Gメンは見た!マンション管理サービスの実態

マンションに住んでいると、毎日の生活の中で管理会社によるさまざまなサービスを受けることになります。

共用部の清掃業務や受付・取次業務(コンシェルジュサービス)、防災・防犯体制の整備など、日頃の生活で実感できるものから有事のための備えまで、マンションの規模や形態により異なりますがそのサービス範囲は多岐に渡ります。

ですが、例えばお住まいのマンションで「清掃状況が行き届いていないのでは?」「うちのマンション、防災の備えって大丈夫なんだろうか?」「管理員さんがあまり親切じゃない気がする・・」といったことを感じることもあるかもしれません。

「よそはどうなんだろう?」と思っても、他のマンションの管理状況はなかなか外部からではわかりません。

また、管理委託契約はそれぞれマンション管理組合と管理会社の間で取り決められるものですので一概に比較するのも難しいでしょう。

「ここまでしてほしい、こんなことをして欲しい!」と思っても、管理委託契約に含まれていなければ管理会社さんにお願いするのは難しく、契約内容以上の過剰なサービスを要求するクレーマーとも取られかねません。

確認すべきは、「管理委託契約の内容に基づいて提供されるはずのサービスがきちんとなされているか?」

大切なことは「管理会社に委託した管理業務の実施状況」なのです。

さくら事務所ではこれまで、多くのマンションの管理業務の履行状況をチェックしてきました。

ここでは、さくら事務所のサービス「管理サービスGメン」で発覚した事例をご紹介します。

Gメンが見た、管理会社のサービス事例

これでもホテルライク?ゲストルームのホスピタリティ

タワーマンションや大規模マンションで見られるゲストルーム。

遠方から遊びに来た親戚や友人の宿泊時などに利用できる、マンション内にある宿泊ルームです。

ゲストも気兼ねなく過ごすことができ、ホテルよりも安価で宿泊できるというのも魅力でしょう。

マンションの規模やスケールから、ホテルライクなホスピタリティを謳っている管理会社でも、このゲストルームで、部屋の掃除が行き届いていない、タオルなどのリネン類のセットが雑、といったケースが見られます。

ゲストルームは、居住者自身が頻繁に利用するものでもないので、そんな状況だったとは管理組合の皆さんもなかなか気がつくきっかけがないのです。

ホスピタリティはいわば追求すればきりがないものですが、一定のクオリティのマンションであれば「ここまではやってほしいよね」というラインがあるでしょう。

まずは、管理委託契約でどういった内容になっているか、契約書通りの履行状況なのか?確認したいところです。

マンション内で事故を防ぐ、安全管理

マンションにかぎらず、大人なら問題なくともお子さんには危険、という箇所がたくさんあります。

例えば、点検口。簡単に開けられる点検口が壁や床についている場合、その不思議な入り口を見つけたお子さんは冒険心をかきたてられてしまうかも。

自分で開けて、中に落下してけがをしてしまう可能性もあります。

マンション内での事故を防ぐためにも、建物そのものの安全はもちろんな建物内の安全な管理・維持はいずれの管理委託契約でも基本的な事項として含まれているかと思います。

本来、このようなお子さんの手が届く場所の点検口には鍵が設置されていて、確実に施錠を行い、普段は開けられないようにしておく必要があります。

こうした箇所については点検票を作成し、定期的に点検してもらうことをお願いしましょう。

あれ?防災センターに2人しかいない?

東京都や横浜市などでは条例によって防災センターには、火災・震災などに対応するために必要な講習を受けた「防災センター要員」を配置することが義務付けられ、防災センターの位置、構造、機能、人員配置等に関する計画(集中管理計画)を消防署に届け出るよう定められています。

ここで建物内の防災設備や消火設備が管理・制御されています。

しかし、実際に管理業務の履行状況について調査を行うと予め消防署に届け出された防災センター要員の人員配置が満たされていないことがあるのです。

実際に消防署には3人の配置で届けられていたマンションの防災センターで、2人しか配置されていなかった、というケースもありました。

災害時、防災センター要員の初動体制はその被害に大きくかかわり、人命にも関わりますので、人員数だけでなく、確実に機能できる体制が確保されているかについても確認しておきましょう。

防災倉庫内に備蓄された防災用品の点検整備

近年の都市防災意識の高まりは管理組合にも広がりをみせ、防災用品を備蓄する管理組合も少なくありません。

備蓄されている防災用品の代表的なものは、
□飲料水 □乾パンや缶詰などの非常食 □非常用簡易トイレ □懐中電灯 □担架 □工具類
といったものが一般的ですが、中には発電機や無線機(トランシーバー)といったものまで備えている管理組合も少なくありません。

飲料水や非常食では購入時に保存期限などを記録して、期限が切れる前に新たなものと入れ替える必要がありますが、発電機や無線機などにも購入時や保管時に気を付けなければならいことがあります。災害時に役に立たない備蓄品では何の意味もありません。

発電機には燃料がガソリンやカセットガスなどの種類がありますが、何れの製品も購入したままの状態で段ボール箱を開封した様子もなく数年間にわたって保管されていることが珍しくありません。

保管状態を確認すると段ボール箱に発電機のエンジンオイルが漏れていると思える、油染みが確認されることもあります。

エンジン式発電機の保管はメーカーが縦置きなどの方向を指定しているケースがほとんどですが、これを無視して他の防災用品と一緒に防災倉庫内に山積みされている場合などはかなりの確率でオイルが漏れだしています。

これでは、実際に必要になった時にエンジンが始動しないという可能性があります。

また、ほとんどの発電機では保管時のメンテナンスとして月に1回程度の試運転を行うこととされていますが、これが励行されているケースはほとんどありません。

また、免許を要することなく使用できる無線機では防災用として最低限必要な機能が備わっていない製品もありますので、機種選びは慎重に行う必要があります。

特に超高層マンションなどでは、屋上と地上でスムースに通信ができないというような事例もあります。

購入前に業者に通信状態をテストしてもらうことが望まれますが、既に購入されている場合には防災訓練の際などに試験運用してみることをお勧めします。


いずれもマンションにお住いの皆様が個人的にチェックするのはが難しいかもしれませんが、気がついたら即座に対応してほしいものばかりですね。

ともすれば、マンションで起こったことについてはすべて「管理会社が悪い!」と声を上げる方も中にはいらっしゃるかもしれません。

まずは、今の管理委託契約の内容をきちんと履行してもらっているか?もし実施状況に問題があるようであれば、改善の余地はないか?を確認してみましょう。

多くのマンションを実際にコンサルティングしている、第三者の専門家に客観的にチェックしてもらってももいいでしょう。

さくら事務所では、管理サービスGメンが駆けつけます!

 

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