人は見た目が9割、なんて言葉がありましたが、第一印象を左右するという意味では、マンションの見た目「外観」も大事なポイント。例えば購入希望者が内見するとき、マンションの外観が綺麗かどうかでその印象はだいぶ変わるでしょう。
日頃からきちんと清掃されたマンションであっても、通常の清掃では手の届かない外壁などが汚れていたらあまり印象がよくありません。また、汚れは放置しておくと建物の劣化の原因にもなります。
ほとんどのマンションでは、「あそこだけすぐ汚れてしまう」「いつも水たまりになってる」「何回直しても錆び汁がでてくる」そんな、いわば建物のウィークポイントがあります。それらは新築時に設計の配慮が足りなかったり、施工の不備(施工不良)によるものです。
それらの箇所は掃除しても、そのまま直しても、また同じように汚れてしまったり、放置しておくと劣化に繋がることがあります。
そこで、ちょっとした工夫でできる、綺麗を保つ大規模修繕工事の事例をご紹介します。
ちょっとした工夫で汚れなくする
こちらは共用廊下の手すりの外側の汚れ。原因は手すりの天端(手すりの上の平なところ)の傾斜です。外壁側に傾斜がついているため、天端の汚れが外側に流れてしまっているのです。
修繕工事の際に、傾斜を内廊下側に直してもらいました。内廊下側なら掃除もしやすく、外側に流れて外壁を汚すことがありません。また、天端の仕上げですが、パターンのついたザラザラの仕上げでしたが、平滑な仕上げにしてもらいました。
日頃の清掃ですーっと雑巾でぬぐってもらえば、天端にたまった埃は綺麗にふき取れます。凹凸のある仕上げのものは埃がたまりやすく、雑巾では簡単にぬぐえません。天端に汚れがたまらなければ、雨に当たっても汚れが外壁に滴ることはありません。日頃のお手入れで十分です。
こちらはバルコニーです。バルコニーは外から見える場合が多いので、ここまで汚れていると下から見上げたときの印象があまりよくありませんね。原因は、凹凸にたまった汚れ。こちらも塗料の仕上げがザラザラしているため埃が流れずにたまってしまっているのです。この場合は、ウレタンの塗膜防水をお勧めしました。表面を平滑に、埃がたまらない仕様にすれば雨で流れますので、ここまで汚れることはありません。
こちらは、連結送水管の格納庫。
この箱、箱内部に水が入った際に、外に出るよう「水抜き穴」があるのですが、設置した際に勾配が逆についてしまっていました。箱の中に水が溜まってしまい、隙間から錆び汁が出てきてしまっています。
錆びを取るとともに、前に三か所、穴をあけてもらいます。これで水が中に溜まって錆び汁が出てしまうようなことはもうありません。予算に余裕があれば、ボックスごとステンレスものに変えてしまうという方法もあります。
大規模修繕工事前に、建物のウィークポイントをプロにチェックしてもらい、美観も保てるような大規模修繕工事の計画を立てられるといいですね。
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