老朽化マンションの出口戦略 -その1

老朽化マンションの出口戦略 -その1

なぜマンションの建て替えは進まないのか?

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アメリカ・フランス・ドイツなどでは、マンションが老朽化したら区分所有を解消することが前提となっていますが、日本の区分所有法では建替えることが前提となっています。

そのために、新築されたマンションの管理規約にも建替えの際の議決の方法について、しっかりと規定されています。

マンションのストック総数は601万戸、うち旧耐震基準によるものは106万戸とされいますが(平成25年末時点 国土交通省データ)、これまでの建替えの実績は累計で、196件、約15,500戸(平成26年4月時点 国土交通省データ)にとどまっているのが現状です。

老朽化したら建替えることが前提となっているにもかかわらず、建替えがなかなか進まないのはなぜでしょうか。

個々のマンションによって事情が異なり、さまざまな理由があるのはもちろんですが、建替えが進まないもっともも大きな原因は、建替えに必要な資金が調達できないことにあります。

では、建替えることができたマンションは、どのように資金調達したのでしょうか。
建替えすることができたマンションには、共通する条件があるのです。言い方を代えれば、この条件をクリアできないマンションは、現時点の区分所有法、その他の法令などの下で建替えることは、とても困難であるということが言えます。

建替えが実現したマンションの共通点は?

建替えることができた多くのマンションには、次の共通点が存在しています。

建替え前の延べ床面積(総戸数)に比して、建替え後の延べ床面積(総戸数)が約2~3倍程度に増床(増戸数)となっていること。

この共通点が何を意味しているのか、お分かりになるでしょうか。
延べ床面積(総戸数)が2~3倍程度になっているということは、元の建物よりも大きくなった分を新たな所有者に売却することで、建替えに必要な資金を調達することが可能となるため、元々の所有者の方々は建て替えのために、自己資金が不要なケースや負担があった場合でも、金額がわずかであったために調達することができたのです。
自己資金には、既存の建物の取り壊しから新しい建物に、入居が可能となるまでの仮住まいの費用なども含まれています。

この条件を備えているマンションの建替えでは、不動産会社が建替えに事業に積極的に参加して、増床(増戸数)となったスペースを売却することで収益を上げることができるのです。

次回は、自分の所有するマンション、購入を検討しているマンションがこの条件をクリアできる可能性がどの程度あるのか、解説します。

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