知っておきたいマンションの防災設備 ~消火設備編~

防災設備

マンションに設置されている消火設備

前回は、警報設備のポイントについて説明しましたが、今回は消火設備の知っておきたいポイントについて説明します。
マンションに設置されている消火設備は建物の規模などより異なりますが、一般的には以下のようなものが設置されています。

1)屋内消火栓設備
2)スプリンクラー設備
3)泡消火設備
4)ガス系消火設備
5)移動式粉末消火設備
6)連結送水管
※消火器も分類上は消火設備となります。

では、それぞれの設備の基本的な機能と、知っておきたいポイントについて説明します。

1)屋内消火栓設備
下の図は、屋内消火栓の代表的なものです。

2501

(能美防災株式会社HPより引用)

使わないのがベスト、でもいざというときのために訓練を

屋内消火栓は火災発生時に初期消火することを目的とした消火設備で、人が操作して使用します。消防用水は建物内に貯留されていて、消火栓箱の中の放水バルブや自動火災報知機の発信機の操作により、加圧ポンプが起動することによりホースから放水されます。
図の左側に示されているのは、1号消火栓と呼ばれるもので古くから採用されています。ホースが折り畳まれて格納されているので、全部引き出してからでないと放水できません。通常は2人以上で操作することが前提で、円滑に操作するためには一定程度の訓練が必要です。
図の右側は、易操作性1号消火栓と呼ばれるものですが、管状に保形されたホースが円形に格納されていて、1人でも操作することが可能なものです。

マンションでは易操作性1号消火栓の放水圧や放水量・ホースの長さなどを抑えることにより、さらに操作性を向上させた2号消火栓が設置されていることもあります。火災が発生しても、従来型の1号消火栓では実際に消火活動に使用されることが少ないという問題があるため、易操作性1号消火栓が開発されたという経緯があります。
屋内消火栓が設置されているマンションでは、1号消火栓・2号消火栓の何れの場合でも防災訓練などの機会に、消防署や消防設備の点検技術者立会いの下で実際に放水するまでの操作を訓練しておくことが望まれます。
消火栓ホースは10年に一度、耐圧試験を行う必要がありますが新品と交換するのと費用に大きな差がないために、試験を行わずに新品と交換する管理組合が多いようです。
一度も使用されることなく、役目を果たした消火栓ホースを小物入れやバッグに加工して、再利用に取り組んでいる自治体や企業もありますが、とても丈夫な素材なので他の用途にも利用が進めば、ゴミの減量だけでなく資源の節約にもなり一石二鳥です。また、現在1号消火栓が設置されているマンションでも、易操作型1号消火栓へ交換することができます。
消防設備は、設置されてから1度も実際の火災で使用されることなく交換されたり、建物と共に解体されるのが一番という側面があるので、一般的なマンションの設備とは異なり、維持管理に費用をかけにくいものですが、真に安心・安全なマンションを目指すためには検討の余地があると思います。

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