外壁タイルのシーリングの劣化
外壁の伸縮目地(左写真)、配管貫通部周囲(右写真)のシーリング材が劣化し、隙間が生じています。
シーリング材は、温湿度変化や地震や風雨などの自然条件における建物の動きに追従するよう、弾力性を持った材料です。
また気密性や水密性を保持するための防水としての役目もあります。
したがって、隙間があったり、押さえて弾力性のない状態にあると、材料の劣化と考えられます。
シーリング材は、アクリル系、ウレタン系、シリコン系、油性系、ポリサルファイド系など、使用用途によってさまざまな種類があり、耐久性にも違いがみられますが、長期的に紫外線にさらされると弾力性を失い劣化していくのです。
放置すると、外壁タイルの剥離や漏水事故に繋がる可能性も
一度弾力性を失ったシーリング材は、いかなる種類であっても、元に戻ることはなく、ひび割れを生じ次第に破断(隙間の発生)していきます。
劣化し隙間の生じたシーリング部分から、雨水等が浸透するとコンクリート躯体の劣化やタイルの剥離につながる恐れもあります。
またシーリング材は配管貫通部だけでなくサッシ周囲にも使用されますので室内に雨水が浸入するといった漏水事故につながることも考えられます。
シーリング材の劣化は、見た目上隙間などが生じていなくとも、指で触れたときに白い粉のようなものが付着する(チョーキング)場合もあり、隙間がないから大丈夫というわけではありません。
弾力性が失われている時点ですでに劣化が進んでおり、タイミングよく修繕計画の中で補修していく必要があるでしょう。
早い段階で補修をすることで、コンクリート躯体の劣化やタイル剥落など、二次的劣化の防止にもなります。
また防水の役目もあるシーリングですから、雨漏り事故を防ぐ為にも、細かな部分ではありますが重要な点検箇所となります。