今回は管理員・清掃員のトラブルと、問題化している深刻な人手不足についてお話しします。具体的にどのようなトラブルがあるのか、そしてどのように対応したら良いのか。そして人手不足の実情とは一体どんなものなのでしょう。
まずはマンション管理のトラブルの中で、管理員や清掃員に関する代表的なものを挙げたいと思います。さくら事務所にも数多く寄せられる相談です。
マンションの管理員、清掃員に関するトラブルとは?
- 清掃がしっかりできていない
- 親しくしている特定の住戸の人に便宜を図る
- 特定の住戸の子供だけを可愛がる
- 居住者のプライベートなことを他の居住者に話してしまう
- 近隣の住民にマンション居住者の噂話をする
数え上げればきりがありませんが、どの問題も放置するわけにはいかないものばかりです。
トラブルの際は、理事会に相談を
管理員等の業務に明らかに問題がある場合でも、 個人的に業務改善や交代を申し出ても、 管理会社が真摯に対応してくれない場合があります。
一般的な方法としては管理員等の業務にどのような問題があるのか、 具体的な内容を理事会に相談することが大切です。
理事会は報告を受けた内容について、管理会社に説明を求めるとともに、 他にも問題がないか、区分所有者や居住者の意見を募るなどして、状況判断をした上で管理会社に交代や指導の必要性などを要請することになります。
仮に、管理員等に交代の必要があるという場合、 大手といわれている管理会社であれば、通常は管理員等の休暇や急病などに対応するため、 代行要員を確保しているケースがありますので、 問題が深刻な場合や度重なる指導歴がある場合には即時対応することも可能です。
しかし、管理会社の規模や雇用方針などによっては、代行要員がいない場合があり、 新たに求人をする場合などは対応に時間がかかることもあります。
一方で、よくやってくれている方には、きちんと「ねぎらう」ことも大切です。
評価の高い管理員さん、清掃員さんには、できるだけ長く働いていただけるように配慮しましょう。
マンション管理員・清掃員の人手不足の深刻化
というのも、最近、管理員や清掃員の高齢化や人手不足が顕在化してきているのです。
定年延長や再雇用が進んできたことにより、 従来、管理員や清掃員を担ってきた年代の方が大きく不足していることが原因となっています。
管理会社各社は採用時の年齢規定をあげたり、定年を延長したり、 給料を改定したりと工夫をしているようですが、 なかなか効果が上がらないという話も聞きます。
1970年代以降「一億総中流」などといわれてきた影響もあって、 重労働やクレーム対応といった3Kのイメージのある管理員や清掃員の人材不足の問題は 、今後ますます大きくなることが予想されます。 まず管理組合として今できることは、より良い人材を配置してもらい、その方にできるだけ長く働いてもらうことです。
なお、この人材不足の問題については、従来のマンション管理の仕組みを根本から見直す必要にあるとも言えます。一部の公営住宅などでは、自治会役員、共益費集金の他、清掃や草むしりなどが当番で回ってくると聞きます。今後、分譲マンションにおいても、同じような対応が必要になる時代が迫っているのかもしれません。
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