設計監理方式ではマンションの大規模修繕工事の談合は防げない

マンションの大規模修繕工事について、近年話題になっている「談合」や「悪質コンサル」

国土交通省からの通達もありメディアでも多く取り上げられ、多くのマンション管理組合さまの知るところとなりました。

大規模修繕工事を前に危機感を持ってお問い合わせくださる方も多数いらっしゃいます。

ここで言う「談合」とは、本来なら依頼者である管理組合の利益を優先して適正に業務を行うべき設計コンサルが主導となって、見積りに参加する施工会社から受注予定の施工会社をあらかじめ決めておき、かたちだけの見積もり合わせを行い、受注した施工会社からバックマージンを受け取る仕組みです。

大規模修繕工事の談合の仕組み

巧みな手口から、談合の実態を明らかにすることは難しく、マンション管理組合は知らない間に10%~20%割高な工事代金を修繕積立金から支払ってしまいます。

今回は、大規模修繕工事の談合にあわないための施工会社選定方法を解説します。

大規模修繕工事の施工会社選定、その2つの方法

今現在、大規模修繕工事の施工会社選定の際に用いられている手法は、主にこの2パターンです。

①責任施工方式

②設計監理方式

それぞれの詳しいフローとそのメリットデメリットを解説します。

責任施工方式

管理組合が施工会社に大規模修繕工事の仕様の作成から施工、チェックまでがのすべてを任せる方式です。

施工会社にすべて任せることで第三者によるチェックがないため、客観性に欠ける部分があるため工事仕様や施工品質のチェックが疎かになるだけでなく、工事費用が割高になる恐れなどがありますが、管理組合との間に信頼関係が構築されていれば最も手間がかからずに工事を行うことができます。

管理組合とのコミュニケーションが良好で、業務が円滑に実施されている管理会社に工事のすべてを任せるケースなどは、この方式になります。

設計監理方式

設計(工事仕様の作成)や見積りの精査、施工監理(施工品質のチェック)を、実際の工事を行う施工会社とは別の管理会社や設計コンサルタントに依頼する方式です。

責任施工方式とは異なり、施工にあたり第三者が介在するため、施工品質や施工価格に客観性を持たせやすくなるというメリットがあります。

本来の施工費用の他に設計・監理業務を依頼する費用が必要になりますが、見積りの精査など業務の結果によりその費用を超えるコストダウン効果が得られることもあります。

設計監理方式なら談合は防げるのか?

設計監理方式は、あらかじめ管理会社や設計コンサルタントに決められた仕様をもとに、施工会社の選定を進めていくために公平で透明な選定方式です。

理事会や修繕委員会の方々の中には、設計監理方式を採用することで大規模修繕工事のすべてが解決するように思われている方もいらっしゃるようですが、この方式も万能ではありません。

設計監理方式では、マンションの管理会社、または設計コンサルタントが建物の状態を確認するための劣化診断を事前に行い、工事の仕様を決め、数社に声を掛けてその仕様に基づいて相見積もり取り、会社の規模や経営状態、工事金額、現場監督の経験など総合的に比較して大規模修繕工事を発注します。

管理会社や設計コンサルタントがあらかじめ行った劣化診断によって決めた同じ仕様に基づいて、見積もりをだすため、金額を調整するだけで簡単に談合ができるシステムでもあるのです。

おすすめはプロポーザル方式(提案力比較型)

さくら事務所が大規模修繕工事の談合を防ぐためにおすすめしている施工会社の選定方法が「プロポーザル方式(提案力比較型)」です。

複数の施工会社から見積参加会社を選定し、設計監理方式のようにあらかじめ指定された仕様に基づく見積もりではなく、各社が各々に建物を確認して独自の発想で仕様を含めた工事内容の提案を行うものです。各社から提案される見積もりの工事仕様は皆異なり、その中から管理組合の要望に最も適した提案をしてきた施工会社を選びます。

管理会社や設計事務所が作成した工事仕様書による見積作成ではないため、施工会社各社は、事前に互いがどのような仕様で見積もりを出すか把握できません。結果、談合などのリスクを減らすことに繋がります。

談合を防ぐことで無駄に工事費用を支払わずに済み、各社の提案の中から施工会社や工事の仕様を採用できるという大きなメリットもありますが、その比較検討は容易ではありません。

さくら事務所では、プロポーザル方式(提案力比較型)による大規模修繕工事の施工会社選定のサポートを行っています。

見積に参加した各社独自の仕様や費用を比較するための資料を作成、理事会や修繕委員会の皆様が容易に比較検討し、合意形成に向け理事会・委員会の方針が決定できるようにサポートいたします。

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