建物への雨漏りを防ぐために欠かせない防水処理。
マンションの屋上は常に風雨や直射日光にさらされているので定期的に劣化や不具合をチェックし、補修・修繕の計画をしたいところです。
通常の経年劣化であれば多くのマンションで一般的行われる、12年ごとの大規模修繕工事で補修すれば問題ありませんが、屋上は専有部分と異なり居住者はチェックしないことがほとんどですし、暮らしの中で不具合にも気づきにくい場所です。
そのため分譲時からの屋上防水の不具合が原因と考えられる雨漏りが発見されるケースもあります。
管理会社に定期的に点検を依頼し、状況を確認の上、アフターサービスで補修できる箇所がないかチェックするとよいでしょう。
今回は、分譲時の不具合と経年劣化の不具合事例をもとに、補修した方が良い状況の防水施工についてご紹介します!
防水塗装の膨張
屋上パラペットの防水塗装が一部膨らんでいました。
施工段階の僅かな空隙が原因となっていると考えられます。
また、よく見ると、パラペット上面から側面の膨らみにかけてひび割れが見られます。
そこから雨水が浸透し中で膨張していったことも推測されます。
破裂してしまえばもちろんですが、既に防水がひび割れていますので、防水機能は低下しているものと思われます。
早めの補修が望ましいでしょう。
屋上の水溜り
おそらく、分譲時からの水勾配不良によるものと推測されます。常に水が溜まった状態は、防水が施してあるとは言え、好ましい状態ではありません。
次第に苔が繁殖してくることも予想され、苔が防水層に根を張ると、防水層が破断し防水機能を著しく損ないます。
屋上トップコートの水染み跡と浮き
屋上防水トップコートに水染み跡が見られました。また所々浮きが見られました。
表面のトップコートは、防水層を保護する目的のものであり、トップコートが破断してすぐに防水機能が損なわれるというわけではありません。
しかし、防水層の「保護機能」は低下するので、防水層が劣化しやすくなるのは事実です。
経年劣化が考えられますので大規模修繕の際に補修するとよいでしょう。
防水トップコートの水染み跡・苔・浮き
屋上トップコートに、水染み跡と苔、さらに浮きが見られました。
まさにトリプルパンチという現象です。水が溜まることで苔が生じ、内部に空気が入って膨張しています。
トップコートが破断することで、防水層の劣化が進行する可能性があります。
経年劣化が考えられますので大規模修繕の際に補修するとよいでしょう。