見落としがちなマンションの駐車場料の滞納を防ぐ方法

マンションの駐車場料の滞納

実は、管理費等の滞納があるマンションは珍しくありません。

これまでの現場では、マンション管理について関心が薄いことが多い、都心の主に投資用マンションや、郊外のマンションに比較的多く見られる傾向があります。

マンション共用部分=区分所有者の共有資産という認識が薄く、自らが維持管理責任を負うことをきちんと理解していないため、管理費等を納める義務感がないといった状況で、しばらく滞納をしていても特に何も言われない、損害がないのでそのままになっているケースも見受けられます。

一般的にこうした滞納所有者が住戸を売却した場合、買主もその滞納分を負担する義務を負うことになります。(区分所有法第8条:特定承継人の責任)

しかし、ここに意外な盲点があります。

修繕積立金や管理費とも違う、駐車場料の滞納の盲点

多くのマンションが準用している、国土交通省の「標準管理規約」では、「管理費等」を「管理費」及び「修繕積立金」と定義しています。

ところが、駐車場使用料とか駐輪場使用料など、個別に使用している「専用使用料」は、概ね月額いくらと言う形で決められており、毎月納める管理費や修繕積立金と一緒に支払っているケースがほとんどで、管理費等を滞納している人は、一緒に「専用使用料」も滞納していることに。

管理組合の立場で見てみると、買主さんに対して、前所有者滞納分の管理費等を請求すれど、専用使用料については回収できないケースもありうるということになります。

未回収リスクを回避するためには、管理規約を見直すか、単に「管理費等の滞納」とするのでなく「専用使用料」についても別途記載するなどの工夫が必要でしょう。

一方、買主さんの立場で見ると、一見お得な話のように感じられても、これら専用使用料も将来の修繕のために蓄えられるものですから、結局最終的には修繕積立金が不足するなどの問題に直面することになります。

目先の損得で計算するのではなく、将来の生活の安心を見極めることが肝心でしょう。

駐車場は車を使用する人が減っており使用率の低下が目立ってきています。

将来の大規模修繕資金にも影響を及ぼす可能性もあるため、回収漏れや滞納といったことがないようにしっかりと管理、回収ができるようにマンションにあった規約に見直すことが大切です。

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