「居住者間のマナーが約63%」マンショントラブルと解決事例

マンションの約78%で何らかのトラブル?

国土交通省の調べでは、約8割のマンションが何らかのトラブルを抱えている状況で、発生したトラブルは、居住者間のマナーをめぐるトラブルが63.4%と最も多く、次いで建物の不具合が36.8%、費用負担(その大部分は管理費等の滞納)が32.0%となっています(国交省 平成20年度マンション総合調査結果より)。

管理組合としては、できるだけ問題が発生しても慌てずに円滑に解決したいところです。そこで、解決や未然防止のヒントにしていただけるよう、よくあるトラブル事例とポイントについてQ&Aでご紹介いたします。

ペット飼育

Q:ペット飼育OKのマンションですが、ワニや蛇を飼育している人がいて恐怖を感じるのですが?

A:ペット飼育OKのマンションではペット飼育細則などで飼育可能なペットを詳細に定める必要があります。その場合に種別だけでなく数や大きさ、ならびに重量にも制限を設けるのが良いと思われます。(財)マンション管理センターがまとめた中高層共同住宅使用細則モデルなどを参考にすると良いでしょう。

Q:現在ペット飼育可能ですが、新たに飼育禁止の規約を設定する場合には飼育中のペットはどうなるの?

A:規約を設定・変更する場合には総会の特別決議を要するとされ、設定などにより特別な影響を受けるの者の承諾を要するという要件もあります。現在ペットを飼育している所有者がこの特別の影響をうける者に該当するかについては東京高裁の判断で当たらないとしたものがありますが、飼育中のペット一代限りの承認などの特例が必要でしょう。

騒音問題

Q:部屋の中で一日中モーターが回転するような音が聞こえ悩んでいます

A:機械室や受水槽のポンプやモーターが原因の可能性があります。管理会社や事業主に事情を伝え調査する必要があります。調査の結果、原因が特定できても改善が難しい場合もあり、騒音が緩和できるまでに時間がかかることもあります。

Q:車の音がうるさくて困っています。分譲会社に賠償を求められますか?

A:騒音は感じ方に個人差があり解決が難しいものです。建物の防音性能に問題がない時は分譲会社に対し責任追及できません。しかし、防音性能に問題があり我慢の限度(受忍限度)を超えるような室内の騒音がある場合は裁判例がありますので分譲会社に対し債務不履行や瑕疵担保責任、不法行為責任を問うことができるケースもあります。

建物や設備

Q:上階からの水漏れで困っています。家財が濡れて損害も受けていますが誰が責任を負うの?

A:発生原因や発生箇所によって責任を負う人が違います。原因は4つ考えられるでしょう。

【主な4つの原因】
1.新築工事の施工、2.リフォーム工事、3.老朽化、4.人為的なもの

1の場合は分譲会社、2の場合はリフォーム工事会社、3の場合は発生箇所により判断、4の場合は破損した該当者となります。また、発生箇所が専有部分の場合は所有者・居住者となり、共用部分の場合は管理組合の管轄ということになります。

トラブルに遭遇した場合の対応や、未然に防ぐための対策をしっかりと想定しておきましょう。

  • 分譲マンションよくある“こんなトラブル”はこちら 
    マンショントラブルや理事会運営のお悩み相談をご希望の方はこちら

お役立ちコラム 関連記事