浄をやる場所

プランジャーポンプで水を加圧し、特殊ノズルで後方に高圧水を逆噴射させ、汚れを洗い流していきます。高圧洗浄をやる場所は、専有部と共用部に分かれており、詳細は以下のとおりです。

専有部:キッチン、風呂場、洗面台、洗濯機の排水口につながる専有部枝管

共用部:各住戸が合流する立て管、立て管が集合する横引管、建物外のマンホールにつながる横主管

【当日の流れ】排水管高圧洗浄のやり方

大まかな作業は、以下の流れでおこなわれます。

①各住戸の詰まりの状況などをチェックする

②各水場の排水口から高圧洗浄ノズルを挿入して洗浄する

③排水テストを実施(シンクに水を溜めて一気に流し、漏水等がないかチェックする)

④居住者に目視等で最終チェックしてもらう

高圧洗浄の順番は、漏水防止のため下階から上階に向かっておこなうことが基本です。

作業時間は、1部屋10~15分ほどで完了することが多いですが、排水管の状況により長くなる場合もあります。

また、業者が室内へ入って作業をする必要があるため、事前に居住者が作業場所を確保したり部屋や排水口をある程度掃除するなどの準備をすれば高圧洗浄作業がよりスムーズに進むでしょう。

排水管高圧洗浄の費用相場

マンションの排水管高圧洗浄は規模に応じて相場が変わりますが、1戸あたり約3,000~4,000円です。

戸数が多くても作業工程や手間に大きな差は生じないため、世帯数が多いほど料金は割安になります。

一方で、排水管の形状が特殊だったり通常より長かったりすると相場よりも高額になることも。

また、夜間や休日に作業をおこなう場合には追加料金が発生するので注意しましょう。

【管理組合向け】排水管高圧洗浄に向けてやるべきこと

排水管高圧洗浄をおこなうのは専門業者ですが、相場に見合った料金で効率的に実施するためには、管理組合が主体となり準備を進めていきましょう。排水管高圧洗浄に向けてやるべきことは以下3つです

・専門業者へ見積り依頼

・実施日の決定

・居住者への周知・協力依頼

専門業者へ見積り依頼

基本的には管理会社が選定した業者に見積りを依頼することになります。

その際、相場よりも高額なら流されずに業者の見直しを検討してみましょう。

排水管高圧洗浄をおこなう業者の中には、突然訪問して来て無料点検や格安費用を提示してくるケースもありますが、不要な高圧洗浄を勧められたり、追加料金が発生して高額な費用を請求されトラブルになることも…。

価格の安さだけでなく、見積額の内訳詳細やアフターフォローの内容など総合的に判断し、信頼できる会社を選定しましょう。

実施日の決定

排水管高圧洗浄は居住者の立会いが必要です。急なスケジュールを組んでしまうと、立ち会えない居住者が増えるため、少なくとも1か月以上の余裕を持って実施日を設定しましょう。

居住者の生活を考え、立ち会いやすい曜日や時間帯にすることも大切です。ただし、土日は追加料金が発生するケースもあるため、費用対効果を考え実施日を決定してください。

居住者への周知・協力依頼

排水管高圧洗浄を実施するには、居住者の協力が不可欠です。排水管高圧洗浄の詳細が決まったら、なるべく早く掲示板などで「いつまでに・何をする必要があるのか」を周知徹底し、実施率を高めましょう。

具体的には、以下のような協力依頼をする必要があります。

・作業当日に在宅してもらう

・水場や玄関など業者が入る場所の整理整頓

・最低限の排水口の清掃

排水管高圧洗浄をやるときの3つの注意点

マンションの排水管高圧洗浄を実施する際、特に注意してほしいことが3つあります。

後のトラブルを防ぐためにあらかじめ確認しておきましょう!

・居住者は個人で業者を手配しない

・居住者の立ち入り許可がなければ作業できない

・1~2年に一度は業者に排水管高圧洗浄を依頼する

(1)居住者は個人で業者を手配しない

マンションの排水管高圧洗浄は管理組合が主体となっておこないます。

もしも排水管に不具合がみられる場合には、まずは管理組合に相談してみてください。

個人の独断で業者に依頼・発注してしまうと、費用が自己負担になるかもしれませんよ!

(2)居住者の立ち入り許可がなければ作業できない

「マンション管理のため」だとしても、居住者の許可なく専有部に入室して、作業することはできません。しかし、プライベートな部屋に業者が入ることに対して抵抗を感じたり、スケジュールを調整できず立ち会えなかったりする方もいるでしょう。

業者はこれまで何度も作業をしているプロです。本人不在の場合も、管理会社による立会いを許可してもらえれば、入室できます。信頼して任せてもらえるように、協力を依頼しましょう。

(3)1~2年に一度は業者に排水管高圧洗浄を依頼する

マンションの排水管高圧洗浄の頻度は、法律などによって定まっている訳ではありません。

しかし、ビル管理法(多数の者が利用する特定建築物を安全かつ衛生的に管理するための法律)の観点から1~2年に一度は実施したほうがよいとされています。

洗浄作業をしないで3年以上放置していると、排水管の中にゴミや汚水が溜ってしまい排水管の劣化や水漏れが発生するかもしれません。

そうなる前に、定期的に点検・洗浄をおこなうことが大切なのです!

やり方が難しい排水管高圧洗浄は専門業者に任せよう

排水管は時間が経つほど劣化しやすく、生活排水を流すため汚れやすくなっています。

反面、排水管を定期的に洗浄し清潔を保っておけば、マンション全体の資産価値の維持にもつながるのです。

注意点を抑えながら管理会社と連携し、より費用対効果の高い排水管高圧洗浄を実施しましょう!

もし、高圧洗浄をしても排水トラブルが改善しない場合には、排水管の劣化や施工不良などほかの原因が考えられます。さくら事務所ならマンションの給排水管をはじめ、建築・設備に精通する専任のコンサルタントが詳しく調査できますので、お気軽にご相談ください!

さくら事務所の劣化診断は、大規模修繕を控えたマンションにもおすすめです。劣化診断にとどまらず、修繕の優先順位をアドバイスさせていただくため、適切な工事を適切な時期に行うことができます。

管理会社や施工会社と利害関係のない第三者だからこそできるアドバイスもありますので、マンション管理にお悩みの方はぜひお問い合わせください。

[建物劣化診断]マンション大規模修繕工事に向けた第三者調査

お役立ちコラム 関連記事