【特別対談】名物理事がマンション理事のリアルを語る!第3回

  • Update: 2019-01-03
【特別対談】名物理事がマンション理事のリアルを語る!第3回

年末年始特別コラムとして、長嶋修最新刊「100年マンション」発売記念に10月に行った「イニシア千住曙町」の名物理事 應田治彦氏とさくら事務所マンション管理コンサルタント土屋輝之の対談の模様を3回に渡ってご紹介します。

最終回の今回は、管理力が資産価値として評価される時代、ホームページでの情報開示について伺いました。

最初からお読みになる方はこちらから・・・【特別対談】名物理事がマンション理事のリアルを語る!第1回

組合と管理会社を引き離したがるコンサル会社

土屋:2年目とか10年目のアフター等の建物点検をコンサル会社にお願いしたり、長期修繕計画の見直しをお願いしたら、いつの間にか管理会社が変わってたというようなケースがありますよね。

それで組合の中がギクシャクしてしまうっていう。

業務を委託するときには全く予想していなかった、いつの間にか本来お願いしていたところではないところに着陸をさせられてしまったというようなそんな組合のお話をよく伺います。

管理コンサルタントってどうしても組合と管理会社を引き離したがある傾向があるんですよね。

私たちはそれはおかしいと、そこは曲げられない理念の部分でやっています。

この長期修繕計画の見直し方法が受け入れられたのは、その理念の部分を受け入れてもらった、ということかもしれませんね。

應田:長嶋さんの本(「100年マンション 資産になる住まいの育てかた」)にも提言の一番最初に「むやみに管理会社をリプレスしない」と書いてあって、リプレイスでいくらでも安くなるっていう本はこれまでにたくさん読みましたけど、ものすごく革新的だなと思いました。

土屋:できれば変えないほうがいいっていうのは、管理会社変えなくて済むなら絶対に変える必要はないという意味なんです。

「変えずに改善できることと」「変えなければ改善できないこと」を切り分けましょうっていうことをいつもお話ししているんですけども。

管理力が資産価値に反映される時代はくるのか?

土屋:管理にしっかり取り組んで「うちは他のマンションとは違うよ」っていう自負が出てくると、当然それによって資産価値が下がらないとか、むしろ上がるとかいうところに結果が現れてほしいと期待するんですけど、残念ながら今のところそうは思えない状況なんですね。

今後、素晴らしい管理を継続していくうえでマンションの資産価値が管理によって変わるっていうようなことにならないと、マンションの管理をしっかりやっていこうという風潮にはならないんじゃないか、と思うんですね。

スーパー理事長として「管理がもっとしっかりしたら、こういう風に変わってほしい」とか制度や税制も含め、思い浮かぶことはありますか?

應田:「管理の善し悪しっていうのは意外に値段に反映されていないな」っていうのがよく頑張っておられる理事長の印象だと思うんですね。

っていうのは例えば家を買うとき「修繕積立金と管理費とローン返済が合計で月々いくらまで買える」っていう考え方をしてしまうと、修繕積立金が安いマンションのほうがより選ばれるマンションということになる。

中古でも同じことがあって、うちのマンション「他のマンションより修繕積立金が高いんですけど」ってよく言われるんですよ。

だからそれが売り出し価格に織り込まれてしまうと、必ず何百万と修繕積立金の低い方が評価されることになる。

本当は「組合の銀行口座には9億円くらい持ってます。このマンションは一戸当たりで180万円もっているお金持ちのマンションです」と言ったら、それが数字で見える形で評価されなければならない。

「管理費や積立金の毎月の徴収額がいくらか?」って言うのも大事なんですけど、その辺を国の施策として「管理組合の資産状況が中古売買市場で必ず見ることができる」そんな感じのシステムに移行してほしいな、というか、長嶋さんあたりに提言してほしいな、と。

でなければ、うちは積立金徴収が高いだけのマンションとして価値がより低くなってしまうという危惧を感じています。

土屋:マンションの価値の評価っていうのは、評価軸が相当しっかりしていないといけないですよね。

『マンション買うなら管理を買え』って、私が不動産の仕事する前からその言葉知っていましたけど、じゃあ買うべき管理って何?って聞かれると答えられる人ほぼいないでしょう。

さくら事務所としては今後はオリジナルの評価軸みたいなものをしっかりつくって管理が良好なマンションが正当に評価される仕組みを考えたいなと思っています。

議案書が年に6000回ダウンロードされるHP

土屋:管理組合がホームページをオリジナルで作成して総会の議案書だとか修繕計画だとか会計の内訳まで情報を開示する組合さんが最近増えていると思うんですが、イニシア千住曙町は間違いなくその草分け的な存在ですよね。

情報開示することに対して、組合の内部で反対意見やハードルのようなものはなかったですか?

應田:一番最初にホームページに挙げるときはそういう議論もありました。

一方でなかなか仲介の人とかも総会の議案書とかを取り寄せてくれないんですね。見てないのに管理がいいも悪いもないじゃないですか。

だったらうちは自分で公式ホームページを作って載せてやろうぜと。

もともと私管理オタクですから、議案書とかある意味作品なんですよ。だから他の人にも鑑賞してほしいなと。

google で総会+議案書で検索するとうちのホームページがトップにヒットするので、年に6千回くらい議案書を置いてあるページにアクセスがあります。

土屋:今後、今後さらにホームページで公開したいのは?

應田:今は、マンション管理オタクのための展示スペースみたいになってますけど、今後はもっと一般の人から見たときに「なんか住んだら楽しそうだな」思ってもらえるような楽しげな行事などコミュニティ活動の報告といった面を充実させたいなと思います。

土屋:今後管理組合として取り組んでいきたい、野望みたいのものをお聞かせいただいたらと。

應田:住んでいる人がハッピーになってもらいたいというのがあるので。

もっとみんなハッピーに「住んでよかったな」と思ってもらえるようなところになってから辞めたいなあと思います。

土屋:組合の皆さんの幸せな顔をみることが野望ということですね。

應田:そういうことにしておきます。

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