大規模修繕をオリンピック以降に行うと安くなる?

高騰する大規模修繕の工事費

大規模修繕の施工費用が大幅に上がったのが2013年秋ごろ。

現在は高騰する前の2013年の春夏に較べると足場が4割、塗装は2割程度、平均にして20~30%工事費が上がってしまっています。

先日のコラムでご説明した人手不足も一因で、工事を実施するために必要な工事監督が確保できず、施工会社が管理組合からの数千万円の工事の依頼を断るケースすら出始めています。

大規模修繕工事をオリンピック後に延期する組合が急増

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工事費が増えると、当然、大規模修繕にあたって管理組合が修繕積立金から負担する費用はその分増えてしまいます。

このような背景から、「オリンピック後には工事費が下がるのでは」という見込みから、多くのマンションで本来の周期であれば2020年までに予定していた大規模修繕工事を、2020年以降に延期するケースが増えています。

しかし、工事を延期していたマンションがオリンピック後に一斉に工事を始めることによって需要が高まるため、実は現在の価格高騰が鎮静化するかは不透明です。

合理的なコストダウンの方法の一例

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それでは、大規模修繕の合理的なコストダウンの方法はないのでしょうか

工事を延期して不具合や経年劣化の症状が進行してから工事を行うよりも、早めに行っておいた方がむしろ出費が安く済むようなケースもあるでしょう。

オリンピック前後という数年程度の短いスパンで考えるのではなく、数十年単位の長いスパンで長期修繕計画を見直して施工回数を減らし、合理的にコストダウンするという方法もあります。

そのひとつが、通常、12年程度の周期で行っている大規模修繕工事をを18年周期で行う方法です。そうすると、36年間で見ると前者では3回実施しますが、後者では2回の工事で済むことになります。1回分の工事費は2割程度高くつきますが、全体でみると安くなり、修繕積立金に余裕を持つことができます。

また、「状態監視保全」という方法もあります。マンションの状態を見極めた上で、補修が必要なところにのみ修繕を行うという方法です。

適切なコンサルティングで確実なコストダウンを

このように先が見えない時代だからこそ、適切なコンサルティングが求められています。

工事費のことだけではなく、現在のマンションの問題の有無や状況を把握したうえで、どのような工事をいつ行うかの判断が重要になっているのです。

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