マンションの寿命を左右する“躯体の劣化”とは

中古マンション購入のときに一度は考えることが「マンションがあとどのくらいもつか」。

戸建て20年、マンション47年。

これは、税金やローンの借り入れなど、主に金融面において建物の資産価値を評価する場合に用いられる法定耐用年数。

では、「実際に使用可能な」耐用年数はどうでしょうか。

建物強度を保つためのキーワード「かぶり厚」

一般的にコンクリートの建物の寿命は65~70年といわれています。

その根拠は、実験によって得られたコンクリートの中性化(アルカリ性を失うこと)の進行速度にあります。

鉄筋コンクリートとは、その名の通り、コンクリートの中に鉄筋が組み込まれた構造体。

この構造体の耐久性の肝ともいえるのが、「コンクリートのかぶり厚」、鉄筋を覆うコンクリートの厚さを指します。

もちろん、きちんと法的に最低の厚さが決まっています。

厚さは部位や屋内か屋外かによっても様々ですが、例えば屋内柱や壁などは30㎜。

そのコンクリートかぶり厚30㎜が中性化すると、中の鉄筋がさびるようになります。

その30㎜のコンクリートが中性化するのに、計算上65年かかるという実験結果が得られたことに起因しているということになります。

鉄筋のさび=建物寿命となるワケ

鉄筋がさびると体積が増大し、膨れて周囲のコンクリートを押しのけるように破壊させていきます。

いわゆるコンクリートの爆裂という現象です。

要するにコンクリートがボロボロと剥がれて落ち、強度を失っていきます。

一般的にその時期を鉄筋コンクリート建物の寿命とみなしているのです。

条件によってバラつきが見られる劣化

しかし、65年を経た建物でも実際に解体された建物を見てみると、ほとんど中性化は見られず、鉄筋もさびてないこともあるのです。

実は、中性化進行の実験は、コンクリート打ち放しで屋外露出の条件で行われたものなので、現実の建物とは条件がかなり違っているためです。

実際のマンションの外壁は、タイルや塗装で覆われていて、直接風雨に晒されることなく、中性化の要因となる雨や炭酸ガスから保護されています。

大規模修繕工事で外壁や軒裏の修繕をしますが、修繕の目的は、単に美観的な意味だけでなく、構造躯体を保持する意味もあるのです。

マンションの寿命を延ばすには

人の価値観が十人十色であるように、マンションの価値は、そこに住む人によってそれぞれ異なるもの。

そのため一概に良し悪しを決められるものでもありませんが、躯体の健全さに着眼すれば、定期的な修繕を行い、徹底した維持管理がなされれば、100年でもそれ以上でも維持できる良質なマンションとなるでしょう。

そしてマンションの寿命を延ばすためには、定期的な修繕のための積立資金を確保しておくことも欠かせません。

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